マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がF1第14戦ベルギーGPで5基目のパワーユニットを投入した。フェルスタッペンは第9戦カナダGPで投入したパワーユニットに高電圧系のトラブルが発生して、続く第10戦スペインGPに4基目のパワーユニットを投入していた。
クリスチャン・ホーナー代表も「いつかはマックスのために追加のエンジンを用意することになるだろう。問題はそれをいつ戦略的に選択するかだ。それについてはホンダと協力していくし、必然的に今年のどこかの時点でペナルティを受けることになるだろう」と語っており、フェルスタッペンが5基目パワーユニットを使用することは時間の問題だった。
初日3番手のフェルスタッペン、10グリッド降格に備える「レースに重点を置き、最適なセットアップを探っている」
ホンダ・レーシング(HRC)の折原伸太郎(トラックサイドゼネラルマネージャー)はこう説明する。
「モントリオールで失ったパワーユニット以外の3台だけでも、やり繰りしながら最終戦まで戦えなくはないですが、パフォーマンスを考えたときに、もう1台フレッシュなエンジンを入れておいたほうが最後まで戦えると踏んだわけです」
では、なぜ第10戦のスペインGPからわずか4戦後の第14戦ベルギーGPで5基目を投入したのか。それはもちろん、ベルギーGPの舞台であるスパ-フランコルシャン・サーキットがオーバーテイクしやすく、グリッド降格ペナルティによるダメージが比較的小さいからだ。
じつはフェルスタッペンとレッドブルがスパでグリッドペナルティを受けるのはこれが初めてではない。2年前の2022年のベルギーGPでも主要4コンポーネントを交換して20グリッド以上のグリッド降格ペナルティを受けていた。
それでも、このグランプリではフェルスタッペン以外にも7名がパワーユニットを交換したため、最終的に予選でトップタイムをマークしていたフェルスタッペンは14番手からスタートし、逆転優勝を飾った。
しかし、今年はこの2年とは状況が異なる。最近の2年のレッドブルにはライバルを圧倒するスピードがあった。だが、今年はシーズン中盤の時点で最速のマシンがレッドブルでないことはフェルスタッペンとレッドブル自身が認めている。
そのため、今年のベルギーGPで投入したのはICEのみにとどめている。これにより、フェルスタッペンのグリッド降格ペナルティは10グリッドとなり、土曜日の予選でポールポジションを獲得すれば、11番手。仮にマクラーレン勢にフロントロウを奪われても13番手以上からスタートすることができる。
金曜日、フェルスタッペンはマクラーレン勢の後塵を拝して3番手。想定内の初日だったようだ。
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