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優遇措置適用でもヤマハ&ホンダ大苦戦は変わらず……それでも陣営内部には変化の兆し?

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優遇措置適用でもヤマハ&ホンダ大苦戦は変わらず……それでも陣営内部には変化の兆し?

 2024年シーズンからMotoGPは、低迷するメーカーに対して優遇措置を与える新しいコンセッション制度をスタートさせた。今回最も大きな優遇を受けることになったのはヤマハとホンダだが、前半戦では昨年と変わらず苦戦……ただ内部では確実に変化も起こり始めている。

 新しく導入された優遇措置のシステムの下、ヤマハとホンダはエンジンの開発やテストの自由度など、開発上のアドバンテージを与えられた。しかし前半9戦を終えた時点では、この2メーカーは依然として大苦戦。ヤマハとホンダにとって逆効果となっているようにすら見える。

■「プラマックのヤマハ入りはホンダにとって良い刺激になる」LCRのザルコ、陣営の改善を願う

 ヤマハはここまでで合計48ポイントを獲得。そのうち44ポイントをファビオ・クアルタラロが稼ぎ、ランキングで15位となっている。ただ彼は、昨年の同時期には65ポイントを獲得しランキングでは11位……アメリカズGPで3位となり、トップ10フィニッシュも5回記録するなどしていた。一方今年は表彰台はゼロでありトップ10フィニッシュも僅か2回と、成績の面では明らかに後退している。

 ホンダも同じように大苦戦中だが、昨年からの後退の度合いはさらに明確だ。

 昨年前半戦を終えた時点では、アレックス・リンス(当時LCRホンダ)が47ポイントを稼ぎ陣営でトップ、ランキングでも13位につけていた。しかし2024年は、ジョアン・ミル(レプソル・ホンダ)がわずか13ポイント獲得でランキングは18位、トップ10入りが一度もないという苦境に立たされている。LCRのヨハン・ザルコ、中上貴晶も12ポイント、10ポイントと大差なく、新加入のルカ・マリーニ(レプソル・ホンダ)に至っては、第9戦ドイツGPで15位になりようやく初ポイントを獲得したというレベルだ。

 ただ彼らが全く進歩してないかといえばそうではない。例えばドイツGPでホンダ最速だった中上は、2023年の自分を比べてレースタイムが12秒速かった。同様にヤマハも、クアルタラロが1年前よりも18秒速くレースを駆け抜けた。

 規制変更の効果が実際に発揮されるまでには、時間がかかるものだ。そして、これまで何十年も保守的な考えを保ってきた日本企業にとってはなおさらだ。

 ただ新しい優遇措置の制度は、日本企業にも変革のペースを上げるように促している。特にヤマハは、新しいアプローチを試すことによりオープンな姿勢を示すようになった。

 ヤマハはライバルメーカーのドゥカティから引き抜いたマックス・バルトリーニをテクニカルディレクターに据え、CFD(数値流体力学)シミュレーションの専門家であるマルコ・ニコトラを空力部門に加えた。このことは、ヤマハに定着しつつある新しい姿を示している。

 人員だけではなく、ヤマハはハードウェア面でも改革を進めた。彼らはより多くの重要なパーツのオペレーションと設計を日本からヨーロッパへと移管。イタリアのレーシングカーコンストラクターとして知られるダラーラを活用することで、エアロダイナミクス部品の設計から製造・テストまでのリードタイムを大きく削減することができた。以前は日本を経由することが必要で、プロセスにかかる時間は永遠のように感じられていた。

「コミュニケーションが大きく改善されただけじゃなくて、すべてがより素早くなったんだ」

 2026年までヤマハに残留することを決めたクアルタラロは、以前チームマネージャーのリン・ジャービスが約束したような対応が実現したかどうかを問われるとそう答えた。

「僕らが何かを要望したとき、以前よりもずっと短い時間でテストされるようになった。契約更新のとき、僕が要求したコミットメントの約束は守られている」

 そしてクアルタラロがヤマハに求めていたもうひとつの約束は、サテライトチームを確保することだったが、それも達成されることになった。ドゥカティ陣営に属していたプラマックが、2025年からヤマハのサテライトチームになることが決まったのだ。

 ヤマハはその他にも、エンジンを前半戦でアップデート。ライダーはそれぞれの仕様をテストしながらレースを行なった。

 ホンダも同様にエンジンの開発を進めている。ただヤマハに比べるとまだ保守的だ。実際、最近まで技術者は、理想的なエンジンコンセプトについてまだ取り組んでいるところだった。現在のRC213Vは正回転のエンジンを搭載しているが、グリッドの残りのバイクは逆回転となっている。

 ミルは「変更する必要があることは明らかだった」と、数週間前に語っていた。

「彼ら(日本のエンジニア)に納得してもらうことだけが必要だった」

 ホンダが納得するかどうかはともかく、ホンダとヤマハはともに、後半戦のサンマリノGP後に行われるミサノテストを、優遇措置の効果を確認する場として考えているようだ。

 特にホンダの技術部門関係者は「我々はそこで、シーズン前半戦の結論を反映させた、非常に異なるバイクを持ち込むことになるだろう」とmotorsport.comに語っている。

 なお優遇措置の制度は、サマーブレイクに入ったタイミングで獲得ポイントを基にした基準の再算定が行なわれることになっている。しかしホンダとヤマハは前述のように昨年以上に苦戦していることもあり、2024年後半戦も最も大きな優遇を受けられることに変化はない。またドゥカティ、KTM、アプリリアのそれぞれの優遇措置についても変更はない。

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みんなのコメント

1件
  • wat********
    下手にポディウムに 上がらない方がいい、今結果を出しても 手遅れ
    今年は実戦とテストを繰返し 来年から、闘える マシンを走らせればいい

    アプリリアは勝ってしまい エンジン開発の自由度が、少なくなってしまった
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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