■まったく古びてない!
2022年1月17日に新型レンジローバー(L460)の日本導入が発表され、同日に受注開始となった。5代目となる新型レンジローバーは、「MLA-Flex」と呼ばれる完全新開発のアーキテクチャーを採用し、ICEとPHEV、BEVなど、あらゆるパワートレーンに対応可能となっている。
まだ新型は日本国内で試乗出来ないので、今回改めて先代レンジローバー(L405)に試乗してみた。試乗車は2021年モデルのオートバイオグラフィーPHEVのSWB。ハイブリッドシステムは、300馬力/400Nmを発揮する2L直4INGENIUMガソリンターボに、105kW(124馬力)と275Nmを発揮する電気モーターを組み合わせたもので、システム合計では、最高出力が404馬力、最大トルクは640Nmである。新型のPHEVであるP440eと比較しても、スペック的には遜色ない。
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ボディサイズは全長5005mm、全幅1985mm、全高1865mmで、新型と比較すれば若干小さいが、それでも十分に大きい。2920mmのホイールベースも新型のSWBより80mmほど短いものの、たっぷりとした長さで、狭い路地を通るときなどは気を遣う場面もある。ちなみに新型は、新開発のAWS(オールホイールステアリング)を採用し、低速域での取り回し性の向上と、高速域におけるスタビリティ向上が図られている。
走り始めは電気モーターによるEV走行である。車両重量が2640kgもあることを考えると、124馬力と275Nmでは心許ないと思うかもしれないが、そんなことはない。市街地を走るには十分な力強さで、ストップ&ゴーが多い都内でもまったくストレスを感じない。リチウムイオンバッテリーは13.1kWhと小さいので、航続距離は最大41.4km(WLTCモード)と短いが、自宅で充電出来る人なら日常の足としてはほぼEV走行でこと足りるだろう。
ハイブリッド走行で2L直4ターボが回っている状態では、文句なしにパワフルだ。これほどの巨体をわずか6.8秒で100km/hまで加速させるのだから、相当に豪快である。素直で正確なハンドリングや、この上なく上質な乗り心地は、まさに最上級SUVに相応しいレベルで、CO2排出量削減を狙ったPHEVだからといって、走りや快適性の点で我慢を強いられることはまったくないと言っていい。
デザインもまったく古びていない。先代モデルも新型と同じく、デザインはジェリー・マクガバン氏が全体を統括しているだけあり、余計なラインを省いたデザインテイストは新型と共通している。新型と並べて見比べれば新型の方がよりモダンで、ラグジュアリーな雰囲気も一層高まっているが、先代も十分に満足できるだけの高級感を携えている。モデル最末期にして、改めてL404型レンジローバーの完成度の高さに感心させられた。
今回試乗したPHEVは2018年に設定されたものだが、4代目レンジローバー自体は2012年秋のデビューと、10年前に登場したモデルであることを考えると、いまだにこれほどの実力を備えていることに感動を覚えたほどだ。まさに今「新型です」と言われてもまったく驚かないだろう。今から先代を買っても、完全に満足できるはずだ。
残念ながら、先代レンジローバーは新型が発表されたことでランドローバーの公式サイトからすでに消えている。だが、コロナ禍の半導体不足も影響し、納車は先になる可能性が高い。それならば、もしかしたらまだ先代の在庫車があるかもしれないし、認定中古車を探してみるのもオススメである。
<文=竹花寿実 写真=山本佳吾>
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みんなのコメント
記事にする程では無い!
ついでに売却時はショックを受ける事も書くべきだ!
カーナビを多用する人は、イライラすると思う。