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トヨタ・ハイラックス 詳細データテスト オンよりオフの走りで本領発揮 乗り心地には改善の余地あり

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トヨタ・ハイラックス 詳細データテスト オンよりオフの走りで本領発揮 乗り心地には改善の余地あり

はじめに

欧州のライトピックアップトラック市場を放棄したメーカーは数知れないが、それも必然と言えるだろう。そんな中で、2メーカーがこのカテゴリーのトップ争いを繰り広げている。トヨタとフォードだ。そして、そこから興味深いモデルが誕生することとなった。

【画像】写真で見るトヨタ・ハイラックスとライバル 全15枚

現行フォード・レンジャーは2世代目となるが、その強力なライバルがトヨタ・ハイラックス。こちらは60年にわたり生産され、いまや8世代を数える老舗ブランドである。

この2台、欧州のみならず、オーストラリアなどの市場でも鎬を削っている。フォードのほうはすでに、新型V6ターボを積むラプター仕様でわれわれの関心を掴んでいるが、これに対抗するモデルをトヨタも送り込んできた。それが、ダカール・ラリーにインスピレーションを得たハイラックスGRスポーツである。

4気筒ディーゼルを積むこのハイラックスは、コンセプトとしてはV6の現行より、ディーゼルモデルだった初代のレンジャー・ラプターに近いと言える。しかし、フォードが積載重量を犠牲にしてまでサスペンションを手直ししたのに対し、トヨタはリアをリーフスプリングのままとして、1t級の積載重量と、働くクルマという本来の用途を維持した。

それでも、ほかのグレードとの走りの差別化は図れているのだろうか。それとも、これは単なるコスメチューンに毛が生えた程度のクルマなのか。そこを確かめてみたい。

意匠と技術 ★★★★★★★☆☆☆

8代目ハイラックスのデビューは2016年なので、GRスポーツ仕様ではあっても、今回のテスト車は目新しいものではない。2020年のマイナーチェンジではスタイリングをリフレッシュしたほか、装備の拡充や、既存の2.4Lユニットより強力な2.8L直4ターボディーゼルの追加などが実施された。

この2.8Lユニットが、ハイラックスGRスポーツには積まれている。最高出力は204ps、最大トルクは51.0kg-mで、V8を積むアメリカンピックアップを求めるようなユーザー層に訴求できるほどではない。

それでも、2.4L仕様のハイラックスに対し、0-100km/h加速で2秒は速く、ディーゼル車の先代レンジャー・ラプターにもわずかながら勝っている。とはいえ、ウェイトは2125kg。トンあたり100psを切るのだから、スプリントで他を圧倒するようなクルマとは言えない。

GRスポーツのトランスミッションは、6速のトルクコンバーターATのみ。駆動系は二駆/四駆切り替え式で、ローレンジのトランスファーとリアのロッキングデフを備える。

エンジン同様、シャシーも走りを楽しむ物件というより、仕事のツールという性格が色濃い。ベース車と同じボディ・オン・フレーム構造で、リアサスペンションはライブアクスルとリーフスプリングの組み合わせだ。

このコンビネーションは、きついオフロードでの高い路面追従性と、1t級の積載重量を可能にする。いっぽうで、ベース車から大幅に改修されたレンジャー・ラプターのような、オンでもオフでも洗練された走りは期待できない。

それでも、GRスポーツの足回りは、ノーマル車と大きく違っている。フロントのコイルスプリングはハードになり、ステアリングのシャープなレスポンスと、やや抑えの効いたボディコントロールを生む。さらに、ダンパーは前後ともグレードアップしたモノチューブ式で、タイヤはノーマル車が舗装路向きなのに対して、ゴツい見た目のオールテレインタイプであるブリヂストン・デュエラーを履く。

内装 ★★★★★★☆☆☆☆

ハイラックスの下位グレードにはシングルキャブとエクストラキャブ、ふたつのボディスタイルがある。エクストラキャブは、他社ではキングキャブとも呼ばれる、前席の背後に荷室スペースが用意されたタイプだ。

ただし、GRスポーツをはじめとする上位グレードは、ダブルキャブのみの設定。これは、後席を備える4ドアだ。リアシートは大人でもほぼ不満なく使えるが、スペース的には大型SUVより中型セダンに近い。

