「デートカー」の代名詞
1980年代後半から90年代に青春時代を送った若者にとって、クルマは恋愛の必須アイテムでした。「オレ、クルマ出すよ」とか、「送っていこうか?」などといった言葉が、現在では信じられないくらい威力を持っていたものです。週末のドライブデートを夢見て、コツコツとローンを払いながら手に入れる若者の憧れのクルマ、いわゆる「デートカー」の代表モデルのひとつが、日産「シルビア(S13)」でしょう。
「ツインターボ」を聞かなくなったワケ 時代と共に変化し続ける「ターボ」という技術
5代目「シルビア(S13)」は、プロジェクター・ライトを採用するすっきりしたフロントフェイスと流麗なラインを誇る、おしゃれな2ドア・クーペ(日産では「スペシャリティカー』と表現)へとフルモデルチェンジして、1988(昭和63)年に登場しました。
リトラクタブル・ライトを備える4代目「シルビア(S12)」からガラリと変わったデザイン性の高さは、同年の「グッドデザイン大賞」や「1988 1989年日本カー・オブ・ザ・イヤー」受賞という実績でも証明されています。また、低めの車高と暑苦しくない外見で、女子たちにも高い評価を受けたものです。
「一応、『K's』だし」
カラーリングも秀逸でした。ある程度品が良く、でも渋くなりすぎない絶妙なラインナップで、特にイメージカラーのライトグリーンやライトブルーとブラックの2トーンは印象に残っています。女子としては、原色ボディカラーには合わせる洋服が難しいため、「シルビア」でのデートならファッションの幅が広がるという嬉しい面がありました。
初期型のエンジンはCA18型の1800cc直列4気筒DOHC(1991〈平成3〉年のマイナーチェンジではSR20型の2000ccにパワーアップ)を搭載。シンプルな「J's」、装備が豪華な「Q's」、ターボを採用した「K's」というグレード名の響きもよかったです。バイト終わりのお迎え待ちの群れでは、「彼氏、なに乗ってるの?」「あ、『シルビア』。一応、『K’s』だし」といったような会話が交わされたものです。
さらに、あの見た目でFR(フロントエンジン・リヤドライブ)という駆動方式が秀逸でした。多くの女子には、「『走り屋』はイヤだけど、『運転上手』なのがいい」という思いがあります。大黒ふ頭で祭ってほしくないけど(注:当時、大黒PAは改造車が集まり、愛車を見せ合う「聖地」となっていました)、首都高でバカにされないレベルの走りをして欲しい、という乙女心に、絶妙なポテンシャルでした。
華麗な乗降は女子の「たしなみ」
個人(下高井戸ユキ:ライター)的には、何よりよかったのはインテリアです。特に、あのシート。どんな服ともケンカしないカラーのファブリックと、座面に余分な段がないすっきりしたデザインは、「助手席映え」と乗り降りのしやすさを支えてくれる強力な味方でした。
「ドライブデート」が大切な位置を占めるあの時代、「いかに華麗にクルマの乗り降りをするか」は、大切な女子のたしなみだったのです。片手を彼氏に預けながら、身体、頭、足の順にひらりと助手席へ収まるたびに、何人の女子があのシートに感謝したことでしょう。まあ、慣れれば訓練次第で、バケットシートだろうが、ガッチガチにロールバーが入っていようが、スリット入りのミニスカートにヒールがっちりのストレッチブーツでもスムーズに乗れるようにはなるのですが。ちなみに、華麗な乗り降りを見せつけたい相手は彼氏というわけではなく、彼氏の友達の彼女、つまり、女性目線を意識してのことだったりします。
青春の思い出が詰まった5代目日産「シルビア」。その誕生の翌年、1989年には、R32型日産「スカイラインGT-R」、ホンダ「NSX」、「ユーノス・ロードスター」、「レクサス(トヨタ『セルシオ』)」が登場する、まさに日本車黄金期となりました。
「シルビア」は、その時代を代表する、甘酸っぱいメモリー・アイコンとして、今も語り継がれるモデルとなっているのです。
【写真】日産「シルビア K's」のインパネまわり
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