パーディ選手は一時トップを走行するも……
アメリカで大人気のストックカーレース「NASCAR(ナスカー)」の3大シリーズのひとつである「CAMPING WORLD TRUCK SERIES(トラックシリーズ)」。服部茂章代表率いる「Hattori Racing Enterprises(HRE)」は、若手ドライバー2名を擁して、2台のトヨタ・タンドラで参戦している。シリーズはすでにプレイオフ戦に入っており、残念ながらHREの今季のプレイオフ進出はならなかったものの、シーズン最終戦まで挑戦を続けている。
HREは2台とも上位フィニッシュならず! 第20戦「UNOH 200 presented by Ohio Logistics」のレポート【NASCARトラックシリーズ2022】
その第21戦となる「Chevrolet Silverado 250」は、アラバマ州北東部にあるタラデガ・スーパー・スピードウェイで開催となった。このトラックは1周2.66マイル(4.28km)のトライ・オーバルとなっており、そのバンク角33度はナスカー開催サーキットでもっとも深いバンクとなる。レース中はブレーキをほぼ使わない超接近戦となり、車両が連なる姿形からドラフティング・トレインと呼ばれる状況が続く、まさにドラフティング合戦が繰り広げられるコースである。
アンクラム選手は最終的に10位を獲得
今回HREの2台のタンドラは、61号車に栃木トヨタ自動車と福島トヨタ自動車の2社のロゴの入ったカラーリングが施された。その「#61 Ole Miss TOYOTA TUNDRA」を操るのがチェイス・パーディ選手。そしてチームのエースナンバーである「#16 LiUNA! TOYOTA TUNDRA」を駆るのがテイラー・アンクラム選手である。
この一戦は、2022年9月30日の午後に予選、そして10月1日の午前11時半からレースがスタートする。94周で争われるレースは、第1ステージ20周、第2ステージ20周、そして最終ステージの第3ステージ制となる。
予選20番手となったアンクラム選手が駆る16号車は、10周目には11番手にまでポジションをアップ。さらにひとつポジションを上げて第1ステージを終了し、このステージコーション下でのピットストップも燃料補給だけのスプラッシュでコースに復帰、第2ステージを7番手から再開させた。この第2ステージは荒れたステージとなり、グリーンだったのは最初の3周のみ。アンクラム選手は順位をキープしたまま4ポイントのステージポイントを獲得してこの第2ステージを終了した。
ステージコーション下でのピット作業でマシンの微調整を行い、そして迎えた最終ステージは19番手からリスタート。上位勢は15台ものパックでバトルが繰り広げられ、一旦アンクラム選手は後方から様子を見ながら慎重に上位をうかがう展開に。グリーンフラッグ下の63周目に 2本のタイヤ交換を行ったタイミングでコーションフラッグが出されたことで14番手からリスタート。最後の20周ではトップ10内にポジションをもっていくことができ、終盤には6番手まで順位を上げることもできたが、最終的には10位を獲得した。
一方、パーディ選手は予選を54秒790のタイムで走り、26番手からスタート。序盤からこの超高速トラックのドラフティング合戦に積極的に加わっていき、上位グループの様子を伺いながら徐々に順位を上げていく快走を見せ、第1ステージの終わりとなる20周目には19位でチェッカーを受けた。このステージブレイクではチームが燃料補給とマシンへの微調整を施し、61号車をコースへ戻す。そして14番手から第2ステージをスタートさせる。
この第2ステージでは2度の大きなクラッシュもあり、ほぼイエロー下での走行となった。チームは第2ステージ終了間際のイエローコーション中に燃料補給とタイヤ交換を行い、第2ステージ終了のステージブレイクではコースに留まる戦略が見事に決まり、61号車は最終ステージを最前列アウト側の2番手からスタートすることとなった。
今季初のトップ5フィニッシュは幻となってしまった……
そして迎えた最終ステージのオープニング。再スタートと同時にトップに躍り出てレースをリードする。ここから52周目までは一進一退のトップ争いを繰り広げたものの54周目に他車からの接触があり、6番手までポジションダウン。
そして63周目にチームはグリーンフラッグ下でこの日最後のピット作業でタイヤ交換と燃料補給を行ったのだが、その翌周に運悪くイエローコーションが出され、グリーン下でのピット作業をした61号車は他に比べ大きくタイムロスをしたこととなる。これにより30番手まで順位を下げたパーディ選手だったが、そこから怒涛の追い上げを見せ89周目のイエローコーションまでに15番手までジャンプアップする。
ここからレースは残り2周による延長戦に入り、再スタートと同時に全車が入り乱れる優勝を懸けたドラフティング合戦が展開される。またクラッシュが起きるかと思われたが、そのクラッシュが起きないままレースは最終ラップに突入。パーディ選手は3ワイドのアウト側から順位を上げて行き、最終コーナーを7位で通過したが、スタートフィニッシュライン200m手前で上位陣による多重クラッシュが発生し、複数台が絡むこのクラッシュの混沌した中でレースが終わる。
61号車は実際には3位でチェッカーを受けたことになるのだが、NASCARの特別ルールによりクラッシュが発生した時点での順位が採用され、暫定順位では5位、そしてレース後の正式発表では7位と発表され、惜しくも61号車の今季初のトップ5フィニッシュは幻となってしまった。
NASCARトラックシリーズも残すところあと2戦。次回は2022年10月22日(土)にフロリダ州にあるホームステッド-マイアミ・スピードウェイの1.5マイルのオーバル・トラックでの「Baptist Health Cancer Care 200」。そして、11月4日(金)には最終戦となる「Lucas Oil 150」がアリゾナ州フェニックスにあるフェニックス・レースウェイで開催される。
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みんなのコメント
オーバルトラックの復活はもうないんだろうか・・・・
日本も増えればいいのに。
軽トラの荷台に3LくらいまでのNAで無制限でシリーズをやったらいい。