その後方にあるのは、1.5m近い長さの荷台で、オープンタイプのほか、上面をハードトップで覆ったタイプも選べる。テスト車のようなオープンタイプには、黒いスポーツバーが標準装備される。

シングルキャブとより長い荷台の組み合わせがほしいという声もありそうだが、乗用としての日常使い用途で販売されているピックアップは、ほぼすべてがダブルキャブというのが現状だ。積載量より、4人もしくは5人乗れることを重視するオーナーがほとんどだということだろう。

走り志向の雰囲気を高めているのが、専用表皮のスポーツシートだ。レザーとアルカンターラのコンビで、GRロゴが刺繍されている。乗降性、快適性、ともにいい。

ほかにも、いかにもスポーツグレードというアイテムが目につく。金属調スポーツペダル、ステアリングホイールやサイドシルのGRエンブレムなど。ただ、シフトレバー後方のバッジは後付け感が拭えず、悪目立ちしている。

耐久性や機能性、シンプルさを追求してデザインされたインテリアを、こういう風にドレスアップするのは奇妙に思える。そして、その結果もしっくりこない感じがする。

ダッシュボードでは、赤いアクセントの入ったグロスカーボントリムが、プレーンで質実剛健を地で行くようなモールディングから浮いてしまっている。上面に突き出しているJBLプレミアムサウンドシステムのスピーカーも、なんとも不恰好だ。

すくなくとも、主要な操縦系のエルゴノミクスは適切だ。長身のドライバーには、ステアリングコラムのテレスコピック量がもっとほしいところだが、たいていのひとは快適なドライビングポジションを取れるはずだ。

グローブボックスは上下2段式で、アームレスト下の小物入れもなかなかのサイズ。ドアポケットも使いやすく、室内のストレージは豊富だ。視界は全方位とも良好だが、さらにサラウンドビューカメラがついている。5.3mもの全長に苦戦しがちな駐車時にはありがたい。

走り ★★★★★★★☆☆☆

ハイラックスのようなクルマにおいて、オンロードの加速性能という判断基準は95%くらい無視して開発されているといっていいだろう。それでも、車名にスポーツを冠し、赤いステッチの入ったシートを装備するとなれば、われわれとしては確かめずにいられない要素でもある。

運転してみると、ハイラックスは好ましいまでに率直なクルマだ。トランスミッションはマニュアル操作できる。変速に一瞬のラグはあるものの、気にするほどの遅れではない。

後輪駆動モードで、ドライのアスファルトでスタビリティコントロールを切って発進しても、4WDに電子制御デバイスを効かせたときと変わらず、0−97km/hを10秒フラットで駆け抜ける。4気筒ディーゼルは、2tちょっとのピックアップを動かすにも、ドライバーを過剰にあおるようなことはない。まるで、そうするよう求められたかのように。

中間加速もマイペースで、2.8Lエンジンはやたら回転を上げずとも実用に足る駆動力を生み出してくれる。2500rpmを超えると、楽に回っているときよりかなりノイジーで、ややガラガラいうのが気になるが、そうなってもトランスミッションの中間ギアは、とくに鋭い加速を見せてくれるわけではない。

シフトアップは歯切れが悪く、ゴムっぽいフィールで、回りはじめはきちんと噛み合っていないのではないかと思わせるギアもある。次の段に入ってからエンジン回転が落ちるのは1~2秒後、といった具合だ。

このパワートレインはとにかくトルク命といった印象で、いかにも荷物を運んだり、道なき道を登ったり這い回ったり、もしくは牽引に使われたりするクルマのエンジンらしい。その点が重視されていて、非常に扱いやすくなっている。トランスミッションのドロっとしたつながり方も、重いトレーラーを引っ張ったり、岩だらけの急勾配をよじ登ったりするには最適なのだろう。

このクルマのトルクコンバーターには、スロットルをそれほど踏み込まないときに、エンジンの低回転での力強さを増幅するような感覚がある。はじめは引き締めている感じだが、その後は右足が要求するよりやや余計に力を解き放つのだ。

