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スバル新型SUV「レガシィ アウトバック」日本初公開! 国内唯一の「レガシィ」名称採用! 最低地上高213mmのタフ顔仕様は何が新しくなったのか

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スバル新型SUV「レガシィ アウトバック」日本初公開! 国内唯一の「レガシィ」名称採用! 最低地上高213mmのタフ顔仕様は何が新しくなったのか

■新型アウトバックは何が変わった?

 スバル「レガシィ・アウトバック」はフレーム付きの本格SUVを持っていないスバルが、北米市場での拡販のために1994年に2代目「レガシィ・ツーリングワゴン(BG系)」をベースにSUV化させたモデルとして登場しました。

【画像】新型アウトバックがカッコいい! 内外装を見る!(25枚)

 当初はある意味“苦肉の策”といったモデルだったものの、「乗用車の走り」と「SUVの悪路走破性」を両立させるコンセプトは高く評価され、北米ではステーションワゴンを超える人気を獲得しています。

 現在は弟分の「フォレスター」、末っ子の「XV」、さらに3列シートモデルの「アセント」とクロスオーバーシリーズのフラッグシップとして北米スバルの販売好調をけん引する重要な存在です。

 日本では北米導入の1年後となる1995年に「レガシィ・グランドワゴン」として登場。

 その後、1997年に「レガシィ・ランカスター」に改名(2002年まで)されましたが、4代目(BP系)から世界統一でアウトバックになっています。

 エンジンは、自然吸気(NA)中心のラインナップで3代目(BH系)からトップモデルに水平対向6気筒をラインナップ。

 さらにアイサイトのご先祖さまといわれるADA(アクティブ・ドライビング・アシスト)も採用されるなど、日本ではツーリングワゴンに対して上級のキャラクターが与えられていました。

 その後、5代目(BS系)ではツーリングワゴンが廃止され、アウトバックのみのラインナップとなりました。

 日本市場ではこれまでのレガシィのキャラクターはレヴォーグが受け継いだので脇役になったものの、「あの居住性が欲しい」、「あのゆとりが欲しい」、「あのプレステージ性が欲しい」というユーザーが一定数存在していました。

 そんななか、6代目となる新型(BT系)が登場しました。このモデルは2019年4月に開催された「ニューヨーク・オートショー2019」で世界初公開され、その年から発売もおこなわれています。

 となると、「日本向けの導入が、なぜ2年も遅れたのか?」という疑問もあると思います。

 その理由はいくつかあるでしょうが、筆者(山本シンヤ)は、同年10月の「東京モーターショー2019」で世界初公開された2代目レヴォーグを優先させたことや、さらに日本向けに最適化(パワートレインや運転支援システムなど)するために時間を要したと考えています。

 では、新型はどのようなクルマに進化しているのでしょうか。

 エクステリアはキープコンセプトではあるものの、実車を日の光の下で見てみると立体感のある造形で、より筋肉質でたくましさがアップしているのが良く解ります。

 実は社内では「メカニズムを刷新したので、デザインも大きく変えるべきでは?」という議論もあったようですが、最終的には「変化のための変化」ではなく、「ユーザーの使われ方に対して考えるべき」という判断から、大きな変更をおこなわなかったといいます。

 デザインイメージは「トレッキングシューズ」で、前後バンパーやクラッディングなどはアウトバックらしさを“より大胆に”表現されています。

 ちなみにディテールを見ていくとグリル周りやフォグランプ、ホイールアーチ周りなどは北米仕様とは異なり、2021年1月に導入されたオーストラリア仕様に近い印象です。

 この辺りは発売時期にタイムラグがあったからこそ、手を入れることができたといってもいいでしょう。

 個人的には、2代目レヴォーグやマイナーチェンジ後(2021年8月)のフォレスターに近いイメージがプラスされたと思っています。

 グレードによって表現が異なり、「リミテッド EX」はメッキ加飾や切削&ダークメタリック塗装のアルミホイール、クロスバービルトインタイプのルーフレールなどによりプレステージ性を引き上げたコーディネイト。

 逆に「X-BREAK EX」はブラック塗装の加飾やダークメタリック塗装のアルミホイール、ラダータイプのルーフレールなどにより道具感が高められたコーディネイトに仕上がっています。

 ボディサイズは全長4870mm×全幅1875mm×全高1675mm(リミテッド EX)/1670mm(X-BREAK EX)と先代よりもアップしていますが、実用上はほぼ先代とほぼ同等と考えていいでしょう。

 インテリアは先代から刷新。縦型の大型ディスプレイ内蔵のインパネセンターやフル液晶のメーターなどは2代目レヴォーグとよく似ていますが、左右/センターの空調グリルやシフト周り(サイドブレーキスイッチの位置)など細部は異なるのと、横方向に余裕があることから伸びやかさを感じました。

 オプション設定ですが「ハーマンカードンサウンドシステム」をセレクトできるのが嬉しいポイントです。ただ、欲をいえば液晶メーターだからこそ専用デザインを奢って欲しかったなと思います。

