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BMWが高性能の "次期M3" 投入へ 欧州で「iM3」商標登録 4モーターEV、2027年頃発売か

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BMWが高性能の "次期M3" 投入へ 欧州で「iM3」商標登録 4モーターEV、2027年頃発売か

次期3シリーズの高性能EV「iM3」投入か

ドイツの自動車メーカーであるBMWは、欧州連合知的財産庁(EUIPO)に「iM3」の商標を申請したことが明らかになった。かねてから噂されていたM3の電動バージョンの車名と考えられる。

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BMW 3シリーズの高性能版であるM3は、2027年頃に次世代EVモデルが登場する見込みで、「クレイジー」なシャシー制御ソフトウェアを採用し、現行モデルを「はるかに上回る」パフォーマンスを実現するとされている。

BMWの開発責任者であるフランク・ウェーバー氏が以前語ったところによると、次期M3はノイエ・クラッセ(NK)プラットフォームをベースとする次期3シリーズに続いて登場するという。今年9月に公開されたコンセプトカー「ビジョン・ノイエ・クラッセ」に、その姿を垣間見ることができるだろう。

ウェーバー氏は当時、記者団に対し「次のM3はバッテリーEVになるだろう」と明かしつつ、現行世代のガソリン車とは「一定期間共存」することになり、またそれは「必要なこと」だとも述べた。現在M3で使用されているS58型直列6気筒エンジンは、2030年以降も生産される予定である。

新制御システム「ハート・オブ・ジョイ」とは?

ウェーバー氏は、新開発の制御システム「ハート・オブ・ジョイ(Heart of Joy)」により際立った走行特性を実現し、ガソリンエンジンの不在に伴うキャラクターの喪失を緩和できるだろうと述べている。

「これは、過去20~30年にわたる当社の経験を1つの制御ユニットに集約したものです。走行性能関連、シャシー制御関連、パワートレイン関連のすべてが1か所に統合されています」

「クルマの制御方法の歴史が、ほとんどこの中に詰まっているのです。ソフトウェアは独自開発です。わたし達は、これで皆さんの好きなドライビング・ダイナミクスが実現可能だということをお伝えしたい。『究極のドライビングマシン(BMWのスローガンの1つ)』に興味をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、『ハート・オブ・ジョイ』にはクレイジーな機能が搭載されています」

ハート・オブ・ジョイは、ハイブリッドスポーツカーのi8で初めて採用された「神の手(Hand of god)」という制御システムの後継にあたるもので、4基のモーター・ドライブトレインを司り、状況に応じて各車輪への電力配分を調整する。ウェーバー氏は、最大1メガワット(1360ps)の総出力に対応できるとしたが、次期M3の性能目標については言及しなかった。

Mのファンは電動化をどう捉えている?

高性能のエンジン車として長年愛されてきたMモデルの電動化について、ウェーバー氏は次のように述べている。

「NKが非常に野心的であることを示すようなものを用意したいと考えていますが、これ(高性能モデル)は人々が今日慣れ親しんでいるものよりもはるかに上を行っています。製品ラインとしてNKを立ち上げてからそう遠くない時期に登場するでしょうし、人々もバッテリーEVのMを手に入れたいと思ってくださっているので、コアモデルのSOP(生産開始)に近い早い時期に実現したい」

「BMWは、消費者の声をはっきりと聞いています。中には、わたしのところへ来て『Mのファンはこんなものを望んでいない』と言う人もいますが、そんなことはありません。わたし達は多くの顧客調査を行っています。Mのお客様が求めているのは、単純に最上かつ最高のパフォーマンスなのです」

「1メガワットの性能を持つクルマに乗り込み、個々の車輪をコントロールできるようになった瞬間、エンジン音には違いがあるかもしれませんが、クルマの挙動には問題がないと断言できます」

これには、BMW Mを率いるフランク・ファン・ミールCEOも同意見だ。ファン・ミールCEOは昨年、どんな電動パフォーマンスカーを発表する際にも、顧客に「これはクレイジーだ、こんなことになるとは思わなかった」と言ってほしいと語っている。

「M3のストーリーは永遠です。4気筒、6気筒、8気筒、6気筒、ターボチャージャーと、エンジンのストーリーを変えても、その度にM3のストーリーは続いていきます」

「もしかしたらEVになるかもしれませんが、そうなったとしても、必ず “M3” になります。パワートレインがどうであれ、当社のクルマに乗れば、それがM3であることがわかるはずです。わたし達は50年間、時の試練に耐えてきましたし、これからもそうあり続けるでしょう」

ファン・ミールCEOによれば、BMWは電動化によって高性能モデルの魅力が下がるとは考えていないようだ。

「お客様とお話ししたところ、90~95%の方はパワートレインの方向性など気にしていないとのことでした。彼らはただMモデルが欲しいだけなのです。V8を載せないのなら買わないという人もいますが、それはそれでいいと思います。わたしは尊重します」

M専用EVの利点と課題

興味深いことに、BMWの販売責任者であるピーテル・ノータ氏は9月のIAAモビリティで取材に応じ、EVのMモデルは現在のガソリン車と同じ名称を使用しない可能性を示唆するような発言をした。

「ノイエ・クラッセではベンチマークを設定し、現在M3またはM4と呼んでいるクルマの高性能バージョンも用意する予定です。Mも電動化を進めており、i4 M50とi7 M70の成功がそれを物語っています。つまり、Mは電動化した未来においてもブランドの中核であり続けるのです」

現行のi4 M50とi7 M70は、エンジン車のM4やX5 Mと同等の出力を持つが、「M」モデルというよりもむしろM440iのような「Mスポーツ」モデルとしての位置づけが強い。

MモデルのEVは、より専門性を高めたものになるだろう。ファン・ミールCEOは軽量化とM特有のダイナミクスを優先すると示唆している。

同氏は以前の取材で、EVは同クラスのエンジン車よりも本質的に重いとし、「軽量化技術への投資を続ける必要があります。わたし達はすでに多くのカーボンを扱っています。しかし、EVにはいくつか利点があります。例えば、遮音材の一部を取り除くことができますし、バッテリーの軽量化はエンジニアにとって興味深いことです」と語った。

こうした技術の一部は、すでに市販車で導入されている。

「XMのボディコントロールは、重心がとても低いため驚くべきものです。スプリングやダンパーを柔らかくしても、ロールが発生しないのです」

レースで培った技術を市販車へ

BMWのモータースポーツ活動を通じて開発された技術の応用も期待される。新型のLMDhレーサーはハイブリッド化されたV8を搭載している。パワートレインは同一ではないが、ファン・ミールCEOは同車の開発が今後の市販車開発に役立つとしている。

「長距離レースとドライブトレイン技術が密接に関係していることはおわかりいただけるでしょう。(LMDhの)プロトタイプでは、空力から冷却まで多くの教訓を得ることができました。また、V8ハイブリッドのドライブトレインはXMに搭載されたものとリンクしています」

「エンジニアたちが本当に気に入っているのは、ドライブトレインに電動化されたコンポーネントを組み込めば、トルクと馬力のコントロールが内燃エンジンよりもはるかに優れ、速く、簡単になることです。特にレースにおいては」

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みんなのコメント

17件
  • レインボー
    なんだか着々とダサくなっていっている気がする…頑張れー
  • vop********
    本当に残念です。もうあの頃の BMW はありません。残念です
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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