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オーナー心は複雑な「ブタケツ」の愛称! スター「ケンメリ」の陰に隠れた日陰の「ローレル」物語

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オーナー心は複雑な「ブタケツ」の愛称! スター「ケンメリ」の陰に隠れた日陰の「ローレル」物語

ケンメリが偉大過ぎて過小評価の2代目ローレルを振り返る

 1972年に登場した2代目ローレル。このC130型はC110型スカイラインの姉妹車であり、つまりは「ケンメリ」と姉妹関係にある。だがスカイラインはすでにブランドが確立されており、老若男女問わず認知されたモデル。昔からスカイラインは特別であり自由の象徴であり、当時のヒエラルキーで言えば平社員がサニー、課長がブルーバード、部長がスカイランとはならずにローレルとなる。

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 なぜなら、社長がセドリック(セドリックスペシャルの後継車が初代プレジデント)だから、学生からおじさんまでが好きなスカイラインは別格として、ブルーバードとセドリックの間にはどうしてもローレルの存在が必要だった。さらに付け加えれば、スカイラインとグロリアはプリンス自動車で生まれた車種であり、日産からしてみれば他所のブランド。それゆえにローレルの名前が日産にとっては重要なのだ。

当時のアメ車を彷彿とさせるリヤスタイルが「ブタケツ」の由来

 そんな折に登場した2代目ローレルは、見事なまでに上級なサルーンであった。「ブタケツ」の愛称はどうやらリヤのコンビランプがバンパー内にまとめられたことが由来らしいのだが、愛称とは意外とそんなもの。トヨタのクジラクラウンやダルマセリカなどなど。なんで? と若い人は思うかもしれないが、そんな時代だったと思ってほしい。クルマが共通の話題だった時代は、いろいろな愛称が飛び交ったものだ。余談だが、筆者がピアッツァに乗っていたころは、「お前のイチジクさぁ」なんて言われたものだが、マヨネーズの容器に似ているからマヨちゃんと自分で愛称を広めていたほど。

 話をブタケツに戻すと、とくにCピラーからトランクの下端まで下がるスタイリングは、アメリカ車の影響を感じさせ、この時代は欧州よりも北米のデザインに大きく影響を受けていたと思う。そして後のレパードJフェリーや、U13ブルーバードに影響を与えたのではないかと思うほど流麗で、海外のトレンドやマーケットを意識していたのかもと想像させる。

ケンメリと差別化を図ったスクエアなテールランプをデザイン

 トランクリッドが大きく開くところが当時としては珍しく、実用性と個性を感じさせ、ナンバーをバンパー下に配したワイド感を演出するテールまわりは洗練されていてスポーティだった。誰もが知っている、サークルテールのスカイラインに対しての差別化は十分に図られていたと言える。近年エンブレムが違うだけのOEM車が多数ある時代からみると、本気度が違うことを思ってしまう。販売台数はスカイラインが上回まわるかもしれないが、ローレルにはローレルの生き方があるのだ。そんな印象だ。

 フロントまわりやサイドを見ると、フロントは当時定番のアイアンバンパーにナンバープレートに置いた定番スタイルながら、少しだけ前側に曲線を見せるボンネットが新時代を感じさせる。サイドはヘッドライトからリヤフェンダーに下がるキャラクターラインと、ドアハンドルから後部にかけてCピラーを受け取るように上がっていくラインも印象的。まるで車体後部全体でオーバーフェンダーと見せるようなスタイリングは、サーフライン(サーフィンライン)で名を遺したスカイラインに負けない力強さがあった。

 人気を集めた理由を考えると、ローレルはスカイラインと名乗らなかったことが最大の理由ではないだろうか。スカイラインを名乗らなかったゆえに販売台数は決して多くなかったが、スカイラインじゃないからと欲しがる天の邪鬼も大勢いたことだろう。また人気モデルではないため、王道スタイルを気にすることなく、どう改造しようが自分次第であった。

多彩な排気量の直4&6の名機「L型」エンジンを搭載

 エンジンはプリンス自動車の流れを汲む、直4のG型1.8Lと2.0Lに加えて、当時の日産の定番エンジンである直6のL型を中心に搭載。2.0Lでもツインキャブなどを備えたほか、マイナーチェンジでは3ナンバー化された2.6Lエンジンを搭載した。環境対応で2.8Lエンジンや電子制御燃料噴射仕様が追加されて、モデルライフ中にさまざまな変更が施された。 トランスミッションは3速ATもあるが、4速及び5速MTが主流で、前輪ストラット式、後輪がセミトレーリング式の四輪独立懸架を採用したこともあり、走りのモデルとして人気となる。まさに売れすぎるスカイラインは欲しくないというユーザーの受け皿となった。それは結実して、ローレルはスカイラインの姉妹として8代目まで続く。

日陰の存在だったブタケツだが旧車ブームで再評価!

 スカイラインはいわば有名人的な存在で人気を集めた、知名度も高い日本を代表するクルマだ。逆にローレルは後発となるため、自由に発展して存在感を高めて多くのユーザーに愛されていった。スカイラインの名は現在も存在しているが、ローレルは8代目で終了となり、その歴史の幕を閉じることになる。元プロ野球の名選手であり名監督でもあった故・野村克也さんのコトバで「王や長嶋はヒマワリ、わたしはツキミソウ」という名言があったが、スカイラインとローレルはまさにそんな関係だったのではないだろうか。

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みんなのコメント

13件
  • 2代目ローレルは不人気車ではなかったし、大ヒットしたケンメリと相対的に見ての表現にしても「日陰の~」とは言い過ぎの気がします。
  • 免許をとった頃、8年落ちのケンメリに乗っていたけど
    同じぐらいローレルも人気でしたよ。
    むしろ中古車価格はローレルのほうが高かったような。
    決して日陰ではないと思いますが。
    街道レーサー(懐かしい)らにも人気だった。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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