そのため、浅い川を渡っていようが、トレーラーを引いて泥道を走ろうが、すべりやすい高速道路で速度を上げようが、どんなときでもこのクルマで全開にするのはあまりおすすめできない。必ずしも、全開にすればパワートレインのもっともエキサイティングな部分を引き出せるわけではないが、本当にスポーティな物件であればこれよりスリルを感じさせてくれるはずだ。

それでも、ちょっと回転を上げてあとは機械任せにすれば、その結果として行き着く領域や、このクルマが無理なくこなしている仕事の具合に、軽い驚きを覚えるはずだ。

使い勝手 ★★★★★☆☆☆☆☆

インフォテインメント

ハイラックスのトヨタ・タッチ2インフォテインメントシステムは、10年近く使われているが、トヨタの乗用モデルのほとんどで退役しているシステムだ。

もっとも、最新のデジタルテクノロジーを期待するようなクルマではないし、その手の装備は必要ないというオーナーもいるだろう。それでも、新車を買って型遅れのデバイスが付いてくるのは、多少なりとも残念に思わずにはいられない。

インターフェイスは、ショートカットボタンに囲まれた8.0インチのタッチディスプレイなので、タップやスワイプを繰り返さなくても簡単に操作できる。スマートフォンのミラーリングは有線接続だが標準装備で、Apple/Androidの双方に対応。しかし、ワイヤレス充電は用意されていない。

ハイラックスではGRスポーツにのみ、9スピーカーのJBLプレミアムオーディオシステムが標準装備される。とはいえ、魂に響くようなサウンドとは言えない。音質は厚みに欠け、スピーカーのまとまりがないデザインも残念だ。

燈火類

ハイラックスGRスポーツに標準装備のLEDプロジェクターヘッドライトは、オートライト付きだが、アクティブ切り替えは備わらない。ハイビームは明るいが、抜きん出たものではない。アクセサリーのライトバーがほしくなる気持ちもわからないではない。

ステアリングとペダル

広いフットウェルに配置された、大きく、スペースも十分に空いたペダルは操作しやすい。ステアリングコラムのオフセットはわずかで、気になるほどではない。テレスコピックの調整幅は不足気味だ。

操舵/安定性 ★★★★★☆☆☆☆☆

車体の大きさそのものやアクスルのスペック、標準装着タイヤなどはすべて、ハイラックスGRスポーツにかなりの制限をかけるファクターだ。オフロード走行や、オンロードでもヘヴィデューティに使いたいなら、このクルマはジャストフィットするはずだ。自分がどんなクルマを買ったのか、そしてそのクルマの強みはなにか、それを理解できるかどうかが重要だと言ってもいい。

しかし、ここ最近のトヨタがハイパフォーマンスモデルに用いるGRブランドの目新しさに魅力を感じて、このハイラックスに関心を持つユーザーもいるだろう。たしかに、GRヤリスやスープラをトレーラーに乗せ、走行会の会場まで牽引するにはもってこいかもしれない。だが、それらGRの本命に、オンロードでのドライビングにおける魅力では遠く及ばない。

全長は5.3mを超え、全高は1.8mに達するこのクルマは、巨体と呼んで差し支えないサイズだ。また、競合するラプターとは異なり、その大きさを補完するようなサスペンションも持ち合わせていない。

標準仕様のダンパーとタイヤを装備したハイラックスは、多少なりともボディコントロールはGRよりいい。公道上で、合法的なスピードで走っていればの話だが。対するこのGRスポーツは、大きめのバンプや路面の波打ちを乗り越えるとバウンドするクセがある。

縮み側の減衰チューニングが、英国の一般的なカントリーロードで受けるより大きな入力の吸収に振られているということだろう。また、伸び側は明らかにお留守になっている。リアは、路面が複雑になると、リーフスプリング特有の、やや落ち着きなく、不安定なフィールが出てしまう。荷台へ常に300kgくらいの重しを乗せていれば、落ち着いてくれるだろうと思わされる感じだ。

オールテレインタイヤは、オンロードで意外なほどグリップしてくれる。ドラスティックなほどではないが、危機感を抱くような場面はまったくない。それがよくわかったのがフルブレーキテストだ。また、コーナーやラウンドアバウトへの進入でかなりやる気を出しても、同じ感想を持つことになる。

