テスト車両で限定的にレース復帰
執筆:Damien Smith(ダミアン・スミス)
【画像】トヨタ・カローラBTCCハイブリッド【標準のカローラと写真で比較】 全69枚
翻訳:Takuya Hayashi(林 汰久也)
元BTCC王者のアンドリュー・ジョーダンは、9月25日と26日にシルバーストン・サーキットで開催されるレースに参戦するが、それは「幽霊」のような復帰に過ぎない。
というのも、ジョーダンは2022年にBTCCに導入される予定のハイブリッド技術のテストのため、トヨタ・カローラ・ハイブリッドのテスト車両に乗るからだ。一般の人々に新技術を一足先に披露し、運営も経験を積むことを目的としており、ジョーダンについては、チャンピオンシップの邪魔をしないよう厳命されているのである。
「テストに巻き込むわけにはいかないので、ピットレーンからのスタートになります」とジョーダンは語る。
「何をしていいのか、何をしてはいけないのか、完璧な説明を受けることになるでしょう。小さな文字を読まされるでしょうね……。それは、ハイブリッドを一般の人々の前で披露するためです」
「レースでは、最後尾に近い位置で予選を通過することになると思います」
BTCC責任者のアラン・ゴウは、スピードワークス・モータースポーツがコスワース・エレクトロニクスと共同開発しているハイブリッドシステムによって40psの出力アップを実現し、ラップタイムを最大15秒縮めることから、このハイブリッドマシンが最速になるはずだと予想している。
ドライバーは「テスト人形だ」
ジョーダンは、昨年のロックダウンの余波でBTCCから退いた。紆余曲折を経て費用もかさんだが、現在は父のマイクと一緒にレストアのビジネスを立ち上げることに専念している。しかし、BTCCの世界に戻って新技術をテストすることについては「面白い」と話している。
「ドライバーは、電子機器を管理する賢い人たちのテスト用の人形に過ぎません。でも、いい仕事ですから、文句は言えませんよ。レースカーを運転してお金をもらえるというのは、いつでも嬉しいものです」
「あの頃のクルマに戻って運転するのもいいものです。コーナーでのブレーキのかけ方を思い出すのは、それなりに難しいものですからね。今までと比べると、かなり遅くなっているように感じます」
BTCCでハイブリッド・パワー・ブースト機能をどのように使用するかについては、まだ詳細が決まっていないが、現在のバラスト・システムは完全に廃止され、レース結果に応じてブーストレベルのバランスを取ることになると予想される。
ジョーダンは次のように述べている。
「(ブーストの使用は)戦略的なものになるでしょう。単なるオーバーテイクボタンではなく、ディフェンスにも使えるようになるんです。もし、サクセス・バラストを廃止して、ブースト量に応じてパフォーマンスのバランスを取るようになれば、もっと大きな影響を与えられるでしょう」
「優秀なチーム、マシン、ドライバーであれば、他のチームよりも重量をうまく扱うことができますが、重量が同じでハイブリッド・ブーストがない場合は、バラストを使用したときのように悪い状況をうまく乗り切ることができません。それでも、賢いドライバーは、レース中にうまく使いこなすことができるでしょう」
BTCC復帰の可能性は?
BTCCに再び関与することで、ジョーダンは復帰に向けて動き出すのだろうか?残念ながら、それは期待できないようだ。
「わたしにとっては過去のことなんです」とジョーダン。
「今年はドライブのオファーがあったので、2、3日考えてみました。数年前であれば、『Yes』と答えて、商業的な面を整理していたでしょう。しかし、わたしは丁重にお断りしました」
「正直に言うと、忙しくて時間がないんです。BTCCで12年間活動できたことにとても満足していますし、幸せです。今でも放送されていれば見ます。興味がありますからね。でも、戻ってレースをすることにはまったく興味がありません」
「わたしは自分の時間を過ごし、今は他のことをしています。もう戻ることはないでしょう」
新しい仕事には「満足している」
32歳のジョーダンは、40台近くのクラシックカーを管理しているジョーダン・レーシング・チームの構築に力を入れている。9月には、毎年恒例のグッドウッド・リバイバルが開催され、ジョーダン親子はいつものように忙しい週末を過ごすことになる。
「父とわたしは、最初に作ったクルマであるオースチンA40を持って、セント・メリーズ・トロフィーに参加します。(ミニ・クーパーばかりの)ジョン・ホイットモア・トロフィーには、お客さん用のミニを数台持っていきます」
「それから、1963年以前のGTカーを対象とするスターリング・モス・メモリアル・トロフィーにはACコブラを持っていきます。これはマイク・ウィテカーが所有する有名なドラッグレース用のクルマで、ドラッグレース仕様からレース仕様にリビルドされたばかりです。これが最初のレースになります」
鮮やかなピンクのコブラも見逃せない。
「260エンジンだから、後のモデルほどパワフルではないんです。小さいタイヤを履いているし、ボディも細い。でも、コブラはどれも手がかかるんですよ。僕が乗るのではなく、父がマイクと一緒に乗ることになっています。注目を浴びることになるでしょう」
1950年代のホットロッドを対象とした今年のセント・メリーズ・トロフィーでジョルダンが優勝するには、少しばかり運が必要だ。しかし、結果がすべてではない。ジョーダンは、自分の好きなレースの世界にいることに満足しているのだ。
「『今日は働きたくないな』と思いながら出勤することはありません」と彼は笑う。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
日産が93.5%の大幅減益! ハイブリッドの急速な伸びを読めなかったのは庶民感覚が欠けていたから…「技術の日産」の復活を望みます【Key’s note】
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
「なんで“鳴らした”!?」 後続車の「クラクション」に“イラ”っと! 一度は感じる「ブレーキ問題」! 見直すべき“ブレーキ技術”とは
日本に世界が注目!? 公道激走バトルの「ラリー」開催! 3年目の「ラリージャパン」どんな感じ? トヨタ会長が語る
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?