「なんでこうなった!?」 開発した人を小一時間ほど問いただしてみたい、でも憎めない「ざんねん」なクルマたち、エピソードを集めた『ざんねんなクルマ事典』『ますます! ざんねんなクルマ事典』(小社刊)。
今回はそんな本書から、2002年の国内での乗用車販売撤退以後もなお語り継がれる、いすゞのクルマたち、そのちょっとざんねんなエピソードをご紹介!
初代ピアッツァ、ジェミニ、ビークロス……いまや伝説? のメーカーいすゞが遺した、ちょっとざんねんなクルマたち4選
監修/片岡英明、写真/いすゞ
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■斬新すぎるデザインだが、走りは意外と凡庸? いすゞ 初代ピアッツァ(1981~1991年)
いすゞ 初代ピアッツァ(1981~1991年)。発売当初は法律上の問題で、似合わないフェンダーミラーがボンネットに装着されていました。ドアミラーが使えるようになったのは1983年、道路運送車両法の改正からです
●デザインだけでなく中身にもこだわって欲しかった
いすゞ ピアッツァは、1981年から1991年まで販売された、いすゞの3ドアハッチバッククーペで、デザインを担当したのはジョルジェット・ジウジアーロです。
斬新かつ美しいデザインですが、走りについては「ざんねん」と言う人も。足回りは1970年代の初代ジェミニ、エンジンも117クーペに使われたものの改良版でパワー不足だ……という人も多いのです。
まぁ諸説ありますが、斬新な見た目ほどの走りではなかったことだけは確かでしょう。
・発売年月:1981年6月
・エンジン種類:直4 DOHC
・総排気量:1949cc
・最高出力/最大トルク:135ps/17.0kgm
・全長/全幅/全高:4310×1660×1300mm
・車両重量:1190kg
・諸元記載グレード:1.9 XE
●ざんねん度:★★★★☆
■技術者の熱い魂がこもっていたものの…… いすゞ 2代目ジェミニ(1985~1990年)
●古すぎるか、先進すぎるか。「その中間」にしてくれれば良かったのだが!
2代目のいすゞ ジェミニは1985年から1990年まで製造販売された小型のセダンおよびハッチバックです。
ボディデザインを担当したのはイタリアの巨匠ジョルジェット・ジウジアーロですが、いすゞの社内デザイン部門が最終的に修正したデザインがお気に召さず、巨匠の名前は伏せられたまま発売されました。
いすゞはこのクルマにかなり気合を入れていましたが、ATはその当時すでに古くさくなっていた3速タイプ。
そして新開発の5速セミオートマ「Navi5」は確かに先進的だったのですが、あまりにも先進的すぎて洗練度が落ち着いておらず、非常に扱いづらい変速機でした。
・発売年月:1985年5月
・エンジン種類:直4 SOHC
・総排気量:1471cc
・最高出力/最大トルク:86ps/12.5kgm
・全長/全幅/全高:4035×1615×1380mm
・車両重量:850kg
・諸元記載グレード:C/C 4ドアセダン
●ざんねん度:★★★☆☆
■早すぎた怪発明? いすゞ 3代目ジェミニ(1990~1993年)
いすゞ 3代目ジェミニ(1990~1993年)。販売当時のジェミニシリーズはラリーカーとしての実績があり、3代目もそれを意識して設計されていました。実際に、1992年の全日本ラリー選手権ではクラス優勝を飾っており、国内のラリーシーンでは評価されています
●「ニシボリック・サスペンション」はあまりにも曲がりすぎた!
3代目のいすゞジェミニは1990年から1993年までの短期間、販売された小型乗用車。その特徴は「ニシボリック・サスペンション」という、西堀 稔さんが開発したサスペンションです。
当時は4WS(四輪操舵)が流行っていた時代で、ニシボリック・サスペンションというのはその一種です。
これにより3代目ジェミニはカーブで非常によく曲がるのですが、その曲がり方には強烈な違和感があり、「曲がりすぎて逆に怖い!」などの声があとを絶ちませんでした。
志は高く、狙いも悪くはなかったのですが、当時の制御技術が追いついていなかったのですね。「早すぎた発明」でした。
・発売年月:1990年3月
・エンジン種類:直4 SOHC
・総排気量:1471cc
・最高出力/最大トルク:100ps/13.3kgm
・全長/全幅/全高:4195×1680×1390mm
・車両重量:970kg
・諸元記載グレード:C/C(MT)
●ざんねん度:★★★★☆
■内装までぶっ飛んだデザインにする余裕がなかったか いすゞ ビークロス(1997~1999年)
●見た目がよくても微妙に使いづらいせいで苦戦
いすゞビークロスは、1997年から1999年の2年間だけ販売された3ドアのクロスオーバーSUVです。
もともとは1993年の東京モーターショーに出品されたコンセプトカーでしたが、それの反応が良かったため市販化が決定されました。
しかし、斬新な外観は魅力的だったものの、内装は既存のSUVのものを流用したため、今ひとつパンチに欠けました。
またバックドアや給油口が鍵でしか開けられないなどの難点もあって、販売はあまり伸びませんでした。
・発売年月:1997年4月
・エンジン種類:V6 DOHC
・総排気量:3165cc
・最高出力/最大トルク:215ps/29.0kgm
・全長/全幅/全高:4130×1790×1710mm
・車両重量:1750kg
・諸元記載グレード:ベースグレード
●ざんねん度:★★★☆☆
* * *
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みんなのコメント
「ざんねんなクルマ」とか題するのは趣味が悪い
ビークロスは後のSUVにも功績を残している
チャレンジャーを笑うと個性的なクルマが居なくなる。
しかも未だに部品があるから、維持も比較的楽なほう。
こんな記事書く、筆者の方が残念です。