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マツダSUVのプレミアム化は止まらない──新型CX-60 PHEV試乗記

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マツダSUVのプレミアム化は止まらない──新型CX-60 PHEV試乗記

マツダの新型SUV「CX-60」のプラグイン・ハイブリッドモデルに小川フミオが試乗した。

後輪駆動ベース

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SUVで、クオリティが高く、電動走行も出来るモデルが欲しい……そんな欲張りな望みを叶えてくれるのが、マツダの新型CX-60 PHEVだ。

2022年9月に発売されたCX-60は、4740mmの全長を持つ2列シートSUV。サイズは、「CX-5」より全長は165mm長く、ホイールベースは170mm長い2870mm。

CX-5よりさらに上質なSUVが欲しい、といった声に応えたモデルともいう。たしかにエクステリアデザインは優雅だし、使われている素材のクオリティや雰囲気もよい。

新開発のシャシーは、前輪駆動ベースのCX-5と違い、後輪駆動ベース。サスペンション・システムの設計も違うし、ドライブトレインのラインナップもやはり大きくちがう。

2.5リッター直列4気筒ガソリンエンジンこそ共用だけれど、CX-60には、3.3リッター6気筒ディーゼル、3.3リッター6気筒ディーゼル+モーターのマイルドハイブリッド、それに2.5リッターガソリンにモーターを組み合わせたプラグインハイブリッドが用意される。

今回乗ったのは、プラグインハイブリッドの全輪駆動。2488cc4気筒エンジンに外部給電可能なバッテリーで駆動されるモーターを組み合わせる。

エンジンの最高出力は138kWで最大トルクは250Nm。モーターは270Nmだ。このシステムが2090kgの車体を駆動する。

魅力的なハンドリング今回、横浜と東京の路上で運転する機会に恵まれた。長い距離をEV走行できる点と、スムーズな加速力、操縦安定性の高さが印象的だった。

メーカーによると満充電でEV走行できる距離は75km。「ノーマル」や「EV」モードを選べば、バッテリー残量が規定値に下がるまではEV走行となる。

感心するのは、アクセルペダルの微妙な動きへの反応ぶり。加速だけでなく、減速時には、ペダルを上げたぶんだけ、減速する。

意識していなくても、実はこれ、クルマとドライバーがしっかり”対話”している感覚で、運転時にクルマとの一体感を味わえると思う。

CX-60は、さきに触れたとおり、後輪駆動をベースに、運転を積極的に楽しめるクルマを作るというマツダならではの出来だと思うが、いっぽう、上記のような繊細さをそなえているところがヨイ。

スポーティなドライブを楽しみたくなったら、ドライブモード(MIドライブ)で「スポーツ」を選べばエンジンが始動。パワフルさが味わえる。

操舵感覚が重めだし、足まわりは、カーブを曲がるときしっかり踏ん張る設定と感じられるしで、このクルマにはスポーツモードもよく合っていると思う。

以前乗ったときには、かなり揺さぶられるように感じた乗り心地も、今回はよくなったように思えた。いわゆる“あたり”がついたのだろうか。

500万円スタートプラチナクォーツメタリックなる外板色の車体と、「エクスクルーシブ・モダン」というグレードに設定されている、ピュアホワイトのシート。ダッシュボードもシートと同系色で、明るいウッド調パネルがよく合う。

スポーティな雰囲気が好みなら「Sパッケージ」という手もある。内装仕上げはいくつも用意されているので、好みをじっくり選ぶといいだろう。

後席のレッグスペースは、175cmの人間が前後に腰かけても、にぎりこぶしひとつぶんぐらい、膝と前席シートのあいだに空間が残る。

コネクティビティで特筆すべきは、「ドライバー異常時対応システム」だ。車内のモニターと連動し、ドライバーの異常を検知すると、音と表示による警告でドライバーに応答を促す。運転に復帰できない場合には、ハザード点滅、ブレーキランプ点滅とホーン吹鳴で車外に異常発生を報知。自動車専用道路にでは、可能なかぎり路肩に寄せながら減速停止。一般道では同一車線内で減速停止するというから良く出来ている。もっとも作動するような場面はほとんどないと思うが。

燃費はリッターあたり14.6km。CX-60シリーズでもっとも燃費がいいのはマイルドハイブリッドディーゼルの21.1km。このサイズでは、いずれにしても、立派な数字だ。

新型CX-60 PHEVは「Sパッケージ」の539万円がスターティングプライス。エクスクルーシブ・モダンの価格は584万6500円である。

文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)

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