華々しいデビューを飾るGRヤリス
GRシリーズの第2弾、260psのトヨタGRヤリスが、英グッドウッドで開催されるスピードウィーク・イベントでデビューを果たす。
世界ラリー選手権(WRC)で活躍するラリードライバーのエルフィン・エヴァンスがステアリングを握って、グッドウッド・サーキットに設置されるラリー専用ステージでGRヤリスのパフォーマンスを披露する予定だ。
新型コロナウィルスの規制により無観客での開催となるが、イベントの様子はオンラインでストリーミング配信され、英国のテレビではハイライトが放映される。
日本で生産された個体が英国に持ち込まれる。GRヤリスの生産は先月から、無人搬送車両とセル生産方式による新しい車両組立システムを実装した専用の施設で行われている。
トヨタはこの生産方式について、剛性の高いスポーツカーのシェルやシャシーを構築する際の精度を高めることができるため、従来のベルトコンベアシステムよりも適しているとしている。
現在、英国では2万9995ポンド(408万円)から予約注文できる。
2種類のモデルが用意されており、標準仕様ではダンロップ・スポーツマックスタイヤを履いた18インチのアロイホイール、デュアルエキゾースト、本革巻きステアリングホイール、キーレスエントリー、アクティブノイズコントロールを装備している。
ハードコアなサーキットパックでは、リミテッドスリップデフ、レッドブレーキキャリパー、ミシュラン・パイロットスポーツタイヤ、強化サスペンションが追加され、価格は3万3495ポンド(455万円)に跳ね上がる。
どちらのモデルもホワイトが標準カラーだが、オプションでレッド、ブラック、シルバーが用意されている。納車は11月に開始される予定だ。
WRCのために開発されたモデル
GRヤリスは、ガズー・レーシングが次世代ヤリスWRCの開発を支援するためのホモロゲーション・スペシャルとして開発したもので、AUTOCARの英国編集部はカモフラージュを施したプロトタイプでドライブしたことがある。
トヨタのWRCプログラムを運営するトミ・マキネン・レーシングは、このモデルに多大な影響を与えた。
発表会でガズー・レーシングの友山茂樹代表は、次のように語っている。
「GRスープラは、トヨタのパフォーマンスラインナップに加わり、GRヤリスもその仲間入りを果たしました。GRスープラがサーキットに焦点を当てて開発されたスポーツカーであるのに対し、GRヤリスはラリーに重きを置いて開発された、多くのファンが待ち望んでいたモデルです」
GRヤリスは、トヨタのTNGAアーキテクチャーをベースにした四輪駆動の特別仕様を採用しており、フロントは新型ヤリスと同じGA-B小型車プラットフォームを、リアは大型車カローラのGA-Cプラットフォームを採用している。
通常のヤリスと比較すると、全く異なるボディを持つ。ルーフは低くなり、5ドアから3ドアへと変更され、空力性能を向上させるためにスタイリングが大幅に見直されている。
GRヤリスは全長3995mm、全幅1805mm、ホイールベースは2560mm。フロントトレッドは1535mm、リアトレッドは1565mmとなっている。車重は1280kg。
ボディパーツにはカーボンとアルミニウムを多用し、軽量化を図っている。また、リアトレッドは通常のヤリスよりも大幅にワイド化され、新しいダブルウィッシュボーン式リアサスペンションを採用している。
1.6L 直列3気筒ターボを搭載し、6速インテリジェント・マニュアル・トランスミッション(IMT)と組み合わされ、最高出力260ps、最大トルク36.6kg-mを発揮する。
駆動方式はトヨタの新しいGR-Fourシステムを採用したAWDだ。多板クラッチを使用し、4輪すべてのパワー配分を変化させることができる。完全な後輪駆動にすることも可能だ。
ブレーキには、4ポットキャリパーを用いた356mmのベンチレーテッド・ディスクブレーキを採用。
日本ではすでにカタログ・モデルの予約受付を開始している。
GRヤリスは、豊田市元町工場のガズー・レーシングの専用ラインで生産され、熟練工による組み上げ工程が多く含まれている。
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