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快適性と操縦性をバランス ポルシェ・カイエン E-ハイブリッドへ試乗 3代目がマイチェン

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快適性と操縦性をバランス ポルシェ・カイエン E-ハイブリッドへ試乗 3代目がマイチェン

英国での主力はPHEVのE-ハイブリッド

ポルシェのベストセラー、カイエンがマイナーチェンジを受けた。スタイリングだけでなく、インテリアやパワートレインにも大幅な改良が施されている。

【画像】快適性と操縦性をバランス ポルシェ・カイエン E-ハイブリッド 気になるモデルは? 全120枚

2年後の発表に向けて、ポルシェはバッテリーEV(BEV)のカイエンの開発を進めている。こちらは、まったく新しいプラットフォームをベースにするという。それでも、内燃エンジン版へ手を抜くことはなかったようだ。

ちなみに、BEVのカイエンと並行して、内燃エンジン版も販売は続けられる予定。2017年に販売が始まった3代目のモデルライフは、まだ長い。

発表時には少なくない異論を呼んだカイエンは、同社の主力モデルの一翼を担うようになった。2003年の発売以来、125万台が売れている。もちろん、優れた評価を得るために多くの努力も投じられてきたが。

フェイスリフト後でも、3代目カイエンのベースモデルに、3.0L V6ガソリンターボ・エンジンが積まれることは変わらない。そこへ駆動用モーター追加されるプラグイン・ハイブリッドのE-ハイブリッドが、従来どおり英国では主力グレードになるだろう。

カイエン Sのエンジンは、3.0L V6ターボから、パナメーラ譲りとなるV8ツインターボへ格上げ。パワフルなカイエン・ターボS Eハイブリッドと、走りに振ったカイエン GTSも継続される。

一方で排気ガス規制の強化に伴い、ドライバーズSUVと呼べたカイエン・ターボGTは英国での販売を終える。選択肢はまだ多いとはいえ、少々残念な決断だ。

大幅な変更が加えられたインテリア

今回、筆者が主に試乗したのは、カイエン E-ハイブリッド。駆動用モーターの最高出力は176psと変わらないものの、より多くの電力を供給するため、駆動用バッテリーの容量が増やされている。

電気のみで走れる距離は最長で74kmへ伸び、英国では現物給付税の税率が有利になった。そのかわり、車重はベースグレードのV6ガソリンターボ版より約370kgも増える。システム総合での最高出力は470psだ。

フェイスリフトに伴い、インテリアも刷新されている。用いられる素材が一流だということに変わりはなく、金属のディティールが高級感を引き上げている。

エアコンの操作パネルには、実際に押せるハードスイッチが残された。こちらにも本物の金属が採用され、タッチは素晴らしい。

ダッシュボードには、1061ポンド(約17万円)のオプションとして、助手席側へ10.9インチ・モニターを指定できるようになった。動画の視聴も可能ということだが、運転席から画面の表示が見えない工夫が施してある。

中央にはタッチモニターが据えられ、ドライバーの正面にはモニター式のメーターパネルが収まる。高精細なグラフィックで描画されるアナログメーターには、メーター毎のリングがなく、不思議な印象を受けた。

ポルシェらしくないブレーキペダルの感触

今回はベースグレードのカイエンにも試乗することができたが、筆者が選ぶならこちらにするだろう。英国価格は6万7400ポンド(約1085万円)で、お手頃とは呼べないものの、近年の価格上昇を踏まえるとお値打ちなポルシェに思える。

プラグイン・ハイブリッドのカイエン E-ハイブリッドは、駆動用モーターだけでの走行や燃費が魅力といえるが、コーナリング時は増えた車重を実感してしまう。このブランドへ期待する、操縦の研ぎ澄まされた正確性では及ばない。

さらにカイエン E-ハイブリッドで気になったのが、ブレーキペダルの踏みごたえ。回生ブレーキと物理ブレーキとの融合が、完璧とは感じられなかった。

ペダルを傾けていくと、当初は回生ブレーキのみが動作するが、感触が薄くポルシェとしては驚くほど反応が曖昧だった。開発技術者へ確認すると、これを認識しているとのこと。回生ブレーキには多くの変数が絡み、一貫性を持たせることが難しいという。

タイヤのサイドウォールは、高さが5%増やされている。乗り心地で有利なだけでなく、路肩へ寄せる時、ガリ傷を恐れる度合いも軽減された。

快適性と操縦性のバランスの良さが強み

フェイスリフト後のカイエンで際立つ強みといえるのが、快適性と操縦性のバランス。ベースグレードでも、ツインバルブ・ダンパーとツインチャンバー・エアスプリングが組まれるエア・サスペンションを、1760ポンド(約28万円)のオプションで指定できる。

従来は、シングルバルブ・ダンパーとトリプルチャンバー・エアスプリングという組み合わせだった。これにより、減衰力の変化を一層正確に制御できるようになったという。標準仕様はスチールコイルだ。

その結果として、コーナリングは印象的なまでに滑らかでフラット。大きく重いボディを実感させないほど、素直な身のこなしを実現している。

この改良を受けたサスペンションが、今回のフェイスリフトで最大の目玉といえると思う。優れた動力性能や操縦性は従来どおり。快適性が向上し、BEV版が登場するまでの2年間は、ライバルとの競争力へ不足はないといえるだろう。

ポルシェ・カイエン E-ハイブリッド(欧州仕様)のスペック

英国価格:7万6800ポンド(約1236万円)
全長:4918mm
全幅:1983mm
全高:1563mm
最高速度:254km/h
0-100km/h加速:4.9秒
燃費:55.5-66.7km/L
CO2排出量:33-42g/km
車両重量:2425kg
パワートレイン:V型6気筒2995ccターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:21.8kWh
最高出力:470ps/5400-6400rpm(システム総合)
最大トルク:66.1kg-m/1400-4800rpm(システム総合)
ギアボックス:8速オートマティック

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