2023年末に発売された新型が話題を呼んでいるスイフト。あらゆる面で進化し、早くも無双の様相を呈しているが……いやいや、そんなことはありません。スイフトを迎え撃つハイスペックなライバルもなかなか強力ですぜ!
文/FK、写真/トヨタ、日産、ホンダ、フォルクスワーゲン、マツダ
「新型スイフト」の無双を許してはならん!! ガチ勝負ができるハイスペックモデル5選
■すべてにおいてレベルが高い「ホンダ フィットRS」もお買い得の1台
フィットRSはノーマルグレードとは一線を画す専用のフロントグリル、フロントバンパー、サイドシルガーニッシュ、リアバンパー、リアスポイラーを採用することでスポーティさを強調
2020年2月の発売から1カ月経過時点での累計受注台数が3万1000台(月間販売計画の3倍以上)を記録して好調な立ち上がりをみせたフィット。
極細のAピラーや水平基調のインパネ、シンプルで見やすいバイザーレスメーターがもたらす良好な視界をはじめ、ホンダ初採用のボディスタビライジングシートによる快適な座り心地、日常シーンの大半をモーターで走行して低燃費かつ滑らかな走りを実現したe:HEVなど、人気の要因は枚挙に暇がない。
そんなフィットは2022年10月にマイナーチェンジを実施したが、その際に新たに設定された“RS”こそ、スイフトの対抗馬ではないだろうか?
同年10月にe:HEV車が、同年11月にはガソリンエンジン車が発表されたフィットRS。
標準モデルとは一線を画すエアロパーツによるスポーティな外観はもとより、RS専用のサスペンションが荒れた路面で車体の揺れを抑制するだけでなく、操舵量に応じた応答性と安定したロール姿勢をもたらし、誰でも爽快な走りが楽しめるようになっている。
また、フィットの伝統でもある広い室内空間や多彩なシートアレンジは継承。安全・安心・快適・便利な機能を満載したホンダ車専用の車載通信モジュールであるHonda CONNECTも搭載されており、抜かりない1台に仕上げられている。
車両本体価格はガソリン車が204万9300円、e:HEV車が244万7500円とスイフトに比べれば少々割高だが、スイフトのライバルになり得る条件は充分に揃っている。
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■「MAZDA2」は充実のグレード展開と上質さで勝負
ガソリンエンジン搭載車であればスイフトとほぼ同価格帯で購入することができるMAZDA2は、マツダブランドを鮮明化するべく2019年7月にデミオからの車名変更を発表していた。
新たなデザインと技術を取り入れて登場したMAZDA2はワイド感や安定感、エレガントさを追求したエクステリアデザイン、きめ細かな対策を施すことで会話のしやすい静粛性を実現した室内空間などによって“日常を豊かにする上質なパーソナルカー”というコンセプトを体現している。
2023年2月の大幅な商品改良では前後バンパーやグリルなどのデザイン変更と内装の見直しを行いつつ、インパネには植物由来原料の材料を採用して石油資源の使用量削減やCO2排出量の抑制、無塗装による揮発性有機化合物の削減などによる環境負荷の低減を実施。
続く2023年9月の商品改良ではユーザーから要望が多かったコネクティッドサービス対応のマツダコネクトを一部機種で標準装備し、コンパクトカーにおいても安全性、快適性、利便性のさらなる向上が図られた。
また、ガソリンエンジン搭載車であれば154万8800円(2WD)のリーズナブルさがうれしいベースグレードの15Cから、中間グレードの15 BD(174万1300円、2WD)、内外装を黒で引き締めることでスポーティに仕上げた15 SPORT(208万3400円、2WD/6AT)に加え、モータースポーツベース車の15MB(176万8800円)と多岐に渡るグレード展開もMAZDA2の魅力といえるだろう。
■専用チューニングがもたらす一体感ある走りが身上の「トヨタ アクアGR SPORT」
“意のままに操れる歓び”というコンセプトを踏襲し、先代モデルから操縦安定性や加速性能を大きく向上させた現行のアクアGR SPORT(車両本体価格259万5000円)。
スイフトの最上位グレードとの差額は約30万円で、これを高いと見るのか安いと見るのかは十人十色だが、専用装備の採用などによるスポーティさを前面に押し出したアクアGR SPORTもスイフトとガチで勝負できる1台といえる。
