車種別・最新情報 [2022.10.12 UP]
【新型シエンタのすべて2】車両概要編
全長4.3m弱のコンパクトボディに3列シートを効率的に配置することで多人数乗車にも対応可能。これだけでも十分魅力的だが、新型シエンタは最新メカニズムと最新装備で全方位的に大進化! まさに1台でなんでもこなせる万能モデルに生まれ変わった。その魅力、余すことなくご確認あれ。
新型トヨタ シエンタ 公道試乗 HV車とガソリン車の比較検証も!
●文:川島 茂夫 ●写真:奥隅 圭之
TOYOTA 新型シエンタ
●発売日:2022年8月23日 ●価格:195万~310万8000円
車両概要
限られたキャビンスペースを
徹底活用する工夫がてんこ盛り
従来型(2代目)は初代のキュートな顔つきからスポーティな面影を強めた個性的なフロントマスクに変更することでファミリー色を薄めていた。だが3代目となる新型は再びフレンドリィ路線にイメージチェンジ。さらにルーフ後半の絞り込みを抑えるなどで、比較的キャビンボリュームを感じさせるスタイルを採用している。
車体寸法を新旧で比較すると、新型の全高は20mm拡大しているが、他は共通。最小回転半径は20cm小さい5.0mとなっている。狭い路地がある住宅地でも扱いやすいサイズは歴代シエンタの特徴であり開発要点の一つだが、新型にもその美点は受け継がれている。
さらに限られたキャビンスペースを巧みに活用する工夫も健在。 具体的には、新型はセカンドシートのバックレストや取り付け部分を工夫することで、実用スペースの拡大を図っている。
この考え方はシート着座位置の設定にも表れており、ミニバンではありがちなレッグスペースを稼ぐ座面高設計ではなく、乗降性や視角的な圧迫感減少を狙った乗用車的な設計を採用している。男性が適切なドラポジを採っても一般的な乗用車よりもヘッドクリアランスの余裕がある。ちなみに運転視線はセダンや2BOX車にかなり近い。それらからの乗換でも馴染みやすい運転感覚である。
前席とセカンドシートは前後左右のウォークスルーが可能。前席への移動や前席横移動ではインパネシフトの張り出しが少々邪魔だが、乗降しやすく安全性の高い左スライドドアから乗り込んで、各々のシートに移動するといった使い方も、ファミリーユースを意識した利点の一つだ。
セカンドシート(後席)を3列仕様と2列仕様で変更しているのも特徴の一つ。
3列仕様のセカンドシートはスライド&リクライニング機構を備え、格納はバックレスト前倒と連動して座面ごと前方に立ち上がるタンブル方式を採用。格納機構はスライド最前位置でのみ可能だ。
2列仕様の後席格納はバックレスト前倒の後座面ごと床面に落とし込むチルトダウン方式。前席以後がフラットフロアとなり、前席をゆったりセットしても1.9m近い奥行きが得られる。
セカンドシートのスライド機能は荷室と乗員数のアレンジにも大きく影響を与えるので、3列仕様の方が使い回しのいい設計。2列シート仕様は乗員は5名まで、かつフリースペースとしての使い勝手を求めるユーザー向け。用途に応じて選び分けができることも、シエンタの強みといえるだろう。
3列・7人乗り仕様
スクエアボディを基調としながらも四隅を丸く帯びたデザインにすることで、優しげな雰囲気を強調。サイド下部の別体パネルがアクセントになっている。
標準装備はスチールホイールだが、GとZには切削光輝+ブラック塗装のアルミホイール(写真)が用意されている。
ダッシュ中央にディスプレイオーディオを配置するオーソドックスなキャビン。インパネ周りにBOXティッシュや紙パック飲料、スマートフォンの収納を想定した小物スペースを配置するなど、ファミリーを意識した設計も特徴。
コンパクトボディいっぱいに3列シートを配置。シート地は全グレード、ファブリックだが、Z系は消臭、撥水撥油機能を備える上級ファブリックが採用されている。
Zのメインメーターは、7インチの高精細カラーモニターを中央に配置されるデジタルメーターを採用。多彩な情報を直感的に把握することができる。
ディスプレイオーディオはレス仕様、8インチモニター、10.5インチモニター(写真)の3タイプを設定。10.5インチ仕様には車載ナビ機能も備わる。
ハイブリッドZはシフトポジションを電動制御するエレクトロシフトマチックを採用。レバーを傾けることで直感的な操作感を楽しめる。
天井には前席側の空気を後席方向に送風することができる天井サーキュレーターをメーカーOPで選択することが可能。
セカンド/サードシートは5:5分割タイプで、サードシートは床下格納のダイブイン機構を備える。状況に応じて柔軟なアレンジが可能だ。
2列・5人乗り仕様
2列・5名乗り仕様の外観は7名乗り仕様と共通。大きな違いはセカンドシートで、6:4分割の前倒可倒式になる。荷室は広々使えるがアレンジ性は7名乗りに及ばない。
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みんなのコメント
ただ、ハイブリッドの四駆モデルになると、重さが1.4トンを超えるのでさすがに荷が重いかと。それに7人乗車だとドライバビリティが低くなるのは我慢しないといけなくなるな。まあ、このクルマを考えてる層は動力性能をさほど重視しないのでこれでもいいんでしょうが…