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頂点に君臨する贅沢に浸る ベントレー・ベンテイガ EWBへ試乗 ミュルザンヌの代り役

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頂点に君臨する贅沢に浸る ベントレー・ベンテイガ EWBへ試乗 ミュルザンヌの代り役

ホイールベースを180mm延長したEWB

大金持ちやVIPの移動手段といえば、ボディの長い豪奢なリムジンが定番だ。ラグジュアリーSUVの人気で選択肢が増える状況にあっても、リムジンといえるようなモデルは存在しなかった。

【画像】SUVのリムジン ベンテイガ EWB 競合のマイバッハとロールス 最新レンジも 全114枚

ランドローバーは、レンジローバーにロングホイールベース版のLWBを用意していたが、リムジン並みの高級感は備えていなかった。そんな空白地帯に向けて、ベントレーはベンテイガにEWB(エクステンデッド・ホイールベース)を投入した。

これまでも最高級SUVといえたベンテイガだが、ホイールベースを180mm延長。従来以上にリアシート側の空間へゆとりが生まれている。

そのリアシートも、一般的な3名がけベンチシートだけでなく、2名がけの独立シートを指定できる。さらにビジネスクラス級の移動をお望みなら、英国では8395ポンド(約138万円)の追加で「エアラインシート」という特別なものも選べる。

このシートは、量産車に搭載されるものとして過去最も快適といっていいだろう。角度などの調整域も、前例がないほど大きい。

何しろ、このベンテイガ EWBは、2020年に生産が終了したベントレー・ミュルザンヌに代わるポジショニングも目指されている。ベントレーのフラッグシップとして考えれば、納得の豪華さではある。

0-100km/h加速4.5秒 アクティブ後輪操舵は初

当初用意されるパワートレインは、通常のベンテイガに搭載される、最高出力549psの4.0L V型8気筒ツインターボエンジンのみ。V6エンジンと電気モーターが組み合わされた、プラグイン・ハイブリッドも追って登場予定にある。

シャシー技術に不足はない。アクティブ・アンチロールシステムや、ベンテイガでは初採用となるアクティブ後輪操舵など、盛りだくさんだ。

果たして、そのドライビング体験は標準ホイールベースのV8エンジン版と大差ない。スポーティにサウンドを響かせるベンテイガ Sとは対局的な、威風堂々とした風格を放つ。

とはいえ動力性能に不足はなく、0-100km/h加速は4.5秒。ボディの延長で車重が約100kg増えたことにより、同じV8のベンテイガより0.1秒だけ遅れる。

運転手がその気になれば、周囲を驚かせる勢いでの疾走もいとわない。スポーツ・モードを選ぶとアンチロールシステムが引き締まり、コーナーでのボディロールが最小限に留められる。大柄なSUVでありながら、唸るほど操縦性はいい。

しかし、ベンテイガ EWBのコンセプトにはコンフォート・モードの方が合致する。ソフトなエアスプリングが、アスファルトの不整を見事になだめてくれる。

至って快適なエアラインシート

このクルマの場合は、リアシート側の印象が重要。実際に座ってみると、ロールス・ロイス・カリナンやレンジローバー LWBより空間の前後長がある。全体的にゆとりがあり、広大といいたくなる。

エアラインシートは、ファーストクラスのように完全なフラットにはならないものの、背もたれは40度までリクライニング可能。ふくらはぎ部分のオットマンも立ち上がり、前身を委ねられる。邪魔なら、助手席を前方へ寄せることもできる。

このエアラインシートを装備すると、指定した温度環境を自動的に保つマルチゾーン・クライメートコントロールも付く。乗員周辺の温度や湿度を細部に監視し、ヒーターやクーラーを稼働させ、快適な状態を保ってくれる。

試乗時は至って快適で、その機能が働いていることに気が付かなかった。この、乗員へ気付かせない仕事こそポイントといえる。ほかにも、マッサージや姿勢改善機能と呼ばれるものも搭載される。

一方で、些細なマイナス点もある。まず、SUVはサルーン・ベースのリムジンより全高や着座位置が高いため、コーナリング時に発生する横方向の力が乗員へ強く掛かりがち。リアシートの快適性を保つには、従来より優しくカーブを曲がる必要がある。

また、リアシートの空間の前後長が広くなったおかげで、フロントシートの背もたれに内蔵された折りたたみ式テーブルが遠く使いにくい。メルセデス・マイバッハGLSのように、アームで手前に展開されるとベターだ。

頂点に君臨するSUVの贅沢さに浸る

ベンテイガ EWBの広い車内空間は感嘆するほどだが、伝統あるミュルザンヌの直接の後継車にはなりにくいかもしれない。より速く動的能力に長けているものの、同水準のラグジュアリーさまでは得られていないようだ。

それでも、EWB版は標準ホイールベースのベンテイガより確実に見栄えがする。V8エンジンのサウンドは控えめながら、頂点へ君臨するSUVの贅沢さに浸ることができるのは間違いないだろう。

英国価格はオプションレスで21万1300ポンド(約3486万円)から。試乗車は22万2570ポンド(約3672万円)だった。この贅沢には、かなりの追加料金が必要になることもご承知おきを。

ベントレー・ベンテイガ EWB アズール・ファーストエディション(欧州仕様)のスペック

英国価格:22万2570 ポンド(約3672万円)
全長:5305mm
全幅:1998mm
全高:1739mm
最高速度:289km/h
0-100km/h加速:4.5秒
燃費:−
CO2排出量:−
車両重量:2500kg(予想)
パワートレイン:V型8気筒3996ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:549ps/6000rpm
最大トルク:78.3kg-m/2000rpm
ギアボックス:8速オートマティック

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