東京オートサロン2020で、TRDとモデリスタの共同ブースのセンターに鎮座した未来感漂うコンセプトカー。「Ambivalent “RD”プリウスPHV コンセプト」と名付けられたそれは、TRDの技術力とモデリスタのデザイン力を合わせて作り上げた両ブランドの合作である。
プリウスPHVをベースに、両ブランドが魅力的かつ先進的でドライバビリティに優れたクルマに仕立てたことから、車名を「Ambivalent(アンビバレント)=両面価値、両価性、2つの感情を同時に持つこと」と名付けている。
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気になるのはやはり、エッジの利いた先進感たっぷりのフォルムだ。ホワイト系のボディカラーをベースにボンネットフード中ほどからキャビン(ルーフ、Aピラー)にかけてブラックに塗り分けると同時に、ヘッドライトからボディサイドにかけても同様にブラックアウト化することよって、ワイド&ローフォルムを際立たせるグラフィック処理を施す。
フロントやサイド、リヤのボディ下部にはダイナミックかつ滑らかな造形のシルバー加飾が施され、スポーティでエモーショナルな印象に仕立てた。
フロントバンパーには不思議感たっぷりの演出が施されている。バンパーを透過して、にじみ出るように発光するイルミネーションを採用し、エモーショナルな世界観を表現。見るものに驚きと先進性を与える新たなイルミネーションカスタマイズを提案している。
こういったドレスアップ的要素はモデリスタの得意とするところ。TRDが担当したのは空気力学に基づいた走りへのこだわりを盛り込んだボディワークだ。
具体的には可変式のフロントスポイラーやフロント開口部両端のエアアウトレット、ボディサイド後方上部のボディウイングレット、リヤタイヤハウス前後のフェンダーフィン、リヤスポイラー後端のガーニーフラップ、リヤの垂直尾翼、リヤディフューザーなどに、空気の流れをコントロールする処理を施し装着する。ボディサイドのドアミラーに代わるエアロダイナミクスサイドカメラも取り入れている。
これらの空力パーツは、車両の3Dデータを用いてスーパーGT GT500など、多くのレーシングカーをCFD(数値流体力学)で解析している社内チームが解析し、微修正をするなどして煮詰められた、こだわりのエアロパーツだ。
ちなみに、ホイールに施される造形も単なるデザインではなく、空力や繰安性を突き詰めたものだ。アルミホイールのスポーク間をプレートで埋めることで乱流を抑制する。星形に発光するひも状のパーツは、走行時のホイールの振動を抑制する効果を発揮し走行安定性を向上させる機能パーツで、単なる飾りではないとのこと。
両ブランドの強みを生かして製作された今回のコンセプトモデル。このまま製品化することはないが、将来、こうした技術やデザインエッセンスを盛り込んだパーツが登場することに期待したい。
〈文&写真=driver@web編集部〉
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