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みんな憧れたホンダの魂「VTEC」搭載!! 初代インテグラの魅力と実力を令和に振り返る

掲載 更新 7
みんな憧れたホンダの魂「VTEC」搭載!! 初代インテグラの魅力と実力を令和に振り返る

 1989年に登場したホンダの初代「インテグラ」。日常の使い勝手とスポーツ性を両立させるという革新的なメカニズムを採用したVTECエンジン搭載によって、自動車業界に大きな衝撃を与えたモデルだ。

 シビックとは一線を画し、よりスタイリッシュで上質なキャラクターを備えた初代インテグラは、若者から熟年層まで幅広く受け入れられ、多彩なユーザーを魅了した。ホンダの高い技術力を広く世に知らしめる契機にもなった初代インテグラについて振り返ろう。

みんな憧れたホンダの魂「VTEC」搭載!! 初代インテグラの魅力と実力を令和に振り返る

文:立花義人、エムスリープロダクション/写真:HONDA、ACURA

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【画像ギャラリー】VTECはここから始まった!! 自動車業界に衝撃を与えた名エンジンを初搭載したホンダ「インテグラ」の歴史を写真で振り返る(13枚)

VTEC搭載によって「走らせる楽しさ」を強烈に伝えてくれた初代インテグラ

 シビックとアコードの中間に位置していた「クイントインテグラ」(1985~1989年)の後継車として、1989年に登場した初代「インテグラ」。スポーティな3ドアクーペと4ドアハードトップとして誕生したこの初代インテグラ最大の特徴は、ホンダが開発した新世代エンジン「VTECエンジン」だ。

 高回転用と低回転用、2種類のカムを使い分ける可変バルブタイミング・リフト機構を採用した「VTEC(Variable valve Timing and lift Electronic Control system)は、バルブの開きを切り替えることで日常の使いやすさとスポーツ性を両立。初代インテグラに搭載された直列4気筒VTEC「B16A」も、1.6リッターという排気量ながら、最高出力160馬力/7600rpm、最大トルク15.5kgm/7000rpm、レッドゾーンは8000rpmという高回転・高出力を誇っていた。リッターあたり100馬力という数値は、当時の乗用屋用エンジンの常識を覆す性能だ。

 低回転域では扱いやすいトルクを確保しつつ、高回転域に入ると滑らかで力強い加速を見せるVTECは、まさに「2つの顔を持つエンジン」。ターボチャージャーとは異なり、エンジンフィールの変化をダイレクトに体感できる特性は、単なる速さにとどまらず「走らせる楽しさ」を強烈に伝え、スポーツドライビングをより身近なものにしてくれた。

1989年誕生の初代「インテグラ」。トップグレードの「XSi」にはB16A型VTECエンジンを搭載。最高出力はリッターあたり100馬力の160ps(MT車)を達成していた

B16A型は、1.6リッターという排気量ながら、最高出力160馬力/7600rpm、最大トルク15.5kgm/7000rpm、レッドゾーンは8000rpmという高回転型エンジンだった

小型車ながら質感も十分

 初代インテグラは、デザインも魅力的だった。エクステリアはクーペスタイルを基調に直線を活かしたシャープな造形で、都会的かつ洗練された印象。インテリアもスポーティさと落ち着きを兼ね備え、小型車としては質感の高さが際立っていた。

 スポーツハッチとして若者を中心に人気を得ていたシビックに対し、インテグラは「もう一段階上の満足感」が得られるモデルという立ち位置で、優雅で余裕のあるサイズのドアパネルやモダンで力強いフロントマスク、扱いやすいボディサイズに上質感な内装、そこにVTECの魅力が加わり、幅広い世代に支持された。いまあらためて内外装のデザインを見ても、人々の所有欲を十分に満たすモデルであったと思う。

 また、ホンダのマーケティング戦略も巧みだったと思う。シビックよりもやや高めの価格設定ながら、若者でも十分に手の届く範囲であり、先進技術を体感できる価値を考えれば「背伸びをしてでも欲しい」と思わせる絶妙なバランス。3ドアクーペに加えて4ドアハードトップも設定されていたことで、スポーツ志向の若者だけでなく、実用性を求める大人からも支持され、「一家に一台のスポーツモデル」として受け入れられる柔軟な魅力があったのだ。

初代インテグラのインテリア。スポーティかつシンプルだが、シビックよりも上質感が高かった

インテグラの4ドアハードトップ。3ドアに比べるとやや落ち着いた印象だが、VTEC搭載グレードも用意され、スポーティな走りが可能

パワーと環境性能を両立させたVTECのよさを存分に味わうことができた名車

 その後インテグラは、1993年に2代目に、2001年には3代目に切り替わったが、2007年に日本での販売が終了となった。

 ただVTECエンジンは進化を続け、1991年に登場したシビックSiR/SiR IIでは圧縮比やバルブ制御を改良し、リッターあたり106馬力となる最高出力170psを達成。低中速域では扱いやすいトルクと優れた経済性を備えつつ、高回転域では一気に吹け上がる刺激的な特性によって、ホンダの「技術の大黒柱」となった。

 残念ながら日本ではモデル廃止となってしまったインテグラだが、パワーと環境性能を両立させたVTECのよさを存分に味わうことができた名車だった。その功績は、今後も語り継がれていくことだろう。

【画像ギャラリー】VTECはここから始まった!! 自動車業界に衝撃を与えた名エンジンを初搭載したホンダ「インテグラ」の歴史を写真で振り返る(13枚)

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文:ベストカーWeb ベストカーWeb
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みんなのコメント

7件
  • NAS********
    初代と言うのは違和感があるなー
  • SUMIN
    この頃のホンダ車は真正面から見た時のフロントフェンダーの出っ張り具合がカッコよかった。
    4輪を四隅に、マンマキシムメカミニマムの思想なのでしょう。
    僕はGA1シティに乗ってたけど、やはり真正面からはフロントフェンダー踏ん張ってた。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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