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「プレリュード」の名称に心躍らせているのは昭和世代のオッサンばかり! かつて若者の憧れだった「デートカー」の代名詞もいまのZ世代には通じない

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「プレリュード」の名称に心躍らせているのは昭和世代のオッサンばかり! かつて若者の憧れだった「デートカー」の代名詞もいまのZ世代には通じない

 この記事をまとめると

■ジャパンモビリティショーにてホンダが「プレリュード・コンセプト」を公開した

数年後に市販すべく開発中! ホンダが「プレリュード」を22年ぶりに復活させた!!

■かつて「プレリュード」は「デートカー」と呼ばれ若者たちの憧れのマトだった

■いまの若者はかつての「プレリュード」を知らず、復活を喜んでいるのはオッサンだけ

 プレリュード復活に喜んでるのは”オジさん”だけ!?

 先日閉幕したジャパンモビリティショー(以下JMS)にて、ホンダが「プレリュード・コンセプト」を世界初公開したことが話題となっている。

 ホンダ・プレリュードは、1978年に初代がデビューした2ドアクーペである。日本国内ではニーズの少ない電動サンルーフを標準装備するなど、おもに海外市場、というよりは対米戦略モデルとして投入されたものと筆者は考えている。

 プレリュードの存在が注目されたのは、1982年に登場した2代目からとなる。リトラクタブルヘッドライトやワンアーム式ワイパーを採用したエクステリアは存在感抜群で、フロントサスペンションにダブルウィッシュボーン式や4輪アンチロックブレーキを採用するなど、メカニズムでもホンダへの期待を裏切らないものとなっていた。

 初代以上に対米市場を強く意識、というよりは北米市場に主眼を置いて開発された、日本車離れしたそのキャラクターは当時の若者を魅了した。

 1987年には2代目のキープコンセプト版として3代目がデビュー。サスペンションは4輪ダブルウィッシュボーン式となり、テレビCMの後輪が曲がる映像も印象的だった“4WS(4輪操舵システム)”は世界初採用だった。

 ここまでのプレリュードは“スペシャルティカー”と呼ばれる性格の強いモデル。北米でこのサイズのクーペは、当時は“セクレタリーカー”と呼ばれ、古い言い方をすればキャリアウーマンともいえる自立した若い女性がよく乗るカテゴリーとされていた。

 一方で日本ではというと、若者が女性とのドライブデートを楽しむクルマの代名詞となっていた。

 クーペとはいえ、それほど目立った高出力エンジンを搭載しているわけでもなく、峠をガンガン攻めるモデルでもない。デートカーと呼ばれるほど、一般的なレベルでのドライブを楽しむクルマであった。セクレタリーカーと考えれば、使用のメインは都市内となるので、それほどのパフォーマンスは必要とされていなかったのである。

 しかし、1991年登場の4代目ではスポーツクーペ路線に変更された。運転技術がそれほど高くない筆者(運転が下手ということ)でも、運転していてついついスピードを上げてコーナーを攻めたくなるほど、「面白いな」という走りを見せるところは、3代目までのキャラクターを残しつつスポーツ路線に舵を切ったようにも見えた。

 しかし、1996年登場の5代目では再びスペシャルティカー色の強いモデルとなり、少々迷走しながらプレリュードは終売となった。

 未来を担う若者には「プレリュード」の名前は刺さらない?

 そして今回、JMSでプレリュードの車名復活となったのだが、5代目が終売となってから22年、黄金期といっていい2代目終売からじつに36年が経過している。

 何を言いたいかというと、「おっプレリュード復活か」と興味を示すのは、当時青春時代を送っていた“オジさん”世代がメインとなり、若者層にどこまでアピールできるのか疑問が残る。「俺たちの若いころはこぞって乗っていたものだ……」といった、オヤジトークを嫌うZ世代の心には響くのだろうか。

 また、2代目や3代目あたりのアイデアの詰まったホンダらしい独自性も薄く、4代目以降あたりのキャラクターでの復活のように見える。ホンダブランドとしての旗印が欲しかったのかもしれないが、メルセデス・ベンツなど、代々クーペをラインアップしてきたドイツ系ブランドでも、今後はクーペのリストラが積極的に行われようとしている時代に、トヨタのGR86のようなキャラ立ちもしていないところも気になってしまう。

 ホンダは、国内ではN-BOXの販売台数が圧倒的に多く、ほかによく売れているのはミニバンのフリードやステップワゴンと、令和のいまでは生活臭の強いモデルの販売が主力となっている。

 いまの若者は、オジさん世代が抱くホンダのブランドイメージとは完全に異なるイメージを持っている。海外市場でも売れ筋はSUVのCR-Vとなり、北米ではファミリーSUVともいえるパイロットもよく売れている。東南アジアではコンパクトモデルもよく売れており、日本市場に近いイメージが定着しているようにも見える。

 現状で往時のブランドイメージ復権をはかるには、相当な体力がいる仕事となるだろう。また、筆者自身が還暦近くになっていることもあるのか、プレリュード・コンセプトを見てもあまりときめくことができない。「さすがホンダだなあ」というアピールが伝わってこないのである(個人の感想になってしまうが……)。

 また、ホンダはJMSで「SUSTAINA-C CONCEPT」というモデルも展示していた。持続的社会への対応を訴求したモデルであり、見た目は二の次なのもしれないが、どう見ても初代ホンダ・シティとモトコンポをオマージュしたエクステリアとなっている。

 初代シティがデビューしたのは、いまから42年前の1981年、これもまたこのコンセプトカーを見て敏感に反応するのは筆者のようなオジさん世代となるだろう。

 ホンダがもっとも輝いていたように見えた1980年代を振り返ることに異論はない。ただ、東京モーターショー改めJMSとしたショー会場での展示となると、若者世代すべてとはいわないが、若者へのアピール力がいまひとつに見える展示内容には少々違和感を覚えた。

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