エクステリアはGR SPORTの名乗るだけに標準モデルとは一線を画すファンクショナルマトリックスグリル、専用バンパー、ワイド&ロースタンスの専用デザインで走行・空力性能向上に寄与する機能美を徹底追求。
スポーツマインドを駆り立てるインテリアも天井や周辺部品をブラックで統一したコーディネートとしただけでなく、専用本革3本スポークステアリングやアルミペダルなどの専用アイテムが装備されている。
走りもボディ剛性を高めることで操縦安定性の向上とフラットな乗り心地を確保しつつ、専用のサスペンションチューニングによって優れた応答性やコントロール性、質感の高い乗り心地を実現。
これらに加えて、専用でチューニングを行った電動パワーステアリングもクルマと一体感のある走りが楽しめる操舵フィールをもたらしている。
■一級品の走りと特別感満点の内外装に心が躍る「日産ノートオーラNISMO」
フォーミュラEからインスパイアされた“駿足の電動シティレーサー”をコンセプトに、NISMOの魂とこだわりを注ぎ込んだオーラNISMO
2022年度の国内販売で11万3390台を販売し、ハイブリッド車を含めた電動車で販売台数No.1を獲得したノートとノートオーラ。
加えて、2016年にe-POWER搭載モデルを発売して以降、国内でのノートe-POWERシリーズ累計販売台数も55万台に到達し、今やノートは押しも押されもしない日産の顔となった。
そんなノートのなかでクルマ好きの琴線に触れるのが、現代のホットハッチと呼ぶに相応しいスペックを誇るノートオーラNISMOだ。
2021年8月に発表されたノートオーラNISMOは、NISMOのアイコンであるレッドアクセントのレイヤードダブルウイングを採用して低重心かつワイド&ローフォルムを実現。
加えて、レースで培った空力技術をベースにNISMO専用に最適化した空力性能を実現するデザインを採用して高速走行時の操縦性安定をはじめとする走行性能が高められている。
走りのほうもNISMOの名に恥じないノートオーラNISMOではその質をさらに高めるべく、ドライブモードに専用のNISMOモードが設定されているが、NISMOモード選択時のパフォーマンスがまた強烈で加速力とアクセルレスポンスはまさに異次元!
これにハイグリップタイヤの性能を最大限に引き出す専用サスペンションと車体剛性配分の最適化によって高揚感をもたらすハンドリング特性が加わり、誰もが心を奪われるのは必至。
それだけに、スイフト最上位グレードの車両本体価格に約60万円のプラスとなる298万1000円のプライスもむしろ安く感じるかも!?
■コックピットに収まればわかる、走らせればもっとわかる「VW ポロGTI」の魅力
車両本体価格がスイフトの2倍以上(435万7000円~)であることから、その対抗馬としては少々毛色が異なるものの、輸入車コンパクトホットハッチの代表格といえるポロGTIも忘れてはならない1台ではないだろうか?
その最大の魅力はクルマ好きのスポーツマインドを刺激する走行性能の高さにある。先代モデルの200psを上回る207psの最高出力を誇る2L TSIエンジンは320Nmの最大トルクを1500~4500回転の広範囲で発生させ、かつ0-100km/h加速も6.5秒という強心臓ぶりを発揮。
専用にチューニングが施されたローダウン仕様のスポーツサスペンション、高速でのコーナリング時にトラクション性能を最適化する電子制御式ディファレンシャルロック(XDS)、自分好みの走りを選択できるドライビングプロファイル機能との相乗効果によって、キビキビした走りを存分に味わうこともできる。
エクステリアもハニカム形状のフロントグリル、左右のヘッドライトをつなぐ車幅灯とともにヘッドライト内部まで赤いアクセントラインが走るGTIらしさが際立つデザインが何とも秀逸。
インテリアもGTI伝統の赤いアクセントを施し、GTI専用のマルチファンクションステアリングホイールや専用表示のデジタルメータークラスターを採用したコックピットも心が躍るようなスポーティさが演出されている。
国産車に比べると少々値が張るのは事実だが、それを補って余りあるハイパフォーマンスと充実装備は大きな魅力といわざるを得ない。
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