この記事をまとめると
■日本のトラックのカスタマイズといえばデコトラがポピュラーだが近年は「ユーロアート」のトラックが増えてきている
いまバブルの遺産「豪華バス」が熱い! デコトラ乗りが「マイカー」として熱視線を送る「サロンバス」とは
■「ユーロアート」の流行は輸入トラックの普及やバンパーライトの標準化によるため
■日本古来の「デコトラ」に加え新たなカテゴリーの「ユーロアート」の登場でトラックカスタムがさらに盛り上がっている
増えるトラックの欧風カスタマイズ
これまで日本のトラックのカスタマイズといえば、映画『トラック野郎』の一番星号を代表とするいわゆるデコトラがポピュラーだが、近年はヨーロッパのトラックのカスタマイズをオマージュした「ユーロアート」のトラックが増えてきている。
これはボルボやスカニアなど海外メーカーのトラックが日本に進出し、人気を集めていることもあるが、国産の大型・中型トラックのバンパーライト化(バンパー内にヘッドライトが収まるフロント形状)や、これは近年の乗用車でもよくいわれることだが、レーダーやカメラなどの標準装備化や電装品の多様化により、純正装備からアフターパーツへの交換が困難になってきていることも大きく影響している。
また、改造車に対するコンプライアンス意識の高まりにより、従来のデコトラのような大型パーツを装着した車両が大企業などの荷主から仕事を受けづらい状況になっていることも、その新たなムーブメントを後押ししている。
ユーロアートは、純正オリジナルのスタイルを活かしつつ、フロントバンパー下に「ローバー(あるいはアンダーバー)」、グリル前に「マルチバー」、ルーフに「ハイバー」といったパイプ状のパーツを装着し、さらにフォグランプやスポットライトを装着するカスタマイズ。こういった手法により、そのトラック従来のフォルムや装備、機能を崩すことなく個性あるスタイルを構築しているわけだ。
デコトラの場合は大きなステンレス製またはメッキのバンパーなどが、見る人によっては厳つさや威圧的な印象を与えてしまうことがあるが、ユーロアートは逆におしゃれでスタイリッシュな印象をどんな人にも与える傾向にあるようだ。実際にユーロアートのトラックで仕事をしているドライバーから「納品先で『カッコいいトラックで来ましたね』とよく言われますね」という話も聞く。
国産ベースのユーロアート車も急激に増加
前述したとおり、ユーロアートは文字どおりヨーロッパのトラックカスタムがその発祥。日本でもスカニアやボルボをベースにユーロアートを施したトラックが多く走っているが、バンパーライトを標準装備した高年式の国産トラックをベースに、本場の欧州車を凌ぐスタイリッシュなカスタマイズを施した車両もここ数年で急激に増えてきている。
写真のウイング車も日野グランドプロフィアをベースにユーロアートを進めている1台。欧州カスタムパーツメーカーのスカニア専用ハイバーやパイロットランプなどを使用しつつ、国内のアート工房で製作したオリジナルパーツも多数装備した、和製ユーロの美しいプロフィアに仕上がっている。
この車両を製作した工房をはじめ、全国各地のトラックのパーツを製作する工房や架装メーカーがこのユーロの分野に力を入れているのだ。本サイトでもレポートした10月29日開催の「ジャパントラックショーin富士スピードウェイ」(サーキットを巨大トラックが疾走!! ジャパントラックショー in FSW 2023に圧倒される)にもそんなユーロアートのトラックが多数来場。国産車ベースの車輌も個性たっぷりのカスタマイズを披露していた。
日本古来のデコトラも世界的な評価が高まっているが、トラックカスタムの新たなカテゴリーとして、ユーロアートはさらなる盛り上がりを見せてくれるに違いない。
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