 ちなみにインテリアコーディネイトはリミテッド EXがブラック×シルバーステッチ(ファブリック)に加えて、オプションでナッパレザーを用いた本革シート(タン×オレンジステッチ/ブラック×シルバーステッチ)を用意。

 個人的にはタン×オレンジステッチがアウトバックの独自性を表現していると感じました。

 X-BREAK EXはダークグレー×エナジーグリーンステッチ(防水素材)となっています。

 すべての乗員が快適に過ごせる空間は先代譲りで、運転席で筆者(身長170cm)がシートポジションを合わせたときの後席の足元は、足を組んでもシートバックに当たらないほどの広さ。

 さらに先代でも十分以上だったラゲッジスペースも長さ方向で約25mm拡大されているそうです。

 もちろん、利便性も向上しておりハンズフリーパワーリアゲートやポップアップトノカバーなども採用されています。

■パワートレインや先進機能はどうなっている?

 パワートレインは、1.8リッター直噴ターボ(CB18)+リニアトロニック(CVT)の組み合わせです。

「アウトバックに1.8リッターで大丈夫?」と思う人もいるでしょうが、そもそもこのエンジンは先代の2.5リッター自然吸気(175馬力/240Nm)に変わるスバルのダウンサイジングターボで、177馬力/300Nmとスペック的にはそん色ないどころか、むしろ実用域トルクやドライバビリティの高さは2代目レヴォーグでも確認済みなので心配は無用でしょう。

 個人的にはレヴォーグよりもゆったり走るシーンが多いと思われるアウトバックのほうが、このエンジンとのマッチングは良いのではないかと予想しています。

 ちなみに北米向けは2.4リッター直噴ターボ(FA24)と2.5リッター自然吸気(FB25)の二本立てです。

「2.4リッターターボを日本にも!」という声も出そうですが、販売ボリュームや燃費規制の兼ね合いから日本への導入は難しいと聞いています。STIコンプリートモデル(レガシィがS401/402だったのでS501!?)用として導入されることを期待しましょう。

 プラットフォームはSGP(スバルグローバルプラットフォーム)、それもフルインナーフレーム構造採用の新世代を採用。日本向けモデルとしては2代目レヴォーグに続く第2弾となりますが、実はワールドワイドで見るとアウトバックが初採用となります。

 ちなみに今回のモデルのコーションプレートを見るとアプライド「B」、つまり1回目の年次改良がおこなわれたモデルになります。

 新世代SGP採用により先代に対してエネルギー吸収性は約40%アップ(=衝突安全性アップ)、ねじり剛性は約70%アップや振動騒音の低減など、基本性能を大きくレベルアップ。

 サスペンションの味付けなどは1.8リッター直噴ターボの搭載や日本の路面環境/走行条件などに合わせて最適化されているのはいうまでもありませんが、個人的にはオンロード/オフロード性能のレベルアップはもちろん、先代で目指した数値にはなかなか表れにくいが乗員は実感しやすい「動的質感」がどれだけ高められているかが気になるところです。

 開発者は「見た目や機能はクロスオーバーですが、走りはグランドツーリング」と語っています。

 ちなみにオフロード走行の性能に大きく影響する最低地上高は、先代の200mmから213mmにアップ。

 加えて、オフロード走行をアシストする「X-MODE」は全車標準装備(リミテッド EX:2モード、X-BREAK EX:3モード)となっています。

 もちろん先進安全装備も抜かりなしです。2代目レヴォーグやマイナーチェンジされたフォレスターと同じく新世代スペックで、広角化されたステレオカメラ+前後合わせて4つレーダー、電動ブレーキブースター採用などで衝突回避性能は世界トップレベルを実現しています。

 加えて、3D高精度地図データとGPS情報を利用する先進運転機能「アイサイトX」は全車に標準装備。

 その機能を簡単に説明すると高速域ではレーンチェンジを支援する「アクティブレーンチェンジアシスト」、コーナー前に最適速度に調整する「カーブ前速度制」、料金所でもアイサイトをOFFする必要のない「料金所前速度抑制」。渋滞時には50km/hまで手放しが可能な「ハンズオフアシスト」、渋滞時に自動で再発進が可能な「渋滞時発進アシスト」。

 そして、ドライバーに何かあった際にクルマを安全に停止&周りにその状況を伝える「ドライバー異常時対応システム」など、多彩な機能が備えられています。

※ ※ ※

 このように見た目はキープコンセプト、中身は全面刷新された新型アウトバック。

 個人的には先代は良くいえば「穏やか」、悪くいえば「大味」に感じていましたが、新型は基本性能に優れる数々の武器を用いて新時代に見合った“アウトバックらしさ”をどう表現しているのかが気になるところです。

 2代目レヴォーグの仕上がりの高さを考えると、期待値はかなり高い所にあります。

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みんなのコメント

1件
  • フォグが雪に弱くなったんじゃない?
    ゲレンデエクスプレスとしては、それは無いわ・・・
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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