11月13日(金)に開幕を迎えた『フォーラムエイト・セントラルラリー2021』。計61台ものエントリーを集めたこのラリーに参戦する注目ラリードライバーのひとりとして、2020年全日本ラリー選手権チャンピオンである新井大輝を紹介しよう。
競技初日を終えて総合2番手につけたのは、ラリーファンの間で揺るぎのない人気を誇る『スバルWRX STI』を駆る新井だ。
GRヤリスで全日本戴冠の勝田範彦がセントラルラリーでも好調維持。初日は新井大輝を7.7秒リード
新井は1993年8月2日生まれ。彼の父は、改造範囲の狭い“グループN”マシンで争われたPCWRCプロダクションカー世界ラリー選手権で、2度の世界チャンピオンに輝いた“世界の新井”こと新井敏弘だ。そのため大輝は幼い頃から身近にラリーがある環境の中で育ってきたが、モータースポーツを始めたのは免許を取得してからのこと。
大輝は20歳でラリー参戦を始めると、その後TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムに参加し、トヨタ育成ドライバーとしてWRC世界ラリー選手権やフィンランド国内選手権などに出場し、ヨーロッパでのトレーニングも経験。すでに国内外のラリーで豊富な経験を積んでいる。
また、彼は東京電機大学の工学部を卒業しており、2019年からはオーストリアのチームに所属し、ラリー参戦と並行して電気自動車などの研究・開発にも携わる。
同じく2019年からJRC全日本ラリー選手権への参戦を再開し、ヨーロッパ仕込みのドライビングを披露していく。それまでのベテランドライバーによる不動の牙城を切り崩し、全日本ラリー界に衝撃的な速さを見せつけ周囲を大いに刺激した。
この年は父・敏弘とも全日本タイトルを争ったが、参戦数が限られていたこともあり、惜しくもシリーズ2位に留まった。しかし翌2020年、自身初のフル参戦に挑むと安定した強さで勝利を重ね、初の全日本チャンピオンに輝く。
2021年シーズンは春先に出場したERCヨーロッパ・ラリー選手権でケガを負い、療養のため長期離脱を余儀なくされたこともあり4戦のみの出場にとどまったが、それでも2位を2度獲得するなど、そのスピードに疑いはない。
類い稀なるセンスだけでなく、2019年のセントラルラリーでは『シトロエンC3 R5』で参戦するなど、さまざまなマシンのドライブ経験もあり、引き続きさらなる活躍が期待される若手ラリードライバーのひとりだ。
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