自然吸気V12エンジンのファミリーGT
ベントレー・コンチネンタルGTやアストン マーティン・ヴァンキッシュに対する、2004年のマラネロからの回答が、612 スカリエッティ。ロングノーズに547psのV型12気筒エンジンを搭載し、300km/h以上の最高速度を誇るファミリー・フェラーリだ。
【画像】秀抜な操縦性に実用性を融合 フェラーリ612 スカリエッティ 4シーターの跳ね馬たち 全168枚
ゆったり広い運転席からの視界は良好で、定員は4名。シートは柔らかなレザーで仕立てられている。荷室容量は240Lで、コンチネンタルGTより115L小さいものの、運転を楽しめるグランドツアラーとしては格別な内容にある。
フロントに自然吸気の5.7L V12エンジンを搭載し、レッドラインは7500rpmから。0-100km/h加速を、4.0秒で処理する。定期的なメンテナンスを怠らなければ、信頼性は高いという。
プラットフォームはアルミニウム製で、車重は1840kg。同時代の多くのライバルより軽量だった。初代コンチネンタルGTと比べれば、545kgも。ヴァンキッシュは、さらに5kg軽かったけれど。
ホイールベースは2950mmと長く、質量の85%はその内側へ集約。前後の重量配分は55:45で、理想的といっていい。
シャシーは、プロのバレエダンサーのように敏捷。高速道路での巡航や、アルプス山脈の峠越えだけでなく、サーキットでもいかんなく能力を発揮する。鋭い操縦性と落ち着き、快適性を高次元で叶え、日常的に出くわすカーブでも楽しい。
秀抜な操縦性に実用性をミックス
V12エンジンのサウンドも、本気になればジェット機並みの迫力。一方でクルージング時は、助手席のパートナーと世間話できるくらい、車内は穏やかだ。
スタイリングは、2000年代初頭らしいもの。この時代には、少し不自然なプロポーションのモデルが複数登場した。小さなヘッドライトに凹んだボディ面、曲面とシャープなラインが組み合わされるなど、いくつかの特徴で共通していた。
当時の自動車ジャーナリストには、不格好だと評する人もいたが、見た目の印象は主観的なもの。筆者の目には、称賛するほど魅惑的なフォルムに映る。最も美しいフェラーリだとはいえないとしても。
トランスミッションは6速マニュアルと、6速セミ・オートマティックのF1マチックを設定。ボーズ社製のサウンドシステムにパワーシート、クルーズコントロールなど、装備も充実していた。
612 スカリエッティでは、操縦性を強化したHGT-SやHGT-Cといったパッケージも設定。ハードなアンチロールバーや、10%速く変速できるトランスミッション、より甘美なサウンドを奏でるエグゾーストなどを獲得できた。
フェラーリのV12エンジンと秀抜な操縦性に、実用性をミックスした612 スカリエッティ。より美しいライバルはあったとしても、他にはない二面性を宿した俊足グランドツアラーだ。
新車時代のAUTOCARの評価は?
史上最も多様な能力を持つフェラーリ、と表現できることは間違いない。更に美しいデザインを得ていたら、AUTOCARでは満点の評価を与えていたはず。動的能力とパッケージングは、間違いなくそれに値する。
ステアリングホイールを握っている限り、スタイリングのことは忘れられる。サイズと重量を意識させることなく、世界で最も多能なグランドツアラーとして評価すべき、素晴らしい才能を体感できる。
価格は確かに高い。それでも、ここまで扱いやすくマナーの優れたフェラーリは、他に例がない。(2004年5月25日)
オーナーの意見を聞いてみる
ロバート・ホワイトヘッド氏
「2006年式の612 スカリエッティ HGT-Sを所有しています。かなりロングでワイドですが、バランスが良く回頭性に優れていますね」
「ステアリングの重量感も理想的で、フロントタイヤのフィードバックが、しっかり伝わってきます。路面が凍結していても、リアのグリップは素晴らしい。唯一の欠点といえるのは、ボンネットが長い割に、足元のスペースが狭いことでしょう」
「1番気に入っているのは、最高のV12サウンド。エンツォ・フェラーリのサウンドに近いと思います。許す限り、窓ガラスを開いて運転しているんですよ」
購入時に気をつけたいポイント
ボディ
雨の当たる環境に長時間停めておくと、ヘッドライト内に水が侵入するという報告が、多くのオーナーから寄せられている。防水シールの劣化か、製造不良の可能性がある。交換用ユニットは、1つ約1000ポンド(約19万円)だ。
トランスミッション
渋滞のように発進と停止が繰り返される環境では、セミATのクラッチポジション・センサーが不調になる場合があるようだ。
エンジン
612 スカリエッティが搭載するV12エンジンは、タイミングチェーン時代前のユニット。タイミングベルトは、4年毎の交換が推奨されている。費用は4000ポンド(約76万円)ほど必要になる。
タイヤとホイール・ブレーキ
19インチか20インチのホイールと、それに組まれるサイドウォールの薄いタイヤは、アスファルトが剥がれた穴などでダメージを受けやすい。徹底的に状態を確かめたい。
HGT-Cパッケージが装備するカーボンセラミック・ブレーキは、時々強くブレーキングすることが機能維持の秘訣。優しく扱い続けると正常に動かなくなり、減っていなくても交換することに。その費用は、1万5000ポンド(約285万円)以上になる場合も。
インテリア
タコメーターの左側にモニターが備わるが、この技術をフェラーリが量産車へ採用したのは、612 スカリエッティから。そのため、バックライト不調などの不具合は生じやすい。フェラーリは、約7000ポンド(約133万円)する新品への交換を推奨している。
スイッチ類の表面のコーティング素材が、高温になると溶け出し、手や衣服に付いてしまうことがある。しばらく乗られていない場合も剥がれがち。
長期間日光にさらされると、内装のレザーがトリム部分などの境目から収縮する場合がある。屋外への駐車時は、フロントガラス・シェードなどを活用したい。
知っておくべきこと
オーナーなどから情報を集める限り、612 スカリエッティのV12エンジンは耐久性と信頼性に優れる様子。クルマの製造品質も、基本的には高いようだ。それでも、フェラーリの正規ディーラーか、このブランドを得意とするガレージでの整備を維持したい。
英国ではいくら払うべき?
5万ポンド(約950万円)~5万9999ポンド(約1139万円)
初期の612 スカリエッティを英国では探せる価格帯。走行距離は、長くても8万kmほど。全体的に美しい状態のものが多いが、中には悪趣味なモディファイを受けている例もある。
6万ポンド(約1140万円)~6万9999ポンド(約1329万円)
フェラーリ・ディーラーの整備記録が揃った、走行距離2万5000km以下の例が英国では見つかる価格帯。
7万ポンド(約1330万円)以上
2010年式など、非常に状態の良い612 スカリエッティが中心。HGT-CとHGT-Sパッケージを装備した例も、英国では出てくる。
英国で掘り出し物を発見
フェラーリ612 スカリエッティ 登録:2005年 走行距離:3万5400km 価格:6万2500ポンド(約1188万円)
サッカーのプレミアリーグ、アーセナルFCの選手だったヌワンコ・カヌ氏が所有していた、612 スカリエッティ。特注のブルーでボディは塗られ、インテリアはタンのレザー。整備記録が完璧に揃い、走行距離も短い。
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