競合より明らかに安いD-マックス
いすゞは、商用車メーカーとしてだけでなく、アウトドアやオフロード志向のユーザーにも訴求する「ライフスタイル」ブランドへ変わろうと欧州で務めている。フォルクスワーゲンやトヨタなどと肩を並べるべく。
【画像】アウトドア/オフロード志向のユーザーにも! いすゞD-マックス 競合サイズのピュアテックたち 全136枚
そんな同社で唯一、乗用車カテゴリーに属するのが、ピックアップトラックのD-マックス。ビッグホーンやヴィークロスは、すっかり過去のモデルになってしまった。
D-マックスの強みは、トヨタ・ハイラックスやフォルクスワーゲン・アマロックなど、競合より明らかに安いこと。ディーゼルターボの堅牢なピックアップでは、英国の最安値に位置する。
5年間か20万kmの保証が付帯するのも魅力だろう。18インチ・ホイールにオフロードタイヤ、タッチモニター、シュノーケルなどを装備すると、相応にお値段は上昇するが。
英国でのエントリーグレードは、現場仕様のユーティリティ。ローレンジ付きの四輪駆動で、オートヘッドライトに16インチ・スチールホイール、クルーズコントロール、ヒルディセント・コントロール、ブルートゥース対応ステレオなどが備わる。
ハイラックスやアマロックなどの購入層を受け止めるのが、V-クロス。9インチのタッチモニターが与えられ、シートはアップグレードし、エアコンはデュアルゾーンになる。オリジナルのキャンプキットも選べる。
トップグレードが、アークティック・トラックスAT35とマッドマスターV-クロス。ウインチとLEDライトバー、シュノーケル、20インチ・オールテレーンタイヤが組まれる。
ディーゼルターボは164ps インテリアが強み
どのグレードでも、英国仕様のエンジンは164psと36.7kg-mを発揮する、1.9L 4気筒ディーゼルターボで共通。6速MTの他、アイシン社製の6速ATも選べる。荷台の最大積載量は、1000kgとなる。
キャビンは、1列シートのシングルと、2列シートのダブルから選択可能。2019年に発表された3代目は、2023年に小改良を受けている。フロントグリルは存在感を増し、バンパーもデザインが改められた。ヘッドライトはシャープな目つきだ。
吸気シュノーケルなしでも、エンジンは最大800mmの水深に対応。アンダーボディは強化され、四輪駆動システムもアップデートされている。ボディが路面へ接する角度は、アプローチ・アングルが31度で、ディパーチャー・アングルは24度と、ライバルに並ぶ。
キャビンは強みの1つ。工事用ヘルメットを被ったままでも平気なほど、車内にはゆとりがある。シートとステアリングコラムの調整域は広く、快適な運転姿勢を取れる。
ダッシュボードなどは、軍手でも操作できるよう配慮され、いかにも堅牢。表面は、汚れても簡単に拭き取れる。小物入れやカップホルダーなども充実している。
インフォテインメント・システムは、旧世代感がある。直感的なデザインではなく、操作しやすいとはいいにくい。アップル・カープレイとアンドロイド・オートには対応するけれど。
エアコンの操作パネルには、実際に押せるハードボタンが残され、扱いやすい。クーラーが強力なのもうれしい。四輪駆動やロッキングデフ、ローレンジの切り替えも、腕を伸ばさずに可能だ。
常用域なら充分強力 褒められるオンロードマナー
さて、確認が長くなったが発進させよう。エンジンを始動すると、実務的な4気筒ディーゼルターボらしい、ノイズと振動が生じる。洗練という言葉は似合わない。
車重は2030kgあるが、164psと36.7kg-mという数字以上に走りは活発。上質さは別として、発進停止の多い市街地でもオフロードでも、パワー不足は感じないだろう。
1500rpmから2000rpmの間でパワーの上昇が鈍り、追い越し加速時は高めの回転域を保つことにはなる。それでも、ターボのブースト圧が高い限り、50km/hから100km/hまでの間なら力強い。高速巡航時のエンジンは穏やかだ。
アイドリングストップ機能は、もう少し煮詰める余地がある。エンジン停止時の揺れが大きく、発進時の再始動は遅れ気味に思えた。
舗装路での走りは、安定していて心強い。思い切りブレーキをかけても不安定にはならず、ワダチを超えても必要以上に揺さぶられることはない。ブレーキの効き自体も強く、漸進的で好印象だった。
ステアリングの反応は、オンロードでは若干曖昧。カーブでは、ステアリングホイールをどの程度回すべきか、慣れるまで探る必要がある。扁平率60のオールテレーンタイヤが、正確性の足を引っ張っている。
とはいえ、カーブでの姿勢制御は優秀だ。リアサスペンションはリーフスプリングで、重い荷物を想定したセットアップといえるが、アンチロールバーがボディロールを抑制。路面へしなやかに追従し、マナーは優秀といっていい。
想像以上の悪路性能 コスパに長けた選択肢
オフロードに出れば、ステアリングは正確に転じる。路面が直接目視できないような勾配でも、手応えを頼りに進むことができる。最小回転直径は12.5mと小さく、小回りはかなり利く。アマロックは12.9mだ。
四輪駆動システムの反応速度は、このクラスの最速。通常は前輪駆動で走るのだが、最大104km/hまでなら、0.69秒でリアのドライブシャフトを接続できるという。
試乗したマッドマスターV-クロスは、ピックアップトラックへ想像する以上に、過酷な条件を軽々と走破してみせた。イネオス・グレナディアにも、劣らないかもしれない。
低速域での乗り心地は、滑らかな路面でも落ち着かない。フォード・レンジャーの上質さが、羨ましく感じるかも。
燃費は、約110km走らせた平均で12.6km/L。ライバルより優れるとはいえないだろう。牽引重量は、3500kgまで対応する。
フォルクスワーゲンやトヨタなどへ並ぶ選択肢を目指した、いすゞD-マックス。エンジンの洗練性やステアリングの正確性、インフォテインメント・システムなどが、それらへ届いていないことは否定できない。
しかし、特有の魅力があることも事実。悪路性能はライバル以上といえ、いすゞが注力したという、オンロードでのマナーも充分に優れる。マッドマスターV-クロスの、勇ましい容姿にも惹かれる。
お手頃な価格にも関わらず、装備は極めて充実してもいる。コストパフォーマンスに長けた、ピックアップトラックなことは間違いない。
◯:ワイルドなスタイリング 実際に堅牢な品質 圧倒的なオンロード性能
△:ディーゼルエンジンの洗練性 旧式なインフォテインメント・システム
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