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ホンダ新型「ステップワゴン」正式発表! 7年ぶりに全面刷新で「原点回帰」した6代目! 何が進化した?

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ホンダ新型「ステップワゴン」正式発表! 7年ぶりに全面刷新で「原点回帰」した6代目! 何が進化した?

■やっと正式発表! 新型ステップワゴンはどんなクルマに進化したのか?

 ホンダの日本向けラインナップのなかで軽自動車以外では数少ない国内専用モデル(一部海外向けあり)となるステップワゴン。
 
 2022年5月26日に6代目となる新型ステップワゴンが正式発表され、翌27日より発売します。7年ぶりのフルモデルチェンジとなりますが、どのような進化を遂げたのでしょうか。

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 初代はオデッセイ/CR-Vに続く、乗用系のプラットフォームを用いた「クリエイティブムーバー(生活創造車)」の第3弾として登場して、FFレイアウト/四角いシンプルなスタイル/戦略的な価格などが功を奏して大ヒット。

 その成功を目の当たりにしたライバルメーカーもこぞってこのジャンルへと参入。日本のミニバンブームを生み出した張本人といっても過言ではありません。

 そこから世代を重ねていきますが、先駆者でありながらも、過去を振り返らないホンダの悪い癖が出てしまったり、ライバルの動きに合わせて右往左往してしまったりと、コンセプトは次第にブレブレに。それは販売台数にもしっかりと表れていました。

 そうしたなかで、6代目の開発陣は「ステップワゴンはどうあるべきか?」を改めて考えたそうです。

 そこで出した結論は「原点回帰」でした。つまり、初代が掲げた「クルマが主人公ではなく、家族が主人公」の現代的解釈になります。掲げられたグランドコンセプトは「素敵な暮らし」、つまり「人に寄り添うこと」でした。

 では、新型はどのようなクルマに仕上がっているのでしょうか。

 エクステリアは、初代をオマージュしながらも現代的なトレンドを抑えたプロポーションはズバリ「シンプルでクリーンな“箱”」といった印象です。

 ミニバンは寸法的制約からデザイン代が少ないことを逆手に取り、「カッコいい箱を作る!!」というデザイナーの発想から生まれたスタイルだといいます。

 フロントマスクは若干「N-BOX」っぽさを感じるもののミニバンではお決まりの大きなグリルは採用せず、最新のホンダデザイン共通のホノボノ系となっています。

 リア周りは左右の縦長ランプ、広いドアオープニング、シンプルなバンパー回りなど、初代をオマージュしているのは明らかでしょう。

 グレード展開はノーマル改め「Air(エアー)」と「SPADA(スパーダ)」の二本立てとなっています。

 Airは従来の「エアロを外した安いやつ」からの脱却を行なう挑戦のひとつで、ノイズレスでシンプル&クリーンなデザインが特長となっています。

 エアロレスだとレンタカーご用達と思われがちですが、質感を損なわずに初代のイメージを上手に盛り込んだコーディネイトは街中では新鮮に見えるかも。シンプルなデザインをより引き立てるクールな専用色フィヨルドミスト・パールがお勧めです。

 SPADAはいわゆるエアロ系グレードですが、ライバルのオラオラ系とは違って品格あるスポーティさを重視したデザインが特徴となっています。

 Airに対してフロントオーバーハング+20mm、リアオーバーハングは+15mm長いのはデザインのためで、伸びやかさ&力強さのために活用しているそうです。

 さらに専用加飾や17インチアルミホイール(無限のホイールに似た意匠)などをプラスされたスパーダの上級仕様・プレミアムラインも設定。

 こちらは“プチ”エリシオンのようなプラステージ性が備えられています。こちらはスパーダ伝統カラーの専用色・ミッドナイトブルービーム・メタリックがお勧めです。

 インテリアもエクステリア同様にシンプルで機能的に仕上がっています。インパネ周りは最新ホンダ車の特徴となりつつある水平基調でノイズレスなデザインをミニバン流に解釈した物ですが、シビックで採用された空調グリルと加飾が一体化されたアウトレットメッシュを採用するなど、ちょっとしたアソビ心も。

 ただ、「シビック(ハイブリッド)」と同じメーターデザインはインテリアとのマッチングを考えると少々事務的なデザインが残念です。

 視界の良さも新型の特徴のひとつで、死角を減らすためのフロントピラーの工夫や車高感覚を掴みやすいボンネットフードの見え方はもちろん、2列目/3列目からの視界にもこだわったパッケージになっています。

 特等席となる2列目は新たな仕掛けをプラス。キャプテンシート仕様は超ロングスライド機構と中寄せスライド機能を備え、さまざまなシーンで活用できる多様性をプラス。

 3列目はシアターレイアウトやヘッドレストの工夫などで、絶対的な広さに加えて解放感ある空間になっているのは嬉しい進化のひとつでしょう。

 インテリアコーディネイトはAirがソファーのような生地、SPADAは合皮。さらに上級仕様となる「「SPADA PREMIUM LINE(スパーダプレミアムライン)」はスエード調+プライススムースを用いて独自の世界観を演出しています。

 個人的にはAirのカジュアルなのに質の高いコーディネイトはデザイナー家具を彷彿とさせ、いい意味でクルマっぽくない空間に感じました。

 先代の注目装備のひとつであった「ワクワクゲート」は新型では廃止です。後方視界やリアゲートの重さなどが課題だったようですが、実際に使っている人は意外と重宝しているという話を聞くと、諦めがちょっと早すぎな感もします。

 個人的にはゲートの軽量化(カーボン製など)やスマートルームミラーの活用などで進化してほしかったです。

■新型ステップワゴンはどんな乗り心地なの? 実際に乗った印象は?

