2019年10月に世界初公開されたトヨタのコンパクトカー、新型ヤリス。日本での発売は2020年2月中旬の予定だが、速くもプロトタイプにサーキットで試乗することができた。まずは、竹岡レポーターのファーストインプレッションをお届けしよう。
無理しないで乗れるスポーティコンパクト
日本でもヴィッツから世界共通車名のヤリスに変更して、イメージを一新した新型ヤリスに試乗してきました。まずは、新型ヤリスのスタイルから。
【スクープ】新型ヤリスの「GR-4」がGRMNの正体? 3気筒ターボを搭載して2020年内に発売か
ヨーロッパのデザイナーが手がけたスタイルだそうですけど、最近のトヨタ車に共通のフロントマスクは、ワイドな張り出し感があって安定感は良さそうで、男子が好きそうな顔つきですね。でも女子目線だと、もうちょっと優しい顔つきでもいいかな?なんて思ってしまいます。それでも真横から後ろにかけてのスタイルは良いですね。けっこう可愛いし、気に入りました。
ボディカラーには2トーンも用意されていて、それもブラックだけじゃなくホワイトのルーフも設定されているのはちょっとヨーロッパ車みたいで、なかなかオシャレです。個人的には淡いピンクのアイスピンクメタリックという色が良いかな?なんて思いました。
シートに着いて、ステアリングやシートポジションを調整してドライビングポジションを決めたら、最近のクルマではベスト!と言えるほどドラポジがバッチリ決まったのには感激しました。というのは、小柄な私がシートをいちばん上にしても、床にカカトをキチンとつけて運転できるんです。チルト&テレスコピック ステアリングでの調整範囲も、ちょうど良いです。最近、これだけドラポジが決まったクルマはなかったので、これはもうポイントが高いです。シートスライドのメモリー機能も便利でした。
インテリアにも安っぽさはありません。ユニークなかたちのメーターですが、ステアリングの中にキチンと収まっているし、ヘッドアップディスプレイも備わって、サーキット走行でも見やすかったです。運転席まわりは適度に包まれ感があって、オーソドックスな作りだけれどソフトパッドも使っていてオシャレでいい感じです。室内には小物入れが豊富にあるので、女子には喜ばれそうですね。
今回、サーキットだけでの試乗でしたが、ハイブリッドはFFと4WD、1.5LエンジンはCVTと6速MTの4車種に乗ることができました。
まずはハイブリッドから。出足から力強く、加速の伸びも申し分ありません。アクセルレスポンスも良く、ペダルを踏んだ量に合わせてリニアに加速してくれます。コーナリングのロールも自然だし、無理しないでパッと乗れるスポーティコンパクトといった感じですね。この印象は4WDのハイブリッドでも同じですが、少し車重が重いのかなと感じさせられました。サーキット走行では、ハイブリッドはFFのほうが良い印象を受けました。
1.5Lはハイブリッドほどパワフルではないけれど、やはりアクセルを踏んだだけ自然に出ていく感じが良かったです。ペダル操作はしやすく、ライントレース性も高いです。このエンジンは6速MTでも乗ったのですが、やっぱりサーキット走行はMTが楽しい! このクラスでは貴重なMT車ですが、レッドゾーンまでスーッと回ってくれるし、操る愉しさを味わうことができます。ただし、MT車では座面をいちばん上にするとクラッチが踏みづらく、座面を少し下げると左前方がちょっと見にくくなりました。あと、私の22.5cmの足ではヒール&トウがやりにくいのですが、シフトストロークは短めで、コンパクトなスポーツハッチのMTとしては良いフィールです。
「アドバンスドパーク」と呼ばれる高度駐車システムや、楽に乗り降りできる「ターンチルトシート」、ハイブリッド車の外部給電機能など、一部オプションですが快適・便利機能も充実して安心・安全をサポートしてくれます。
今回はプロトタイプのサーキット走行だけだったので、乗り心地や騒音に関しては、正式発表されて公道で試乗できたときに確認したいと思います。新型ヤリスについては、気になっている読者の皆さんも多いことでしょう。なかなか期待できそうですよ。日本での発売は2020年2月中旬の予定だそうですので、楽しみに待つことにしましょう。(談:竹岡 圭/写真:井上雅行)
竹岡レポーターの新型ヤリス試乗レポートは、近くモーターマガジンMovieでも紹介します。
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