さる2019年1月31日、ホンダのコンパクトSUV「ヴェゼル」に1.5リッター直列4気筒VTECターボ・エンジンを搭載するモデル「ツーリング・ホンダ センシング」(以下ツーリング)が新たに設定され、同日発売された。
3代目フィットのプラットフォームを使って、「SUVの力強さ、クーペのあでやかさ、ミニバン並みの使い勝手など、ジャンルの枠を超えた価値を高次元で融合したクルマ」たるべく開発されたヴェゼルは、2013年12月に国内発売となるや、たちまちニッポンで1番売れるSUVになった。
筆者が住む東京郊外でもまことによく目にするようになったのは2015年頃のことである、たぶん。2018年12月までの5年間で累計37万7000台を販売、全世界では累計260万台に達し、ホンダ内部でも、シビック、アコード、フィット、CR-Vに次ぐグローバルカーと位置づけられている。
2018年2月に「ビッグマイナーチェンジ」を受け、クロームの目立つグリルとLEDヘッドライトが採用されたほか、安全運転支援システム「Honda SENSING」が全車標準装備となった。このとき掲げられた月販目標は5000台で、結果、2018年1月~12月の数字はというと、5万9629台に終わった。まことに残念ではありますが、コミットメント経営であれば、ハラキリである。
そのビッグマイナーから1年も経たないうちに追加された「ツーリング」は、ようするにテコ入れという意味合いもあるはずだ。実際、試乗会での技術解説によれば、SUV市場のニーズの変化というものがあって、静粛性や乗り心地、ハンドリング、走行安定性、加速等のエンジン性能が求められているという。そのニーズに応え、新たな選択肢をつくってヴェゼルの魅力を幅広いものにせむとしたのがツーリングである。
エクステリアはLEDヘッドライトがブラック塗装され、かつ排気パイプが2本出しとなってスポーティさが演出されているほか、ボディ剛性の向上が図られている。じつはこれ、欧州用に開発されたボディと足まわりをそのまま使っているのだという。大いに期待させるではないか。
1.5リッター直列4気筒直噴VTECターボはステップワゴンやシビックで採用されているエンジンを専用チューンしている。最高出力172ps/5500rpm、最大トルク220Nm /1700-5500rpmという数値は、ステップワゴンの150ps、シビックの182psの中間といえる。ターボ化によってNA比、パワーにして31%、トルクにして42 %もアップしている。ギアボックスはCVT、駆動方式はFFのみである。
ツーリングの追加により、ヴェゼルは1.5リッター+電気モーターのハイブリッド仕様と1.5リッターNA、それに1.5リッター・ターボの3種類のパワーユニットを持つことになる。前述したようにターボはFFのみだけれど、それ以外には4WDも選べる。
では、いざツーリングの試乗へと参りましょう。第1印象は“おとなっぽい”ということだ。むやみにスポーティさを強調するのではなくて、パワーとトルクの余裕を上質感の醸成にまわしている。中低速トルクがあるから、まわす必要がない。当然、車内は静かである。
乗り心地は低速でややゴツゴツするけれど、225/50R18サイズのタイヤを履くSUVとしては、SUVらしさを感じさせる演出として許容できる範囲で、とりたてて不満はない。
ハイブリッドの「RS」というFFのみのスポーティ・グレードと較べて、微妙にツーリングのほうが上質に感じる。ボディ剛性が高い分、あるいはツーリングのミシュランに対し、ダンロップという違いによるものか、ボディの動きはツーリングの方が小さい。
速さ的には、最高出力132ps、最大トルク156Nmを発揮するガソリンエンジンと最高出力29ps、最大トルク160Nmを発揮する電気モーターを組み合わせたハイブリッドとそう違わない。どっちを基準にして褒めるのかは微妙なところだけれど、筆者としてはハイブリッド、意外にやるじゃん、と思った。ホンダのハイブリッド、i-DCD(インテリジェント・デュアル・クラッチ・ドライブ)はスポーティ志向なのだ。
ただし、ハイブリッドに搭載の1.5リッターの自然吸気エンジンがあまりいい音を発しない。回転を上げていくと、途中でちょっと濁っちゃう。スポーティなサウンドという点で、ピュア内燃機関に私は軍配をあげる。ツーリング専用に仕立てられたCVTも、ドライバーの感覚にわりあいマッチしていて、入力に対する応答に大きな違和感はない。よくできている。
総じて、「ツーリング」と名づけられた理由がよくわかる。ヨーロッパ仕様のおとなっぽいヴェゼルを手に入れたいひとに向いている。イギリス仕様にはある6速マニュアルもあると……と、無責任な意見ながら、特別感がグッと増してマニア受けもするのではあるまいか。ゴージャスなブラウン内装はトラッドなイギリス車風で、好きなひとには大いにアピールするだろう。価格は290万3040円。オプションの本革シートを装備した試乗車は328万6440円と、ひと昔前とは異なり、最近のメイド・イン・ジャパンは先進諸国に見合ったお値段になっている。
「いっそタイプRをつくったらどうですか?」と、試乗後にエンジニアのかたに申し上げたのだけれど、相手にされなかった(涙)。ボーイズ・ビー・アンビシャス。私はめげない。
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