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頭角現す新人コラピントはどこへ行く? 4戦で2回入賞も来季シートなし。角田裕毅所属RBも選択肢に

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頭角現す新人コラピントはどこへ行く? 4戦で2回入賞も来季シートなし。角田裕毅所属RBも選択肢に

 F1グランプリの週末が訪れる度に、ウイリアムズのフランコ・コラピントに投げかけられる質問がある。それは「今回のパフォーマンスが来年のシート獲得に繋がると思うか?」というモノだ。

 実際のところ、コラピントが来年3月の開幕戦オーストラリアGPに出走できる可能性はほんのわずか。注目を集めながらも、コラピントは好ましくないタイミングで適切な場所にいるのだ。

■角田裕毅のレッドブルRB20ドライブを、ホーナー代表も認める「それはホンダと話し合ってきた。かなり前から合意されていたんだ」

 ウイリアムズは調子が上がらずハイスピードクラッシュを何度か起こしたローガン・サージェントの代わりとして、イタリアGPから育成ドライバーであるコラピントを起用した。

 FIA F2からいきなりF1へ昇格することになったコラピントだったが、イタリアGPでは予選の不振から挽回して12位フィニッシュ。アゼルバイジャンGPでは予選でチームメイトのアレクサンダー・アルボンを破ると決勝では初ポイントを獲得した。

 シンガポールGPでコラピントは11位とポイントこそ逃したものの、バトルを展開したレッドブルのセルジオ・ペレスからは称賛の言葉が送られた。またアメリカGPでは10位入賞。レース途中にはファステストラップを記録していたが、終盤にアルピーヌのエステバン・オコンにチャンスを奪われることとなった。

 そんなコラピントの活躍は母国アルゼンチンでも注目を集めており、F1 のステファノ・ドメニカリCEOは、近い将来のアルゼンチンGP復活を示唆した。

 しかしコラピントは来季も同じシートに座ることはない。ウイリアムズはコラピントの今季代役起用を決定する前から、来季はアルボンとカルロス・サインツJr.(現フェラーリ)のコンビを揃えることが決まっていた。

 仮にコラピントがF1で次なるチャンスを掴めなければ、アルゼンチンGP復活の計画も水泡に帰す。しかしウイリアムズのジェームス・ボウルズ代表は、ライバルチームへの移籍によってポイントを奪う形になったとしても、来季のF1シートを掴むに相応しい逸材だと明言していた。

 では、コラピントは同胞リオネル・メッシ(サッカー選手)に並ぶ国民的スターになる上で、どのような選択肢が残されているのだろうか?

■RB

 2025年のF1シーズンに向けて、現在はふたつのシートが空席になっているが、最終的にどのドライバーがシートを手にするかには、様々な要素が絡んでいる。

 RBとその姉妹チームであるレッドブル・レーシングは常に、自前のドライバー育成プログラムからの起用を好んできた。このプログラムはセバスチャン・ベッテルとマックス・フェルスタッペンのふたりの世界チャンピオンを輩出。ダニエル・リカルドやピエール・ガスリー(現アルピーヌ)、サインツJr.も同様の道を歩んできた。

 フェルスタッペンは少なくとも2025年までチームに残る(契約は2028年まで締結済)が、ペレスが来季もレッドブル・レーシングに残るかどうかはまだ微妙なところ(ペレスは26年まで契約締結済)。サマーブレイクの段階でも解雇の危機に晒されていた。

 ペレス後任候補筆頭と目されたリカルドはRBを去り、アメリカGP以降は同じくレッドブル育成のリアム・ローソンがシートを手にした。そしてニック・デ・フリーズ、リカルドとアルファタウリやRBでチームメイトをなぎ倒してきた角田裕毅は、シーズン終盤のアブダビテストで、シニアチームでの実質的な初ドライブの機会を得る見込みだ(デモランは除く)。

 仮にペレスがレッドブル・レーシングで冬を越すことができないのであれば、ローソンと角田が昇格の機会を争うことになる。どちらかはRBに留まることになるが、そうなると、もうひとつのシートにコラピントが滑り込む隙が生まれる。

「フランコが頭角を現しているのは明らかだ」

 アメリカGPでレッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表はそう語った。

「現時点ではF2での調子を読むのは非常に難しい。若手の何人かはいきなり(F1に)飛び乗って素晴らしい活躍をしているからね」

「リアムはフランコと同じように、以前のレースで輝きを放っていたと思う。初めて走るサーキットで、速いチームメイトを相手に最後尾から9位までポジションを上げた。良いパフォーマンスだったよ」

 ローソンがレッドブル陣営内で高く評価されているのは明らかで、シート争いの真っ向勝負では有利に立つ可能性が高い、しかしそのパズルは他チームよりも複雑だ。

■ザウバー

 RB以外で来季のドライバーラインアップが確定していないのはザウバーのみ。ただ、そのチームは2024年シーズンを通してまだポイントを獲得できていない。

 今季の残る5戦でグリッド最遅マシンがトップ10に入ることは難しいかもしれない。しかしレギュレーション変更が行なわれる2026年から新規参戦するアウディの合流に向けて、来季は重要な準備期間となる。

 チームを新時代へと導くベテランドライバーとして、アウディ/ザウバーは既にハースからニコ・ヒュルケンベルグを引き抜くこととなっている。ただ、そのチームメイトはまだ決定していない。

 8月には元フェラーリ代表のマッティア・ビノットがF1プロジェクト責任者に就任したアウディ/ザウバー。現在チームに所属するふたりのどちらかが残留する可能性はますます低くなっており、周冠宇は来季シート獲得に向けて全力を尽くすと語っているものの、それはバルテリ・ボッタスがチームに残る以上に予想外のシナリオだ。

 こうした状況からコラピントに扉が開くことになるかもしれないが、現時点のF1で最も望ましくないように見えるマシンをドライブすることは、急成長中の若手の評判に傷をつける可能性があるのだろうか?

 通常なら、答えはイエスだ。しかしアウディが大体的にF1へ参入し、資金力も豊富であるという事実は、コラピントがこのプロジェクトに誘惑される要素となる可能性はある。

 しかしビノットとアウディ/ザウバーが選べる選択肢はコラピントだけではない。マクラーレン育成のガブリエル・ボルトレトやリザーブドライバーのテオ・プルシェールの他、現ハースのケビン・マグヌッセンや元F1ドライバーのミック・シューマッハーらも候補に挙がっているようだ。

■リザーブドライバー

 厳密にはF1グリッドに並ぶことはできないかもしれないが、コラピントに残されたもうひとつの可能性はリザーブドライバーのオファーを受けることだろう。

 シミュレータでの作業、スポンサー業務、そしてフリー走行出走など、F1フル参戦と比べて魅力的な仕事とは言えないが、F1シーズンを通して何が起こるか分からないし、コラピントがグランプリに復帰する可能性もある。

 リザーブドライバーはグランプリに帯同し、チーム内に留まるため、常に話題に挙がる存在だ。確かなのは、コラピントが輝き続けるためには、F1キャリア初期に正しいステップを踏む必要があるということだ。

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