ターンイン初期は、そこそこのアジリティがある。また、全般的に荷重のかかったリアタイヤの横グリップが抜けるより先に、フロントの食いつきのほうが失われるようにできている。

オフロード性能のテストは限定的なものにとどまるが、バハのラリーカーのように跳ねながら飛ばすより、低速で悪路を行くほうが向いている。グリップも、路面とのクリアランスも、そしてドライバビリティも、望むままどこへでもいける感じだ。とはいえ、機敏さやダンピングの自由度、ジャンピングスポットを飛ばして突っ切れるか、といった点では、フォードのレンジャー・ラプターのようなわけにはいかない。

快適性/静粛性 ★★★★★★☆☆☆☆

さまざまな音源からの盛大なノイズや、キャビン後方をすっぱり切り落としたピックアップというボディ形状ゆえ、マナーのいいクルージングは望むべくもない。ただし、我慢できないようなものではまったくもってない。

穏やかな天候の中、113km/h巡航で計測した室内騒音は67dBAだった。乗用車でも、これより悪いものはごまんとある。エンジンは、回せばうるさいが、低回転で流している限りならかなり静か。大きなドアミラーからは風切り音も出るが、許容範囲内。計測結果に大きく影響するほどではなかった。

ハイラックスGRスポーツの、巡航時の快適性における最大の障害は、やや落ち着きのない乗り心地にほかならない。トヨタはこのハイラックスにトルクマネージメントシステムを装備し、ボディのピッチやバウンスをスムースにするべく、気づかないくらいの微妙なスロットル調整を行っている。

それでも、テスト車を走らせた限り、その効果を感じるのは難しかった。高速道路ではまずまず乗り心地がよかったものの、田舎道に入るとそれがすぐに乱れる。市街地でも、大きめの路面の凹凸はこなしきれなかった。

シートは幅広く快適で、横方向のサポートもほとんどの場合で不足はない。Aピラーのグリップハンドルは、高いシートへ乗り込む助けになってくれるだけでなく、オフロードでは身体を支える役にも立ってくれる。

購入と維持 ★★★★★★★★★☆

トヨタがシャシーの改修を合理的な範囲に収めたことで、ベース車に対する価格上昇も小さく抑えられた。装備内容の近いインヴィンシブルXからは2250ポンド(約37万円)のアップで、車両価格は4万9000ポンド(約799万円)と、5万ポンド(約815万円)を切る。フォード・レンジャー・ラプターのディーゼル車より、12%ほど安い。

英国における1tピックアップの税区分は、それがいいのか悪いのかは別として、PHEVよりも低い。そのことは、ユーザーの現実的な購買動機のひとつになりうる。さらに、正規ディーラーでサービスとメンテナンスを受ければ、保証は10年・16万kmまで延長される。

テスト時の巡航燃費は11.5km/Lと、このサイズとしては悪くない数字で、トヨタ車ならではの信頼性も当然ながらある。買って間違いはないだろう。

スペック

レイアウト

ハイラックスのメカニズムは昔ながらのピックアップの流儀にのっとり、ボディ・オン・フレーム構造のシャシーと、リアのリーフリジッドを組み合わせ、積載重量を重視した。

フロントサスペンションはダブルウィッシュボーン+コイルで、エンジンは縦置き。駆動系は電子制御の3モード式で、後輪駆動のほか、通常とローレンジの4WDが選択できる。

エンジン

駆動方式:フロント縦置き四輪駆動
形式:直列4気筒2755ccターボ、ディーゼル
ブロック/ヘッド:鋳鉄/アルミニウム
ボア×ストローク:φ92.0×103.6mm
圧縮比:15.6:1
バルブ配置:4バルブDOHC
最高出力:204ps/3000rpm
最大トルク:51.0kg-m/1600~2800rpm
エンジン許容回転数:4400rpm
馬力荷重比:96ps/t
トルク荷重比:24.1kg-m/t
エンジン比出力:74ps/L

