43年の歴史で初の快挙!
2022年で43回目を迎えた、「日本カー・オブ・ザ・イヤー」。2022-2023のイヤーカーを決める最終選考会が2022年12月8日に開催され、バッテリーEV軽自動車の日産サクラ/三菱eKクロスEVが日本カー・オブ・ザ・イヤーの栄光に輝いた。
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最終選考に残ったのは11台
日本カー・オブ・ザ・イヤーは、日本のモータリゼーションの発展と、コンシューマーへの最新モデル&最新技術の周知を目的とし、1980年に設立。これまでさまざまなクルマが選出され、その結果は海外からも高く評価されている。
2022-2023は、最終選考に残るための10台を選出する際、第10位となったクルマの指名数が同数という結果に。日本カー・オブ・ザ・イヤーの実施規則には「第10位の指名数が同数の場合は対象車種群に加える」とあるため、11台のなかからイヤーカーを決めることになった。
10ベストカーにノミネートされたのは、下記のモデルとなる。
・スズキ アルト・トヨタ クラウン・日産エクストレイル・日産サクラ/三菱eKクロスEV・日産フェアレディZ・ホンダ シビックe:HEV/シビックタイプR・マツダCX-60 e-SKYACTIV D 3.3・BMW iX・ヒョンデ IONIQ 5・ランドローバー レンジローバー・ルノー アルカナ
投票は日本カー・オブ・ザ・イヤーの選考委員である自動車評論家、ジャーナリスト、有識者の60名が行う。最終選考に残った10ベストカーの試乗会を経て投票が行われている。日本カー・オブ・ザ・イヤーに輝いた日産サクラ/三菱eKクロスEVのほか、各賞に選ばれた各車と選考理由のコメントを下記に紹介する。
【日本カー・オブ・ザ・イヤー】
日産サクラ/三菱eKクロスEV
<授賞理由> 日本独自の軽自動車規格を採用し、現実的な車両価格でバッテリーEVを所有するハードルを下げ、日本でのバッテリーEV普及の可能性を高めた。
また本格的な脱炭素時代を前に、減少するガソリンスタンドや公共交通などの衰退も予想される状況で、軽自動車+バッテリーEVという組み合わせは、高齢者を含めた多くの人の移動の自由を担保するだけでなく、社会的課題解決への可能性を示している。
さらに、走行性能についてもハンドリングと動力性能が従来の軽自動車を凌駕しているという声が多く集まった。安全装備も360°セーフティアシスト(全方位運転支援システム)を搭載し、高級車並みの運転支援機能を装備している点も評価された。
【インポート・カー・オブ・ザ・イヤー】
ヒョンデ IONIQ 5
<授賞理由> 革新的なエクステリア/インテリアデザインとともにバッテリーEV として、498km~618km(WLTCモード)という実用的な航続距離や卓越した動力性能のほか、充実した快適装備や安全装備、V2Hや室内/外V2Lにも対応している点などが評価された。
さらに、ステアリングのパドルシフトレバーで回生制動量を変更できる点も、走りの楽しさを高めてくれるポイントとして指摘する声が多かった。
【デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー】
BMW iX
<授賞理由> これまでのBMW デザインとは全く異なる世界観・方向性、リスクを恐れずに変化なくして新たな時代を作ることはできないという考え方で新たな境地を開いた。垂直でほぼ全面的に囲い込まれたBMW キドニー・グリルなど、従来のデザイン言語を踏まえながら、革新的な取り組みを高く評価したという声が聞かれた。
また、ラウンジを彷彿させる優雅なインテリアについても、従来の自動車の概念を覆すものという評価も集まった。
【テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤー】
日産エクストレイル
<授賞理由> 発電用に1.5リッター直列3気筒VCターボの可変圧縮比エンジン、加えて高出力モーターを採用した第2世代「e-POWER」とともに、電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」を新たに搭載。内燃機関とEVの革新的な技術が、この1台に集約されている点が評価された。
これらシステムの制御の巧みさにも評価が集まり、選考委員からは「技術の日産」という言葉を思い出したという言葉も聞かれた。
【パフォーマンス・カー・オブ・ザ・イヤー】
ホンダ シビック e:HEV/シビック タイプR
<授賞理由> ハイブリッドカーであるe:HEV は、洗練されたパワートレーンにより、現代的でスマートな走りがしっかり作り上げられたスポーツサルーンとして評価された。
タイプRは、優れたシャシー性能と空力ボディ、滑らかな回転フィールのVTECターボエンジンにより、街乗りからサーキット走行まで幅広くカバーするパフォーマンスを実現。ドライバーに素直な感動を与えてくれる点に多くの評価が集まった。
【K CAR オブ・ザ・イヤー】
日産サクラ/三菱eKクロスEV
<授賞理由> 軽自動車というカテゴリー内においても、バッテリーEVの入門車としての買い得感が高い。また、想定される使用環境を考えた場合、極めて現実的な実質120km~150kmの航続距離や日本カー・オブ・ザ・イヤーの授賞理由としても多くの選考委員が指摘した、操縦安定性や静粛性などを高次元でまとめた点が高く評価された。
* * *
日本カー・オブ・ザ・イヤーが始まって43年という歴史のなかで、初めてバッテリーEV軽自動車が栄冠に輝くという結果となった。2023年はどのようなクルマが登場し、選ばれるのか? 今後登場する新型車に注目だ。
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