シルバーストン・サーキットを舞台に開催されているF1イギリスGP。今年で74回目となる伝統の一戦でポールポジションを獲得したのは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンだった。
グランプリ初日こそ天候に恵まれたものの、2日目はイギリスらしい雨混じりの天候。F1予選の前に行なわれたFIA F2のスプリントはウェット路面でのレースとなったが、予選Q1が開始された現地15時00分の段階で走行ラインはドライと言えるまで大きく回復していた。
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最初インターミディエイトタイヤを履いて路面コンディションを確認したフェラーリ勢などもすぐさまピットイン。全車がソフトタイヤへ交換してタイム計測を行なった。
ここでトップに立ったのはフェルスタッペン。1分30秒719を記録して、1分30秒730のフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)を退けた。
Q1最終盤に向けて新品タイヤに切り替えるドライバーも出てくる中、残り3分というところでケビン・マグヌッセン(ハース)のマシンにトラブルが発生。ターン15出口にマシンを止めたことで赤旗が提示された。
赤旗中断中には、走行再開に向けてピットレーンに並ぶためガレージからマシンを出したフェルスタッペンが、ピットウォールに接触しフロントウイングを壊してしまうという珍事も起きた。
セッション再開後は赤旗前よりも路面コンディションが良くなったようで、最終盤でタイムシートが目まぐるしく入れ替わった。
後方でアタックしたマクラーレンのランド・ノリスがQ1トップ通過。フェラーリのシャルル・ルクレールやメルセデス勢が続き、フェルスタッペンは5番手でQ2に駒を進めた。
一方、セッション再開後に先頭でアタックを行なったレッドブルのセルジオ・ペレスは、後からアタックしたマシンに上回られて16番手。またもQ1ノックアウトを喫した。アルファタウリ勢も角田裕毅が17番手、アルファロメオの周冠宇を挟んでニック・デ・フリーズが19番手とここでノックアウトとなった。
Q2では当初、雨の襲来が予想されていたため、ピット出口がオープンになったタイミングでアロンソを先頭に続々ピットアウトしていった。
ただ、最初のアタックで再びノリスがトップに立つ中で、雨雲はサーキット上空を通過。青空ものぞき、ここからコンディションとタイムが著しく改善していった。
Q2後半、新品タイヤを投入したノリスは1分28秒042までタイムを上げたものの、遅れてアタックを行なったフェルスタッペンが1分27秒702というタイムでQ2トップ通過。マクラーレン勢が2~3番手でQ3に進んだ。
ここで脱落となったのはハースのニコ・ヒュルケンベルグ、アストンマーチンのランス・ストロール、アルピーヌのエステバン・オコン、ウイリアムズのローガン・サージェント、Q1終盤のマシントラブルによってQ2に出走できなかったアルファロメオのバルテリ・ボッタスだった。
Q3では路面コンディションが通常レベルにまで回復したとレースコントロールが判断し、DRSが使用可能となった。
そのアタック1回目は、唯一新品タイヤを履くフェルスタッペンが1分27秒084を記録。メルセデスのルイス・ハミルトンに0.633秒差をつけてトップに立った。マクラーレンの新人オスカー・ピアストリが3番手つけ、フェラーリ勢がその後ろに並ぶというトップ5だった。
残り3分というところで10台が最終アタックに向けて新品のソフトタイヤでピットアウト。ここではルクレールを先頭に、アルボンが隊列のしんがりを務める形で計測に備えた。
ルクレールはセクター1で全体ベストを記録するもフェルスタッペンには届かず。続くノリスは1分26秒961で一時トップに立つも、フェルスタッペンがノリスのタイムをさらに0.241秒上回る1分26秒720を記録して再びトップを奪還した。
このタイムを上回るドライバーは現れず、フェルスタッペンが5戦連続のポールポジションを獲得した。フェルスタッペンはこれでキャリア27回目のポールポールポジションとなり、ポール獲得回数で歴代10位のドライバーとなった。
ノリスはポールポジションこそ逃したもののフロントロウ獲得。ピアストリもノリスから0.131秒差の3番手と、新人らしからぬスピードを見せつけた。マクラーレンは前戦オーストリアGPでノリス車、イギリスGPではピアストリ車にもアップデートを投入。その効果がいかんなく発揮されチームのホームレースで好グリッドを手にした。
トップ3の後ろ、4~5番手にフェラーリ勢、6~7番手にメルセデス勢とチームごとに並び、今週末“ダークホース”と囁かれたウイリアムズのアレクサンダー・アルボンが8番手、アロンソが9番手、アルピーヌのピエール・ガスリーが10番手となった。
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