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新車は続々登場するのに「売るクルマがない」! 販売ランキングから読み解く先の見えない新車セールスのいま

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新車は続々登場するのに「売るクルマがない」! 販売ランキングから読み解く先の見えない新車セールスのいま

 この記事をまとめると

■2022年10月単月の車名別新車販売ランキングを作成

いつになったら乗れるんだよ……他メーカーより納期遅延が酷くても皆「トヨタ」を選ぶワケ

■登録者のみのランキングのトップ10にはトヨタ車が8車種ランクイン

■日産とホンダは納期遅延の影響が色濃く反映された

 多くのトヨタ車が上位にランクイン

 自販連(日本自動車販売協会連合会)と全軽自協(全国軽自動車協会連合会)統計を基にして、登録車と軽自動車を合算した、2022年10月単月の“車名(通称名)別新車販売ランキング“を作成した。

 2022年10月単月にもっとも売れた新車はホンダN-BOXとなった。ここのところN-BOXとトップ争いを激しく展開してきたトヨタ・ヤリスは3位となり、2位にダイハツ・タントがランクインしている。タントは改良を行ったばかりということもあり、販売台数を伸ばしているようである。ダイハツのほかの軽自動車もキャンバスの販売が伸びていると思われるムーヴが6位(軽自動車のみでは3位)に入っている。タントは“乗り換え割5万円”キャンペーンを年末まで展開しており、新型になったことに加えて販売促進に勢いがついているようである。

 年末が近くなるにつれて気になるのが、2022暦年締めでの年間販売台数ナンバー1のクルマはどれに決まるかだろう。2022年1月から10月までの累計販売台数をみると、N-BOXの15万1594台に対してヤリスは13万2498台となり、その差は1万9096台。11月と12月でヤリスがこの差を逆転するのは難しいので、N-BOXが年間販売台数でトップとなりそうである。

 興味深いのは登録車のみのランキングで、トップ10のうちトヨタ車が8車も入っている。納期遅延の問題がいまだ混とんとしており、傾向分析はなかなか難しいが、ヤリスやシエンタのガソリン車、ルーミーなどは比較的納期が短めになっており、10月の工場稼働停止日が少なかったことなども影響しているようである。トヨタ車の納期遅延が顕著なのはいまに始まったことではないが、ここへきて日産やホンダもトヨタ並みに納期遅延が深刻になってきている。それは登録車のみのランキングにおいてトップ10内に、トヨタ以外では日産ノートとホンダ・フリードしか入っていないことを見ても明らかだ。

 トヨタ・シエンタが8月下旬にデビューし、本来なら短納期を武器に勝負したかったフリードは本稿執筆時点で工場出荷時期の目途が半年以上先となっている。ホンダはほぼすべての車種の工場出荷時期の目途が半年程度もしくはそれ以上となっている。

 売るクルマがほとんどない販売現場も

 2022年7月に日産エクストレイルの新型がデビューした。ライバルとなるRAV4の多くのグレードの納期が本稿執筆時点で2023年12月以降となっている。日産は全般的に納期が短めとされていたが、新型エクストレイルは本稿執筆時点では生産停止状態となっており、納期も生産再開次第との前提で販売現場では「1年もしくは1年半以上は見てもらいたい」とのことであった。アリアも生産停止となっており、サクラは今年度予算の補正で組まれた補助金が底をつきそうで、次年度の補助金申請内容がはっきりするまでは新規受注を停止するディーラーが出ている。セレナはフルモデルチェンジを直前に控えている(本稿執筆時点)。しかも、売れ筋のe-POWER仕様の発売は2023年3月を予定しており、当面はガソリン車のみの販売予定となっている。いまどきでの短納期でまともに販売できるのは、リーフ系(オーラ含む)とデイズやルークスしかないとのことであった。

 日産ディーラーはノートしか満足に売るクルマがないといってもいいのが現状なのである。このような状況で販売現場から聞かれたのは、「エクストレイルならばFFのほうが、生産再開すれば納期は早まるかもしれません」とのことであったが、その理由は4WDに比べれば半導体使用量が少ないからとのことなので、あまりアテにはできそうもない。ウクライナ危機が長期化し、半導体が軍需産業に優先供給される傾向が目立ってきたことを理由に挙げる声も販売現場で聞かれるが、これも想像の域を脱していない。

 つまり、販売現場はいまの納期遅延についてはお手上げということ。同じモデルの供給体制を聞いても、店舗ごとでバラバラな話を聞くことも多いほど情報が錯そうしている状況に出くわすことが多い。売る側はすでに年度末商戦などを意識して計画的に販売することは不可能と考え、とにかく目の前の購入希望客から受注を取るしかないと考えているので、タイミングで値引きなどが大きく変わることはなくなってきている。買う側もいまの納期遅延が短期的に完全収束することはまず考えられない。筆者は2022年9月上旬に、改良後トヨタ・カローラセダン1.5リッターセダンの注文を入れたが、当該車の納車予定はすでに2023年2月以降となっているようである(ディーラーからの具体的な案内はない)。

※写真は改良前のカローラセダン

 “嵐が去るのを待つ”ではいつまで経っても新車を買うことはできない。くれぐれも余裕をもって新車購入検討を進めてもらいたい。

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みんなのコメント

27件
  • 最近SUVとか似たような車ばっかりやからな
  • ノアヴォクとステップワゴン、
    販売台数5倍も差が出てる。
    5倍も生産してるのに納期1年のノアヴォク。
    販売計画の半分しか販売出来てないのに
    納期8ヶ月のステップワゴン。
    セレナはどうだろうね!
    前モデル以上に没落しそうだね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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