トヨタ新型スープラが『GRスープラ』と名前が変わったワケ

待望の右ハンドル仕様が登場

　2月9日（土）～2月11日（日）にインテックス大阪で開催されている大阪オートメッセ2019。イチバンの目玉は何といっても国内では初めて披露される、新型スープラの右ハンドル・国内仕様だろう。海外仕様との違いやボディカラー展開、開発者のコダワリが込められた「GR」というネーミングの秘密を紹介しよう。

　開幕したばかりの大阪オートメッセ2019。開場した直後から黒山の人だかりとなったのは、トヨタ・ガズーレーシングのブースに鎮座した新型スープラだ。

　プロトタイプやレーシングカーのコンセプトモデル、海外仕様はすでに目にした人もいるだろうが、日本国内に向けた右ハンドル仕様のお披露目は、今回が初ということもあり注目されるのも必然だろう。

　GRプロジェクト推進部・プロジェクトマネジメント室の福本さんによると、発表こそ今のタイミングになったものの、開発は左ハンドルも右ハンドルも同時に進行していたという。

　当然ながらスペックや使用するパーツはほとんどが共通だが、日本市場に向けた仕様は排ガスなど法規制の違いを考慮し、触媒などに若干の違いがあるという。他にはフェンダーアーチに『ホイールガード』と名付けられた、文字どおりホイールを接触などによる傷から防ぐ小さな部品がある程度。

　ちょっと面白いのはウインカーレバー。日本車であればステアリングの右にウインカーレバーが配置されるのが一般的だ。しかし新型スープラはウインカーレバーが左という、いわゆる輸入車と同じポジションが採用されている。

　細かい部分でいえばターボチャージャーの位置が進行方向エンジン右側にあるためステアリングシャフトに遮熱対策をしたり、当たり前だがブレーキのマスターバッグは右側になっている。　シフトノブ脇にあるリモートコマンダーの位置など、右ハンドルと左ハンドルによる違いはある。

　また、ブースではボディカラーのサンプルも展示された。マットストームグレーメタリック、ホワイトメタリック、シルバーメタリック、アイスグレーメタリック、ブラックメタリック、ディープブルーメタリック、プロミネンスレッド、ライトニングイエローの合計8色で、いずれもフラッグシップのスポーツカーに相応しい高級感あるカラー。

　グレードは3リッター直列6気筒ターボエンジンを搭載するRZ、また2リッター直列4気筒ターボエンジンのSZ-RとSZがラインナップされ、ミッションはいずれも8速のスポーツATとなる。　最後にネーミングについて質問してみた。ガズーレーシングが手がけた車両は他にもあるが、それらは『ヴィッツGR』など車名の後ろにGRの名が冠されている。

　しかしながら新型スープラは『GRスープラ』と、GRが車名の前に置かれている理由は何なのだろうか

　今までのGRモデルはまずベース車が存在しており、それをガズーレーシングが手がけたコンバージョンモデルだった。

　それに対し新型スープラは初めからガズーレーシング主導で開発しており、そこを差別化する目的で『GR』の位置を車名の前に変えているそうだ。つまり今後もガズーレーシングが初めから開発する新型車は、同じく『GR＋車名』となる可能性が高いとのこと。

　なお大阪オートメッセ2019では、新型スープラの運転席に座れるサービスも行なっている。多少の行列は覚悟だが、こんなチャンスはめったにない。ゼヒ開催中にガズーレーシングのブースまで足を運んでみてはいかがだろうか。