ボディ/シャシー

全長:5325mm
ホイールベース:3085mm
オーバーハング(前):985mm
オーバーハング(後):1255mm

全幅(ミラー含む):2105mm
全幅(両ドア開き):3600mm

全高:1815mm
全高(テールゲート開き):-mm

足元長さ(前席):最大1040mm
足元長さ(後席):700mm
座面~天井(前席):最大1000mm
座面~天井(後席):930mm

積載重量:1015kg

構造:スティール、ボディ・オン・フレーム
車両重量:2125kg(公称値)/2241kg(実測値)
抗力係数:-
ホイール前・後:7.5Jx17
タイヤ前・後:265/65 R17 112S
ブリヂストン・デュエラーA/T M+S
スペアタイヤ:フルサイズ

変速機

形式:6速AT
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
1速:3.60/10.5
2速:2.09/17.9
3速:1.49/25.1
4速:1.00/37.3
5速:0.69/54.2
6速:0.58/64.5
最終減速比:3.91:1
ローレンジ:2.28:1    

燃料消費率

AUTOCAR実測値:消費率
総平均:10.2km/L
ツーリング:11.5km/L
動力性能計測時:6.7km/L

メーカー公表値:消費率
低速(市街地):8.7km/L
中速(郊外):10.7km/L
高速(高速道路):12.0km/L
超高速:10.0km/L
混合:10.5km/L

燃料タンク容量:80L
現実的な航続距離:819km
CO2排出量:249g/km

サスペンション

前:ダブルウィッシュボーン/コイルスプリング
後:ライブアクスル/リーフスプリング

ステアリング

形式:油圧式、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:3.3回転
最小回転直径:12.8m

ブレーキ

前:319mm通気冷却式ディスク
後:295mmドラム
制御装置:ABS、HBA、EBD
ハンドブレーキ:手動、センターコンソール右側にレバー設置

静粛性

アイドリング:43dBA
全開時(4速):78dBA
48km/h走行時:56dBA
80km/h走行時:62dBA
113km/h走行時:67dBA

安全装備

ABS/AEB/LDW/RSA/HBA/VSC/HSA
Euro N CAP:5つ星(2016年)
乗員保護性能:成人93%/子供82%
歩行者保護性能:83%
安全補助装置性能:63%

発進加速

テスト条件:乾燥路面/気温7℃
0-30マイル/時(48km/h):3.6秒
0-40(64):5.2秒
0-50(80):7.3秒
0-60(97):10.0秒
0-70(113):13.1秒
0-80(129):16.9秒
0-90(145):23.0秒
0-100(161):31.7秒
0-402m発進加速:17.6秒(到達速度:130.8km/h)
0-1000m発進加速:32.2秒(到達速度:161.7km/h)

ライバルの発進加速ライバルの発進加速
フォード・レンジャー・ラプター(2019年)
テスト条件:湿潤路面/気温24℃
0-30マイル/時(48km/h):3.6秒
0-40(64):5.4秒
0-50(80):7.6秒
0-60(97):10.5秒
0-70(113):14.1秒
0-80(129):19.1秒
0-90(145):25.9秒
0-100(161):37.7秒
0-402m発進加速:17.9秒(到達速度:125.2km/h)
0-1000m発進加速:32.9秒(到達速度:156.3km/h)

キックダウン加速

20-40mph(32-64km/h):3.2秒

30-50(48-80):3.7秒

40-60(64-97):4.9秒

50-70(80-113):5.8秒

60-80(97-129):7.0秒

70-90(113-145):10.0秒

80-100(129-161):14.7秒

制動距離

テスト条件:湿潤路面/気温7℃
30-0マイル/時(48km/h):9.9m
50-0マイル/時(64km/h):27.2m
70-0マイル/時(80km/h):53.4m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:3.41秒

ライバルの制動距離フォード・レンジャー・ラプター(2019年)
テスト条件:湿潤路面/気温24℃
30-0マイル/時(48km/h):10.5m
50-0マイル/時(64km/h):29.6m
70-0マイル/時(80km/h):57.7m

各ギアの最高速

1速:45.1km/h(4400rpm)
2速:86.9km/h(4400rpm)
3速:140.0km/h(4400rpm)
4速:199.6km/h(4400rpm)
5速:173.8km/h(3205rpm)
6速(公称値):173.8km/h(2694rpm)

