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【F1アブダビGP決勝の要点】熾烈な選手権争い。ルクレールはライバルを先行させる頭脳プレーに出るも3ポイント届かず

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【F1アブダビGP決勝の要点】熾烈な選手権争い。ルクレールはライバルを先行させる頭脳プレーに出るも3ポイント届かず

 F1第23戦アブダビGPは、選手権の順位を巡る、激しいバトルが繰り広げられたシーズン最終戦だった。

 まずドライバー選手権の4位争い。200ポイントのカルロス・サインツ(フェラーリ)を同点のフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)、5点差のランド・ノリス(マクラーレン)、12点差のシャルル・ルクレール(フェラーリ)が追う四つどもえの展開だった。そしてコンストラクターズ選手権では、メルセデスとフェラーリが2位争い、ウイリアムズとアルファタウリが僅差で7位を争っていた。

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 結果はどうなったか。ドライバーズ選手権4位は、最終的にアロンソが制した。18位に終わったサインツは一気に7位に後退。逆にルクレールは2位表彰台で大量ポイントを獲得して、アロンソと同じ206ポイントまで追い上げた。

 もしアロンソがレース終盤56周目に角田裕毅(アルファタウリ)を抜いて7位に上がっていなければ、ルクレールが2ポイント差をつけて4位だった。しかし両者は同点。2位表彰台の回数は同じ3回のため、3位入賞の回数差でルクレールが涙を呑んだ。

 コンストラクターズ選手権の戦いは、さらに激烈だった。4ポイント差でメルセデスを追うフェラーリだったが、Q1落ちを喫したサインツは決勝レースでもペースが伸びず、ルクレールは孤立無援の戦いを強いられた。

 スタートでホールショットを奪うことこそ叶わなかったが、ルクレールは首位フェルスタッペンにしつこく食い下がり続けた。しかしジョージ・ラッセル(メルセデス)も3番手につけ、このままでは選手権2位奪取は不可能だ。そこに9番手スタートのセルジオ・ペレス(レッドブル)が猛追してきて、54周目にラッセルを抜いて3番手に。ラッセルがこのまま4位に留まれば、フェラーリが2ポイント差で2位に上がる。

 だがペレスは直前のノリスとの接触で5秒ペナルティを受けており、この時点で実質4番手だった。そこでルクレールはあえてペレスに2番手を譲り、ラッセルとの差を5秒以上広げさせることで、『2位ルクレール、3位ペレス、4位ラッセル』を目論む頭脳プレーに出た。

 しかし2番手でチェッカーを受けたペレスは、ラッセルに1秒1及ばず4位。いずれにしても後方ではルイス・ハミルトンが9位に入っており、メルセデスは3ポイント差で辛くも選手権2位を確定した。

 ウイリアムズとの7点差を追うアルファタウリもまた、角田ひとりが奮闘した。スタート直後にアロンソにかわされるもののすぐに抜き返し、そこからは抜群のタイヤマネージメント能力を見せた。上位勢が12周目以降に次々にピットインするなか、角田は1ストップ作戦を敢行し、18周目にはついに首位に到達する。

 そのまま22周目まで引っ張り、10番手でコース復帰すると、後半37周目には3番手まで順位を戻した。しかしフレッシュタイヤで猛追するルクレールやラッセル、ノリスらに次々に抜かれ、48周目にはオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、54周目にアロンソにもオーバーテイクされて8番手に後退。ダニエル・リカルドも11位に終わったことで、アルファタウリの選手権7位奪取はならなかった。

 結果的には2ストップ作戦でいっていれば、アロンソ、ピアストリを凌いで6位入賞も可能だったかもしれない。角田自身、フランツ・トスト代表に選手権7位を贈れなかったことを残念がっていた。

 とはいえ戦闘力に勝る上位勢相手に、違う戦略で対抗しようとした姿勢は十分に評価できる。日本人ドライバーが首位を走る姿も見られたのも、この戦略ゆえだった。シーズン終盤に強さを見せたチームは、翌年もその勢いを持続することが多い。来季の角田には、今年以上に期待できるはずだ。

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