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フォルクスワーゲンとフォードは、2019年7月12日にニューヨークで、フォルクスワーゲングループのDr. ヘルベルト・ディースCEO、フォード社長兼CEOのジム・ハケット、そして「Argo(アルゴ)AI」のブライアン サレスキーCEOが出席した共同記者会見で、電気自動車を含む世界規模の提携を拡大することを発表した。
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この提携では、自動運転技術を開発しているArgo(アルゴ)AIと協力し、アメリカ、ヨーロッパに自動運転技術を導入し、両社のコラボレーションにより競争力やコスト、投資の効率性を向上させるとしている。
フォード傘下のアルゴAIにフォルクスワーゲンも対等出資
またこの提携と同時に、フォルクスワーゲンは自動運転の技術プラットフォームを開発している「アルゴAI」に、フォードと横並びで出資することも発表した。
フォードは2017年に自動運転技術開発のベンチャー企業「アルゴAI」に対し、2022年までに10億ドル(約1100億円)を出資し、事実上の子会社化をしている。
したがって今回はフォルクスワーゲンが「アルゴAI」に10億ドルを出資し、フォードと対等の出資比率になった。じつは、今回の提携ではフォルクスワーゲンとフォードの直接的な資本出資はないが、フォード傘下のアルゴAIにフォルクスワーゲンがフォードと同額を出資することで、事実上の資本提携関係を結んだ、とも言うことができる。
今回の提携により、フォードとフォルクスワーゲンの協業では、ハケットCEOとディースCEOが議長を務め、両社の役員が名を連ねる共同委員会によって管理・運営されるという。
フォードは2018年7月に自動運転技術の開発を加速させるために、自動運転開発部門を独立させ、新会社の「フォード オートノーマス ビークルズ」を設立している。この新会社は事実上「Argo AI」と一体になって技術開発を担当する形になっている。この提携の結果、フォルクスワーゲン グループの自動運転技術開発会社「AID」も、アルゴAIと統合する。またフォルクスワーゲンの子会社「AID」の企業価値は16億ドルとされ、結果的にフォルクスワーゲンはこの提携のために合計26億ドル(約2825億円)を出資することになる。
今後は両社の自動運転技術に関してはアルゴAIが技術センターになり、それをベースに両社がそれぞれ自動運転車を開発するという形になる。
現時点では、アルゴAIのレベル4の自動運転技術はヨーロッパとアメリカで展開する計画で、2021年には量産モデルとして市場に送り出すという。
アルゴAI
アメリカのペンシルベニア州ピッツバーグに本社置くアルゴAI社とは、それまでグーグルとウーバー テクノロジーズで自動運転技術の開発を行なっていた2人のエンジニアが、2016年11月に設立したベンチャー企業だ。
人工知能(AI)の開発・構築に特化している点が高い評価を受けている。そして2017年にはフォードから10億ドルの出資を受け、同時期に公道での自動運転実証走行を実施している。
さらに、LiDARを開発しているプリンストン光波を買収している。2018年からは、フォードと協力してマイアミ、ワシントンDCなどの公道で、自動運転の実証実験を開始。それ以後、デトロイト、カリフォルニアなどでも公道走行を行なうなど、公道テストの規模を拡大している。
研究開発センターは、ピッツバーグの本社、ミシガン州ディアボーン、ニュージャージー州クランベリー、そしてカリフォルニア州パロアルトの4ヶ所で、合計500人のエンジニアが在籍し、さらにカーネギーメロン大学の研究室とも連携している。
そして今回、ドイツ ミュンヘンに拠点を置くフォルクスワーゲンの子会社「AID」は、アルゴAIのヨーロッパ本社看板に付け替え、AIDの現在のカール ハインツ ヴルムCEOが責任者に就任する。
目指すは世界No1のアライアンス
「フォードとフォルクスワーゲンは独立した企業としての立場を維持し、市場では競争しながらも、アルゴAIとチームを組んで協力することで、かつてない可能性、スケールメリット、市場規模を達成することができるでしょう」と、フォード社長兼CEOのジム・ハケットは語っている。
フォードとフォルクスワーゲンは、2019年1月の「ニューヨーク モーターショー2019」で包括的な業務提携を結んでいる。この時点では小型商用車などの相互供給をはじめ、従来型ビジネスで協調することで合意している。具体的にはフォードはフォルクスワーゲンが手を付けていない中型ピックアップトラックを開発、生産し、2022年に供給を始める。一方、フォルクスワーゲンは2023年頃にフォードに小型の商用バンを供給するという業務提携だった。
だがこうした協業はそれほどスケールが大きなものではない。業務提携のメインテーマはもっと別のところにあった。つまり提携の本筋である電気自動車や自動運転分野ではどのように協業するか、それ以後が協議され、今回の発表に至ったわけだ。両社は地域補完も含んだ「世界連合」を目指しており、事実上の世界No1規模の企業アライアンスとなることが両社の本音だろう。
フォードのハケットCEOは、「フォルクスワーゲンとはライバルであったが、我々の競争相手は自動車産業の外にいることに気づいた。特に自動運転技術の登場で自動車産業は一変した。ここで後れを取ることはできない。両社の力を合わせて時代の変化をリードする」と語っている。
フォルクスワーゲンのディースCEOは、「当社には人材や技術、生産などの資源もあるが、現在のような業界の激変期において提携は非常に重要だ。数カ月の協議を重ね、フォードとの提携は新しいステージに進む」と語っている。
フォルクスワーゲン グループは、これまで買収は行なってきたものの、グループ単独で世界No1を目指すというスタンスは不変だった。実際、世界販売台数では単独でそれを成し遂げている。だが、MEBというツールの生産規模と効率、これから迎える自動運転時代を想定すると、フォードという大企業とアライアンスを組み、他社を圧倒する世界規模のリーダーシップを確実にするという方向にシフトしたのである。
EV分野での協業
今回の記者会見で、フォードはフォルクスワーゲンが開発した電気自動車専用のMEBプラットフォームを使用し、2023年にヨーロッパで量産電気自動車の販売を開始することも発表した。
フォードは、ヨーロッパ フォードのためにまったく新しいモデルを開発することを検討しており、6年間の間にMEBを採用した60万台以上の電気自動車を販売することを目指すという。この電気自動車は、商用車や、クロスオーバーモデルなどが含まれ、ヨーロッパにおいて引き続き強い存在感を示す戦略だ。
周知のようにフォルクスワーゲンは、2016年にMEBの開発を開始し、このMEBプラットフォームに約70億ドルを投資している。そしてこのプラットフォームを使用して、今後10年間でフォルクスワーゲン グループで、約1500万台の車両を生産することを計画している。ただその計画の一方で、MEBは他の自動車メーカーにも販売する「プラットフォームサプライヤー」になることも明言している。
フォードにとっては、フォルクスワーゲンのMEBを使用することは、全世界で115億ドル以上に達すると見込まれる電気自動車への投資計画の一環で、持続可能性に関するコミットメントを満たしながら、ヨーロッパのフォードユーザーに幅広い電気自動車を提供することが可能になる。
フォルクスワーゲンのディースCEOは、「MEBの規模を拡大することで、電気自動車の開発コストが削減され、電気自動車をより幅広く、そしてより素早く世界市場へ導入することができるようになります。これにより、資本効率が高まり、さらなる成長、そして競争力の強化を実現し、世界における両社のポジショニングが向上するでしょう」と語っている。
現時点でフォードは、ヨーロッパにおける2030年CO2規制をパスするために、フォード ヨーロッパの車種の電気自動車化を想定している。
アルゴ AI 公式サイト
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