佐藤万璃音は12位。岩佐歩夢はオーバーテイクショー炸裂もマシントラブルで16位【FIA F2第1戦サクヒール レース2】

　3月19日、2022年FIA F2の開幕戦となる第1戦サクヒールの決勝レース2がバーレーン・インターナショナル・サーキットで開催され、テオ・プルシェール（ARTグランプリ）が優勝、FIA F2通算3勝目を飾った。

　日本勢の佐藤万璃音（ビルトゥジ・レーシング）は12位。岩佐歩夢（ダムス）は7位でファイナルラップを迎えるも、セーフティカー（SC）明けにマシンが再加速せず、16位でレースを終えている。

　フィーチャーレース（決勝レース2）のグリッドは、現地時間18日に行われた予選順位で決定され、最速タイムを記録したアルピーヌ育成のジャック・ドゥーハン（ビルトゥジ・レーシング）がポールシッターとなった。2番グリッドはプルシェール、3番グリッドはユーリ・ビップス（ハイテックGP）、4番グリッドにローガン・サージェント（カーリン）が続いた。

　日本勢の佐藤は14番グリッドから。そして、予選でスピンを喫し、ノータイムに終わった岩佐は最後尾となる22番グリッドからスタートを迎えることとなった。

　フォーメーションラップが開始されるも、10番グリッドスタートのデニス・ハウガー（プレマ・レーシング）のエンジンがかからず、ピットレーン・スタートを余儀なくされた。日中開催ということで気温28.2度、路面温度44.4度と、気温、路温ともにレース1よりも高いコンディションのなか、31周の決勝レース1はスタートを迎えた。

　ポールスタートのドゥーハンが出遅れ、ビップスとラルフ・ボシュング（カンポス・レーシング）が好スタートを決め、2台が競り合うなか、ビップスがターン1のホールショットを奪う。一方、ドゥーハンは3番手に、そして4番手にプシュシェールが続いた。

　21番手スタートの岩佐はソフトタイヤを履き、序盤からハードプッシュ。オープニングラップで14番手までポジションを上げた。そんななか、2周目のターン1でフレデリック・ベスティ（ARTグランプリ）がスピンを喫し、レコードライン上にストップ。これでセーフティカー（SC）が導入される。

　レースは5周目に再開されると、ビップスはふたたびリードを築くべく自己ベストを更新するハイペースで周回。一方、岩佐はリスタートでハウガーをパス、続く6周目にはユアン・ダルバラ（プレマ・レーシング）を攻略し、6周終了時点でポジションを11番手まで上げた。

　ソフトタイヤスタートのマシンが好走を見せ、続々と順位を上げるなか、岩佐は8周目の最終コーナーでリチャード・フェルシュフォー（トライデント）をかわし、入賞圏内の10番手までポジションを上げる。さらにローガン・サージェント（カーリン）の背後につけると、11周目の最終コーナーでパスし、8番手へとポジションを上げた。

　岩佐は12周目のターン1でボシュンに並ぶ。2台はターン2、ターン3とサイド・バイ・サイドの戦いを繰り広げるが、ターン4で岩佐が先行し、7番手にポジションを上げる活躍を見せる。

　そんななか、トップ走行のビップスが13周目にピットイン。しかし、左フロントタイヤの交換に時間がかかり、大きくタイムロス。これで首位の座を明け渡すかたちに。さらに、14周目にドゥーハンがピットイン。ところが、コース復帰の際にターン1でプルシェールと接触。ドゥーハンはフロントウイングを破損し、ピットに戻ることに。

　トップに浮上した車両に次々とミスやアククデントが続くなか、最後までピットインを先延ばしにする作戦に出た岩佐が見た目上の暫定トップに浮上する。

　岩佐は18周目終わりにピットイン。その時点でタイヤ交換を済ませたなかでのトップのプルシェールとのギャップは21秒あったが、左リヤタイヤの交換に時間がかかり、8番手でコースに復帰することに。さらに、アウトラップでロイ・ニッサニー（ダムス）、ハウガーにかわされ10番手となった。

　しかし、岩佐はハウガーとニッサニーがポジション争いを繰り広げる隙をついて、20周目のターン9でニッサニーをパス。続く21周目にハウガーをパスし、8番手の座を取り戻す。一方、22周目にローソンが、ペースが落ちてきたダルバラをターン1でかわし2番手に浮上している。

　2セット目にソフトタイヤを履いたドライバーのペースが徐々に落ち始めた23周目。岩佐はセクター1で自己ベストを更新するハイペースを維持し、カラン・ウィリアムズ（トライデント）に接近。24周目のターン1で軽々とオーバーテイクを決め、7番手にポジションを上げた。

　そんななか、27周目のターン1でフェルシュフォーがエンツォ・フィッティパルディ（チャロウズ・レーシング・システム）に追突されスピンを喫し、マシンを止めてしまう。これで2度目のSCが導入されることとなった。

　そのSC中、ピットに入ったハウガーが左フロントタイヤの固定が終わる前に動き出し、ピットレーンでタイヤが転がるアクシデント。さらにウイリアムズも同様に左リヤタイヤを固定する前に動き出してしまい、ピットレーン上にストップと、チームのミスが連続する波乱の展開に。

　30周目、残り1周でレースが再開されるが、7番手につけていた岩佐がリスタート時に再加速できず、順位を16番手まで下げることに。レースはプルシェールが守りきり、今季初優勝、FIA F2通算3勝目を飾った。2位にローソン、3位にビップスが続いた。

　日本勢の佐藤万璃音は一時ポイント圏内の10番手までポジションを上げるも、12位でチェッカー。岩佐は再加速できぬまま、チェッカーを受けずピットに戻り16位となった。

　2022年シーズンFIA F2、次戦となる第2戦ジェッダは、3月25～27日にサウジアラビアのジェッダ・ストリート・サーキットで行われる。

■FIA F2第1戦サクヒール スプリントレース（決勝レース2）　暫定リザルト
Pos.No.DriverTeamTime/Gap110T.プルシェールARTグランプリ31Laps25L.ローソンカーリン0.92538J.ビップスハイテックGP1.714415R.ボシュングカンポス・レーシング3.86357M.アームストロングハイテックGP4.606611F.ドルゴヴィッチMPモータースポーツ5.72276L.サージェントカーリン6.539816R.ニッサニーダムス7.256924J.ヒューズファン・アメルスフォールト・レーシング9.008103J.ドゥーハンビルトゥジ・レーシング8.8541122E.フィッティパルディチャロウズ・レーシング・システム10.074124佐藤万璃音ビルトゥジ・レーシング11.3531325A.コルデールファン・アメルスフォールト・レーシング12.704142J.ダルバラプレマ・レーシング14.3611523C.ボリュクバシチャロウズ・レーシング・システム15.9651617岩佐歩夢ダムス31.1701714O.コルドウェルカンポス・レーシング1Lap1821C.ウィリアムズトライデント4Laps191D.ハウガープレマ・レーシング4Laps-20R.フェルシュフォートライデントDNF-12C.ノバラックMPモータースポーツDNF-9F.ベスティARTグランプリDNF

Comments

岩佐選手はF2時代の角田選手の様なオーバーテーク祭り。このカテゴリーの人はスピードに根拠の無い自信があり、すぐ熱くなってタイヤをダメにする人が多いから、冷静な日本人は向いてるのかもね。笑
最後は残念だったけど、見ている人は見ているはず。
佐藤選手はマシンが変わっても印象変わらずといった感じ。