2020年2月14日に国内正規販売が開始されたホンダ「ADV150」。見るからに旅が似合うこのマシンでさっそくソロキャンプに出かけてきました。今回は積載性のインプレを中心にお伝えします!
前回は、最高速と実燃費を調べました!
安くて便利なアイテムに手を出しすぎて、荷物がどんどん増えていった件
ここ最近のキャンプブームは約25年ぶり、とも言われているのだとか。
いまAmazonなどでは、安くてけっこう使えるアイテムが山のように販売されています。その物色にハマっているwebオートバイ編集部員西野です。
ただ、気づくとこんな感じに。
ふと思いました。「10代の頃、俺の憧れていた旅のスタイルってこんなんだったっけ?」
いや、いいんですよ。大荷物で旅をするのもいまは大好きです。否定ではありません。だけど、中学生や高校生の頃に思い描いた、さすらいの旅人像とはなんか違う。
荷物は極力少なく、まるでムーミンのスナフキンのような、そんなさりげないスタイルに憧れていたはずだ!
原点回帰への思いが募ってい2月中旬、スマート・キャンプツーリングを実践する絶好の機会を得ました。
そう、ホンダ「ADV150」の国内正規モデルが発売されたのです!!
容量25Lのシートバッグと、シート下ラゲッジだけでキャンプ道具が積めた!
どうだ! これですべて入っています。
このコンパクトな装備を見て「日本一周ですか?」と聞いてくる人はいないはず。宿に1~2泊するのかな? と思われるのが妥当でしょう。まさかキャンパーだとは誰も気づくまい。フッフッフ、さりげないこと、この上なし。
積載したのは容量25Lのシートバッグのみ。それとADV150のシート下ラゲッジでキャンプ道具がすべて収まってしまいました。
このほかに容量16Lのリュックを背負っていましたが、そちらにはカメラや筆記用具など機材を入れたのみです。
バッグに入れた荷物と、ADV150の積載性
シートバッグに入れていた荷物
・レインスーツ
・着替え
・椅子
・テーブル
・鍋やシェラカップ、箸など調理器具
・レザーマンのマルチツール
・まな板
・焚き火台
・着火剤
・ガスストーブ
・カセットガス
・ランタン
・ヘッドライト
・モバイルバッテリー
・水袋
・シュラフカバー
・洗面用具
・ペグ
・ハンマー
・使い捨てカイロ
・ウエットティッシュ
・トイレットペーパー
・キッチンペーパー
・軍手
ADV150の積載性の高さは申し分なし。突起型の荷掛フックは備わっていませんが、グラブバーがかなり使えます。
リアシートの積載に使える部分の長さを測りました。ご参考まで。
シート下には、キャンプ場に着くまで取り出さないものを入れる!
リアシートにバッグを積むと、ラゲッジスペースを開けるのが面倒ですからね。
シート下のラゲッジスペースに入れていた荷物
・テント
・テントのポール
・寝袋
・エアーマット
・三脚
・防寒着
・使い捨てカイロ
今回のパッキングでこだわったのは、シート下ラゲッジと容量25Lのシートバッグで持っていけるものだけを持っていく。そのうえで、必要以上に物を減らさない、ということ。
だから椅子やテーブルもちゃんと持っていきました。にもかかわらず、買い出し後の食料を入れるスペースまで残っていたのです。
カップ麺とかじゃなく、ちゃんと鍋で料理もしたんですよ。
キャンプ地は、静岡県浜松市の秋葉神社前キャンプ場。星きれいだったなあ。
久々のソロキャンプ。テントを張って、焚き火をおこして、ご飯を作って食べたら、やることがなくなりました。
そう、ここからがソロキャンプの醍醐味。焚き火をいじくりながら、ビールを飲んでボケーっとする至福のひとときです。
今回は欲張りました。積載スペースに余裕があったので、こんなものも携行していたのです。
将棋セット! 駒台付き!
プロ棋士の棋譜を並べたり、ライバルとのシミュレーションをしたりと、ひとりの時間を満喫しました。
ただ、気づくとめちゃくちゃ冷えてきた。観測できた一番低い気温は0.6度。
羽生善治先生の有名なエピソードのひとつに「勝ち筋が見えると指す手が震える」というがあるんですが、僕は普通に全身震えていました。
翌朝、霜が……。
けど、快晴!!
荷物がコンパクトになると何がいいか?
第一の理由は、乗車時の安全性・快適性ですね。今回、窮屈感はゼロ。重さも意識するほどではなく、いたって普通に走れました。
そしてもうひとつ大きな理由があります。
設営・撤収が早い、楽!
キャンプツーリングで何が面倒かって、翌朝の撤収なんですよね。設営はまあテンション高めに楽しみながらできるものの、撤収のかったるさと言ったら……。
それが今回は、大嫌いな撤収すら楽しめました。食料もなくなったので、よりすっきり。
シート下のラゲッジスペースはほぼ何も考えずどんどん詰めていっちゃえるので、こんな楽なことはありません。
バッグの方も細かいものを詰めていくだけの簡単なお仕事。撤収に実質かかった時間はテントの分解や、食器の洗浄などを含めて、25分ってところ。
片付けている時間より霜と夜露でびしょびしょになったテントを干している時間のほうが長かったくらいです。
ADV150が叶えてくれたスマートキャンプ。キャンプ歴15年を迎えていま、新たな扉が開いた気がします。こんなに手軽だったら、毎週でもキャンプに行きたくなっちゃいますね。
そういう意味でもこのバイク、旅の相棒としてすこぶる優秀ですよ。
文・写真:西野鉄兵
Honda ADV150 主なスペックと価格
全長×全幅×全高:1,960×760×1,150mm
ホイールベース:1,325mm
最低地上高:165mm
シート高:795mm
車両重量:134kg
エンジン形式:水冷4ストOHC単気筒
総排気量:149cc
ボア×ストローク:57.3×57.9mm
圧縮比:10.6
最高出力:11kW(15PS)/8,500rpm
最大トルク:14N・m(1.4kgf・m)/6,500rpm
燃料タンク容量:8.0L
変速機形式:無段変速式(Vマチック)
タイヤサイズ(前・後):110/80-14M/C 53P・130/70-13M/C 57P
ブレーキ形式(前・後):シングルディスク・シングルディスク
メーカー希望小売価格(消費税10%込):45万1,000円
前回のレポートでは、最高速が判明! 実燃費の計測と足つき性チェックも行ないました!
webオートバイ編集部員・西野のキャンプツーリングインプレ
もし将棋好きの方がいましたら、こちらをぜひ読んでいただきたいです!
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