新車販売における電動車100%に向け、今夏FCEVを投入へ
2月28日、ホンダは3月1日まで東京ビッグサイトで開催される「H2&FC EXPO【春】2024~第21回【国際】水素・燃料電池展~」において、新型の燃料電池車(FCEV)「CR-V e:FCEV(シーアールブイ イーエフシーイーブイ)」を世界初公開すると発表。日本では2024年夏に発売を予定している。
【画像】FCEVになってカムバックしたCR-V! 公開されたエクステリア・インテリアのすべてをみる 全40枚
ホンダは、2050年までに「環境負荷ゼロ」の循環型社会を目指しており、まずは2035年までに新車販売で電動車100%(HEVが20%、EV/FCEVが80%)を掲げる。そんなFCEVの尖兵として送り出されるのが、このCR-V e:FCEVだ。
注目すべき点は、日本の自動車メーカーが発売するFCEVとして初めてプラグイン充電機能を備えているということと、今までのホンダのFCEVと違い、専用設計ではなく量産モデルのFCEV化であること。サイズは、全長4805×全幅1865×全高1690mm、ホイールベースは2700mm。
CR-V PHEV(プラグインハイブリッド車)をベースに、フロントグリルや、フェンダー、エンジンフード、前後バンパーなどが専用デザインに変更され、全長が110mm延長されているが、それ以外の寸法は変わらない。細部に加飾パーツを配し、差別化を図る。
ワイド感を強調するフロントのLEDマルチファンクションランプはシーケンシャルタイプのウインカーも内蔵。リアコンビランプはCR-V伝統の縦型で、アウターレンズをクリア化しFCEVらしいクリーンな印象を創出する。
FCEV化されても使い勝手キープ
インテリアの意匠は、基本的にエンジン車(ICE)のCR-Vと共通。ステアリングホイールには合皮を、シートにはバイオ合皮を採用する。サステナブルな素材の人にも地球にも優しいクルマを目指している。
メーターは10.2インチのTFT液晶。左はパワー/チャージ、右はスピードの2眼メーターで、中央にホンダセンシングの作動状況などを表示する。センターダッシュのディスプレイオーディオには、パワーフローモニターや充電に関する情報などを表示できる。
PHEVと共通のIPU(インテリジェント・パワーユニット)は床下に、水素タンクはリアシート下と後ろに計2基搭載する。したがってラゲッジスペースの奥側はタンクのために1段高くなってしまっているが、フレキシブルボードを活用してフロア高を奥側に揃えると、上段にはベビーカーなど大きめのもの、下段にはウォーターボトルや買い物かごなどを積載できる。リアシートを折り畳めば、ラゲッジフロアの上段とほぼフラットにすることもでき、使い勝手への影響も最小限だ。
シートまわりの広さに関しては、前後ともPHEVのCR-Vとほとんど変わらない。前述のようにプラットフォームはCR-V PHEVと共通だが、そこに燃料電池のシステムを搭載しながら、十分以上の実用性を確保している。
長年の研究開発と最新の協業 燃料電池は全方位に性能向上
ホンダでは1990年代後半からFCEVの開発を進めており、2002年にはFCX、2008年にはFCXクラリティ、そして2016年にはクラリティ・フューエルセルを発売してきた。今回のCR-V e:FCEVに搭載される燃料電池は、いわば第2世代にあたり、米国のGMと共同開発してきたシステムだ。
FCスタックはセル構造などの改良により白金使用量を80%削減し、セル積層数も大幅に削減しつつも同等のネットパワーを確保。新素材の採用や生産性の向上によりコストは3分の1以下、耐久性は2倍以上に。そして耐低温性も大幅に向上させている(クラリティ・フューエルセル比、以下同じ)。水素の充填走行可能距離は600km以上、EV電力走行可能距離は60km以上という。
パワーユニットのスペックなどについては現段階では公表されていないが、燃料電池スタックやモーターギアボックス、電動ターボエアポンプ、ACコンプレッサーなどを一体化することにより、ノイズやバイブレーションを大幅に低減させている。
充電はAC普通充電のみでCHAdeMO規格の急速充電には対応しない。それでも、ドライブモードはオート/セーブ(バッテリー残量を維持)/チャージ(バッテリーを充電)/EV(バッテリー電力を優先)の4種が備わる。これをうまく使えば、3分で充填できる水素と電気を使い分けて、両方のいいとこ取りで賢く走ることができそうだ。
AC普通充電/給電用ポートは左フロントフェンダーにあり、標準装備のコネクターを使うことで100Vコンセントを持つ家電に最大1500Wまで給電することができる。水素充填用ポートは左リアフェンダーに、CHAdeMO規格の給電用ポートはラゲッジスペース右奥に備わる。
ボディカラーは、訴求色のプラチナムホワイトパールと、メテオロイドグレー・メタリックの2色を設定。
生産は、エンジン車のCR-Vと同様にオハイオ州にある米国ホンダの工場で行われる。車両価格などの詳細は未定だが、クラリティ・フューエルセルと同様にリース販売が予定されているようだ。
なお、CR-V e:FCEVは日本に加えて米国においても2024年中には販売が予定されている。また、e:FCEV以外のCR-Vは、現段階では日本への導入は検討されていない。
プラグイン充電機能を備え、より使い勝手の幅が広がったCR-V e:FCEVのデビューが楽しみだ。
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みんなのコメント
同じ
待望の「来日」をするならHEVとした方が消費者には歓迎出来た。
何故RAV4の様にHEVとPHEVで出さないのか。
っという人にはうってつけの一台ですよね
私は違いますけどね