8月3日(土)、WRC世界ラリー選手権第9戦『ラリー・フィンランド』のデイ3が行われ、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)から5台のトヨタGRヤリス・ラリー1が出走。カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)が総合首位、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(17号車)が総合2番手につけ、ホームラウンドのリードを守った。
さらに、今大会がラリー1デビューラウンドとなるサミ・パヤリ/エンニ・マルコネン組(5号車)は総合5番手にポジションアップ。2日目のデイリタイアから復帰した勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)は、3番手タイムを2度マークする走りを見せた。なお、デイ3開始時点では総合2番手につけていたエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)は、ドライブシャフトのトラブルが発生し後退。最終的にデイリタイアを選択している。
トヨタ同士の首位争いでまさかの失速。“水を得た”ロバンペラが最速連発/WRCフィンランド
ラリー・フィンランドのデイ3は、サービスパークの南西エリアで『ヴァスティラ』、『パイヤラ』、『オウニンポウヤ』という3本のステージを、ミッドデイサービスを挟んで各2回走行。6本のステージの合計距離は144.22kmと、4日間で最長となった。
前日に続きデイ3も天気は安定せず、雨が降ったり止んだりする一日となり、路面は湿っていたり濡れていたりするなど全体的に滑りやすいコンディションのなか行われた。
デイ2で首位に立ち、総合2番手のエバンスに8秒差を築いていたロバンペラは、全6ステージのうち5本のステージでベストタイムを記録。総合2番手に順位を上げたオジエに対し、44.2秒という大きなリードを築いてデイ3を終えた。
その結果、ロバンペラとオジエは明日の最終日を最後まで走り切れば、土曜日終了時点での順位に対して付与されるポイントを獲得することができ、TGR-WRTはマニュファクチャラーズ選手権での逆転に繋がるポイントを得ることができる。
一方、デイ2終了時点で総合2番手につけていたエバンスは、デイ3オープニングのSS11でロバンペラに次ぐ2番手タイムを記録するも、続くSS12でドライブシャフトにダメージを負い大幅にタイムロス。その後、ミッドデイサービスで修理を行なうなかで、ドライブシャフトのダメージが他のコンポーネントにも影響を及ぼしていることが判明した。
その結果、併発したトラブルへの対処に時間を要し、計40分までとされる規定のサービス時間を超過。2分40秒のペナルティタイムを科せられ、大きく順位を下げることに。そして、デイ3最後のステージをポイント圏外の総合順位で走り終えたエバンスは、デイリタイアを選択。再出走規則に基づいて明日のデイ4に再出走する。
今回初めてラリー1でWRCイベントに出場した地元の新鋭パヤリは、今大会最長となる32.98kmの伝説的ステージ『オウニンポウヤ』の2回目の走行で、3番手タイムを記録。前日よりもひとつ順位を上げ、総合5番手でデイ3を走破した。
また、デイ2でクルマにダメージを負いデイリタイアとなった勝田は、デイ3で再出走。ステージ3番手タイムを2回記録するなど、速さを発揮した。
さらに、今回はドライバーとしてトヨタGRヤリス・ラリー2のステアリングを握るTGR-WRTチーム代表のヤリ-マティ・ラトバラは、総合7番手へ順位を上げ、WRC2カテゴリーではクラス2番手の座を守っている。
デイ3を終え、スポーティング・ディレクターとして今回チームの指揮を執っているカイ・リンドストロームは「少々複雑な気持ちだ」と戦いを振り返る。
「土曜日をワン・ツーで終えることができたのは、チームにとって良いニュースだが、エルフィン(・エバンス)のクルマに問題が発生したことは非常に残念だった。エルフィンにとっては、本当に重要かつ貴重なポイントを失うことになってしまった」
「カッレ(・ロバンペラ)とセブ(セバスチャン・オジエの愛称)、そしてトラブルに見舞われるまでのエルフィンのパフォーマンスは素晴らしかった。また、彼らだけでなく、サミ(・パヤリ)と(勝田)貴元も含めた我々の全ドライバーがこの難しい土曜日のステージで良い走りをした」
「ライバルのマニュファクチャラーに対して、最大ポイントを獲得するなど強さを発揮することができたので、全体的には良い一日だったと言えるだろう。しかし、明日も多くのポイントを獲得できる可能性があるので、最後まで全力を尽くさなければならない」
総合優勝と、日曜最速をかけた“スーパーサンデー”の2部門が中心となって争われるデイ4は、SS17からSS20までの全4本が予定されている。全ステージの総走行距離は41.66km、リエゾン(公道区間)も含めた総距離は230.39kmだ。
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