 では、新型ステップワゴンのメカニズムはどうでしょうか。

 最初にいっておきますが、パワートレイン/プラットフォーム共に先代の進化版です。

 先に登場したトヨタ新型「ノア/ヴォクシー」の刷新っぷりと比べると少々ガッカリという人もいるでしょうが、心配は無用です。

 最近のホンダは「過去を振り返らず、刷新」から「今あるシステムを最大限使いこなす」という熟成方向の考え方に変更しています。

 つまり、先代での課題や反省をシッカリと受け止め、新型で完成形となるような進化をおこなっているというわけです。

 エンジンはガソリン車が1.5リッター直噴ターボ。ハイブリッド車が2リッター自然吸気+2モーター「e:HEV」の2タイプですが、どちらもシッカリ進化しています。

 ガソリン車はエキゾーストマニホールドやターボの改良による過給応答性アップでドライバビリティ向上。駆動方式はFFに加えてAWD(リアルタイムAWD)を設定。

 ハイブリッド車はエンジンのクランク剛性アップやクランクダンパープーリーの採用などにより静粛性アップ(5dB低減)に加えて、制御系の変更でモーター/バッテリーをより積極的に活用するセットアップにすることで、“電動車感”をより強めています。

 ただ、残念なのは駆動方式がFFのみで「フィット」や「ヴェゼル」で評価の高い「ハイブリッド×AWD」の設定がないことで、商品性の観点で見るとかなり辛いところです。

 車体の進化はミニバンのウィークポイントである車体剛性アップがおこなわれています。具体的にはミニバンの弱点のひとつであるサイドシルの断面大型化、スライドドア開口部への構造用接着剤の塗布、リアスプリングの取り付け点強化などを実施。

 体幹を鍛えた車体に合わせて最適化されたサスペンションやAHS(アジャイル・ハンドリング・アシスト)、EPS制御などにより、ドライバーだけでなく乗員全員が心地よいダイナミクスを実現。

 さらに3列目でも快適な静粛性を目指し、吸音材・遮音材・遮音アンダーコート、遮音強化カーペットなどを適材適所に採用しています。

 もちろん、運転支援システムも大きく進化しており、ハード/ソフト共にレベル3を実現したレジェンドに採用されたホンダセンシングエリートのテクノロジーをフィードバックした“新世代”ホンダセンシングを搭載。

 残念なのはネーミングで、個人的には「バージョン2」や「2.0」といったように、従来品とは性能が格段にアップしていることを、もっと積極的にアピールしたほうがいいと思います。

 今回発売に先駆けて、ホンダの栃木テストコース内でほんの少しだけ試乗することができました。

 その印象は「ミニバン以上プレミアムミニバン未満」といった走りで、最大のライバルとなる新型ノア/ヴォクシーよりも“いいモノ感”は高いと感じました。

 具体的には軽い操舵力ながら芯が強くシッカリ感の高いステア系、凄くかっちりしているわけではないが弱い所が少なく剛性に連続性がある車体、初期応答よりも連続性を重視した素直で滑らかなハンドリング、全高を感じさせない自然なロール感、フワフワではないがシットリした足の動きと吸収性でショックを優しく包み込む乗り心地などなど。

 実は新型ステップワゴンの試乗直後に「オデッセイ アブソルート」に乗る機会があったのですが、基本素性では不利なステップワゴンながら負けず劣らずの実力であることを実感。

 クルマの試乗は第一印象が非常に重要ですが、新型ステップワゴンはいい印象ばかりが記憶に残ったので、公道試乗が楽しみです。

 最後に、多くの人が気になる価格はAirが299万8600円から340万4500万円、SPADAが325万7100円から366万3000円、SPADA PREMIUM LINEが346万2800円から384万6700円です。

 ライバルと比べると若干高めの設定ですが、その理由はパワートレイン/駆動方式/乗車定員以外はモノグレードで価格訴求のようなスッピン仕様が存在しないためです。

 ライバルと同じ装備内容のグレードで比べてみると、いうほど割高ではないことが解ってもらえるはずです。

 このように、ライバルとはちょっと違った方向を目指しはじめた新型ステップワゴン。この挑戦にユーザーはどのような評価するか、非常に楽しみです。

※記事初出時より、小見出しの一部を訂正いたしました(26日午後18時00分)

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