6速・70/80マイル/時(113km/h/129km/h):1746rpm/1996rpm

結論 ★★★★★★★☆☆☆

ライバル車との差別化という点に関して、このスポーティなピックアップにおけるトヨタの仕事ぶりはスマートだ。GRスポーツというカテゴリーは、本格GRモデルよりマイルドなチューニングにとどまっている。

これが、いかにパワーや走りを高めても、実用車に必須の使い勝手を犠牲にするような仕様になっていたら、われわれのような昔ながらのクルマ好きとしては眉をひそめたところだ。

また、このトヨタ・ハイラックスGRスポーツは、まさしくわれわれが想像したとおりのクルマだった。パフォーマンスやハンドリングの強化は、公道上ではほとんど体感できない。おそらく、泥道や岩場、グラベルでのほうが、その効果がわかりやすい。そのぶん、犠牲になったものも少ない。

ほかのトラックと同じように走らせることができて、同じように使えて、ただしちょっとだけ速くて楽しめる。もっとも、極限環境となればそうはいかないかもしれないが。

この手のクルマに、爆発的なパフォーマンスを求めるのは難しい。ただし、好きなクルマを手当たり次第に買って、夢のガレージに並べられるなら、実用部門担当の1台としてはこのうえなくいいクルマだ。

とはいえ、このGRスポーツは、ベースのハイラックスから劇的に改修されているわけではない。ソーセージにあれこれソースやスパイスをつけたがるようなタイプのピックアップ乗りなら、刺激が足りないと思うのではないだろうか。

担当テスターのアドバイス

マット・ソーンダーストヨタはGRスポーツにMTを用意していないし、あったとしてもそれが望ましいのかどうか確信は持てない。このトラックの性格的にMTはマッチするだろうが、51.0kg-mものトルクを最大限使うにはATのほうが向いているのかも知れない。

リチャード・レーンスタート/ストップシステムは、ブレーキ圧の違いを判別できるのだから、ただ停止状態を保つだけの軽めならエンジンを回したままに、そこに留まろうと強く踏み込んだらエンジンを止めるようにしてほしい。どんなクルマにも当てはまるドライバビリティの問題なのに、商用車では解決が遅れているのはどういうわけだろうか。

オプション追加のアドバイス

GRスポーツは1仕様のみなので、あとはほぼアクセサリーの選択となる。嵩張る荷物を積むのでなければ、荷台のハードトップはほしい。また、積載性を高めるツインのサイドユーティリティボックスやキャビンクロスバー、ラリーレイド風ルックスのハイビームライトなどもおすすめだ。

改善してほしいポイント

・トランスミッションのチューニングにはリファインが必要だ。マニュアルモードはもっとまともに、ポジティブな変速ができるようにしてくれないと。
・インテリアは、GRの名にふさわしい仕立てにしてほしい。
・5.0LのV8を積み、バハ仕様のサスペンションを装備した、本格GRモデルがあっても悪くないのではないだろうか。

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みんなのコメント

3件
  • 乗り心地やコンフォートを求めれば、
    悪路走破性能は著しく損なわれる
    ランクルも年々堕落して、今やレクサスモード
    何ちゃってSUVそのもの
  • 遂にメルセデスのGクラスもフロントは独立懸架になった。それが示唆するところはフロントが独懸でもクロスカントリーでも独懸でも何とかなるとこまでシステムが成長してきたことを表す。当然クロスカントリーではフロント車軸式のほうが優位だが、通常路の乗り心地では独懸には勝てない。日常生活で優位を保ち、いざ不整地路を全速で走行する場合にはもう独懸で十分対応できるほどシステムが対応できて来たんだろう。だからランクルも独懸を採用している訳であって、決してなんちゃってシステムを装備するほど甘い車ではない。ランクル300に乗ってみるがよい。そのまま田んぼを突っ走ってみろよ。何の苦労もなく走破するぜ。ハイラックスはそのランクルより硬いリアシステムを持っているんだ。ランクルにできることがハイラックスにできない訳がないだろ、乗り心地を除いて。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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