価格としてはまだまだ高い輸入車EV。国内ではまだインフラが整ってない部分もあるが、一方でベーシッククラスのモデルが充実してきている。そのなかで今、実力のあるお薦めモデル8台をご紹介しよう!!
※本稿は2023年10月のものです
文/片岡英明、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2023年11月26日号
見た目じゃフィアット500がダントツ?? ID.4完成度高すぎ!! オススメお手頃輸入EV8選
■ヨーロッパは排ガス不正でディーゼルからEVへ
VW ID.4。全長4585×全幅1850×全高1640mm、最高出力170ps/最大トルク31.6kgm、航続距離435km、価格514万2000円(ライト)
ディーゼルエンジンの排ガス不正が発覚し、ヨーロッパの自動車メーカーはCO2削減のためにEV戦略へと舵を切った。アメリカもテスラの好調に後押しされ、EV化の波が押し寄せている。
ロシアのウクライナ侵攻で内燃機関も生き残る道が開けたが、これからの主役はEVだ。海外メーカーも魅力的なEVを意欲的に日本に送り込んできた。
日本製EVとガチンコ勝負できるベーシッククラスのEVは選択肢が豊富だ。ドイツ勢もEVシフトを鮮明にしている。
その筆頭がフォルクスワーゲンのID.4だ。パッケージングはいいし、走りに関しても高い得点を与えられる。リア駆動ならではの素直な動きだから扱いやすい。
ドアの閉まり音や見栄えがいいなど、質感も高いから、初めてのEV選びにもお薦めの一台だ。最新モデルはアップデートを行い、航続距離を延ばすなど、進化しているから一段と魅力を増した。
上級のプロだけでなく、電池容量を抑えた廉価版のライトでも長く付き合えるだろう。
ボルボ XC40リチャージ。全長4440×全幅1875×全高1650mm、最高出力238ps/最大トルク42.6kgm、航続距離590km、価格679万円(リチャージプラス)
安全性の高い乗用車を作り続けているボルボは、時代の先陣を切って電動化を公約に掲げた自動車メーカーだ。
内燃機関の開発を早々に打ち切り、積極的に高品質のEVを増やし続けている。技術の進歩にも意欲を見せ、’23年にはシングルモーター搭載車をリア駆動へと変更した。
そのボルボの世界戦略車がクロスオーバーEVのXC40リチャージだ。インテリアにリサイクル素材を採用し、最新モデルはパワーアップするとともに電池容量も増やしている。
日本で使いやすいボディサイズだし、走りも力強い。キャビンとラゲッジルームも実用になる広さだ。
ボルボ EX30。全長4235×全幅1835×全高1550mm、最高出力272ps/最大トルク35.0kgm、航続距離―km、価格559万円(EX30)。2023年8月に発表
これに続いて日本に上陸した末っ子EVのEX30は、日本の道路で持て余さない最適サイズで登場した。
ビギナーでも扱いやすいし、キャビンも不満のない広さを確保している。これからが旬のEVで、安全装備もテンコ盛りだから長く乗れるだろう。
■スマートかつこだわりに富んだラインナップを送り出すフランス勢
プジョー e-208。全長4095×全幅1745×全高1445mm、最高出力136ps/最大トルク26.5kgm、航続距離395km、価格469万4000円(アリュール)
フランスは隠れたEV王国だ。ルノーだけでなくステランティスグループも、数多くのEVをラインナップする。CMPをベースにしたEV用のe-CMPプラットフォームを採用し、駆動方式はFWDだ。
第1弾のプジョーe-208は軽快な走りが好印象。改良を加えた最新モデルは航続距離がわずかに延び、安心感を増している。
ラテン系コンパクトカーらしい軽快な走りを披露し、足もしなやかに動く。トグルタイプに変更されたセレクターレバーも使い勝手がいい。
インテリアはシンプルだが、シートは座り心地がよくロングドライブを得意とする。日本製EVと変わらないリーズナブルな販売価格も魅力だ。
プジョー e-2008。全長4305×全幅1770×全高1550mm、最高出力136ps/最大トルク26.5kgm、航続距離380km、価格576万4000円
もう少し広いキャビンとくつろぎ感を期待するなら、プジョーにはSUVテイストのe-2008が用意されている。ひと回り大きいが、メカニズムは同じだから走りは気持ちいい。しかも立体駐車場を使える全高に抑えている。これもうれしい配慮だ。
ステランティスグループのシトロエンC4がモデルチェンジしたのを機に、新たに設定されたのがE-C4エレクトリックである。e-2008と同じe-CMPプラットフォームを採用するが、ホイールベースを2665mmまで延ばし、全幅も1800mmまで広げた。
しかも背が低いし、クーペのように伸びやかなフォルムだから遠くからでも目を引く。エレガントなインテリアもシトロエンらしい。
シトロエン E-C4エレクトリック。全長4375×全幅1800×全高1530mm、最高出力136ps/最大トルク26.5kgm、航続距離405km、価格554万8500円(シャイン)。2022年1月登場
動力性能はそれなりだが、最大の売りはプログレッシブ・ハイドロリック・クッションと呼ばれるシトロエン自慢のサスペンションを採用していること。路面の凹凸を上手にいなし、快適だ。こだわりの強いEVに乗りたい、という人には得難い選択になる。
■続々と日本上陸する海外EV
テスラ モデル3。全長4720×全幅1850×全高1441mm、最高出力450ps/最大トルク57.0kgm、航続距離629km、価格651万9000円(ロングレンジAWD)。2023年9月に新型の先行予約開始
日本でもEV旋風を巻き起こしたテスラのエントリーモデルがモデル3だ。日本でも持て余さない大きさで、15インチの大型ディスプレイをセットして操作させるなど、インテリアは驚きの連続である。
慣れるまで戸惑うが、痛快な走りを見せ、航続距離も文句なしだ。ソフトウェアも随時アップデートできる。
フィアット 500e。全長3630×全幅1685×全高1530mm、最高出力118ps/最大トルク22.4kgm、航続距離335km、価格522万円(アイコン)
フィアット500eはデザインだけで買える数少ないEVだ。独自の世界観を持ち、2ドアで小さいが、強い存在感を放っている。後席やトランクは狭いが、爽快なオープンモデルも用意した。
日本のCHAdeMO規格の急速充電器への対応が遅れていたが、この問題も解決したようだ。ホンダeと同じように街乗りベストのEVと言える。いずれのEVも個性が強く、日本のEVにとっては強敵だ。
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みんなのコメント
購入高い。充電遅い。マンション住まいでは充電器自宅はなかなか難しい。地球に優しいかも疑問。数年後にバッテリーの持ちはどうなのか。
新しもの好きか、オシャレ感覚のお金持ってる人しか買えないよなぁ。