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レクサス 広州モーターショー2019で市販EV「UX300e」をワールドプレミア

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レクサス 広州モーターショー2019で市販EV「UX300e」をワールドプレミア

レクサスは2019年11月22日、中国・広州で開催されている広州モーターショー2019でレクサス初となる市販EV「UX300e」をワールドプレミアした。「UX300e」はレクサス・ブランドとしてはもちろん、トヨタとしても初といえる本格量産EVモデルだ。

TNGA-CをベースにしたEV

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レクサスは東京モーターショー2019で、EVコンセプトカー「レクサス・エレクトリファイド」を出展した。このコンセプト・モデルは2030年を想定したコンセプト・スタディ・モデルであったが、レクサスの電動化戦略の方向性を示したといえる。

初のEV市販モデルとなるUX300eは、その車名からも明らかなようにCセグメントのコンパクトSUVの「UX」をベースにしている。UXはトヨタのCH-Rと共通のプラットフォーム、ハードウエアを採用しているので、TNGA-Cのプラットフォームを使用して開発されたEVだ。そしてワールドプレミアを行なった舞台は中国で、NEV(新エネルギー車)政策を推進する中国市場、そしてZEV規制を展開するアメリカのカリフォルニア市場などが最重視地域であることは明らかだ。

フォルクスワーゲン・グループの電気自動車は、EV専用のプラットフォーム/アーキテクチャー「MEB」を投入しており、レクサス/トヨタはTNGA-CをEV用に転用する手法を採用していることが最大の特長だ。

「UX300e」は、コンパクトクロスオーバー「UX」の個性的なデザインや、ユーティリティ、取り回しやすさを継承し、さらにレクサスのEVにふさわしい、上質で「すっきりと奥深い走り」、高い静粛性を追求したという。

走りは、ドライバーの運転感覚に寄り添った自然な加減速フィールと高出力モーターによる優れた加速性能を両立しており、大容量バッテリーの床下配置による低重心化も運動性能を高める要素となっている。また航続距離400km(NEDCモード)を実現し、最新のコネクテッド技術を採用するなど、EVとしての価値の追求、運動性能や日常の使い勝手との両立を目指したという。

レクサス流の走りの追求

今回のEVの開発においても、レクサスが目指す「すっきりと奥深い走り」を追求し、UXの走りをより高いレベルに引き上げ、レクサスのEVにふさわしい乗り味を目指している。

ドライバーの意図に忠実な、滑らかな加速フィーリングを追求。また、ドライブモード・セレクトの選択により、ペダル操作に対して瞬時にトルクが立ち上がるEVならではの強力な加速フィーリングを味わうことも可能としている。いいかえれば、ノーマルのモードでは比較的マイルドな加速フィーリングとしているわけだ。

また、パドルシフトにより回生ブレーキの減速度を4段階から選択することで、ガソリン車のエンジンブレーキと同じように減速操作ができるなど、EVの特性を最大限活かしながら自然な操作性を実現している。なお回生ブレーキ力を最大にしても停止はせず、必ずブレーキペダルを踏むようになっている。

もちろん他のEVと同様にモーターやバッテリーを車体下部に配置し、重心高の低さ、前後重量配分や慣性モーメントの最適化などにより、車両の運動性能のポテンシャルは大幅に高められている。

さらにEVの優れた静粛性を一段と高めるため、床下の大面積のバッテリーパックに遮音壁としての機能を持たせたほか、風切り音や小石・砂などの巻き上げ音にも配慮。室内空間の心地良い静けさを実現している。

感性面では、ドライバーの自然な運転感覚を大切にし、走行中のサウンドにこだわり、アクティブサウンドコントロール(ASC)を採用することで、不快なノイズを打ち消す一方で、車両の走行状況に応じて感じられる心地良いモーター/インバーターのサウンドを演出している。

バッテリー容量は54.3kWhで約400kmの航続距離を実現

UX300eは、54.3kWhの大容量のリチウムイオン・バッテリーを搭載する。そのためフロア下面全体とリヤシート下部がバッテリーパックとなっている。低温/高温下でも正常に動作するようバッテリーに温度調整(ヒーター&クーラー)機能を備えるほか、過充電防止システムや、多重監視のセーフネットにより、高い信頼性を実現している。

現在発表されている航続距離はヨーロッパのNEDCモードで400kmとされており、WLTCモードでは航続距離は300km台になると予想される。

フロントに搭載するモーターは、これまでのトヨタの駆動用モーターで最大出力の4KM型を採用し、最高出力204ps、最大トルク300Nmを発生する。ちなみに日産「リーフ e+」のモーター出力は218ps/340Nmだ。

大容量のバッテリーパックは、従来のTNGA-Cのフロア下面に配置し、その周囲に新たなフロアサイドフレームを配置し、フロントサイドフレーム、リヤサイドフレームと一体構造とすることで、フロア面の強度を高めている。つまりフロア面は従来のフロアとその下側にさらにバッテリーパックを抱え込むフロア面が存在する2重構造となっている。




詳細は発表されていないが、標準の「UX」モデルに比べ車両重量は100kg以上重くなっているはずで、車両重量は同じCセグメントの日産リーフ(1680kg)よりかなり重く、2000kgを切る程度だろう。そのため前後のサスペンションは大幅に強化され、さらにステアリング・ラックギヤのマウント部も補強が加えられるなど、重い車重に合わせて操縦安定性を確保するために対策が加えられている。

また航続距離を確保するために、床下は完全にフラットに整形し、空力性能の高い専用ホイールを装備するなど空力対策もきめ細かく採用されている。

その他に、最新のコネクテッド技術を搭載し、専用アプリによるスマートフォンとの連携で、バッテリー残量や走行可能距離表示、充電の必要があるかを確認できる。また、充電完了までの時間を把握したり、出発時刻に合わせて充電が完了するようタイマー設定することも可能。さらにエアコンやシートヒーター、デフロスターなどを車外から稼働させることができる機能なども盛り込んでいる。

もちろん安全装備では最新のレクサスセーフティ・システム+を搭載している。

なお、「UX300e」は2020年以降、中国やヨーロッパなどを皮切りに順次発売し、日本での発売は、2021年前半を予定しているという。

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