■クラシックSUVをオシャレに乗りこなしてみてはいかが?
RMサザビーズは、恒例のモントレー・オークションを、オンラインながら2020年8月中旬に予定通り開催することを決定した。
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毎年話題性に富む、さまざまな出品車が集まるこのオークションだが、それに備えて2020年7月23日から30日まで、「オープンロード・ノースアメリカ」と銘打ったリハーサル・イベントが開催されている。今回はここから、タフネスさと機能性で、アメリカではSUVと同様に人気の高いクロスカントリーモデルを紹介しよう。
●1990 メルセデス・ベンツ250 GDウルフ
まず紹介するのはメルセデス・ベンツ「250 GDウルフ」だ。そのスタイルを見れば、初代Gクラスのファミリーであることは一目瞭然だが、日本でお馴染みだったGクラスとは、その趣が大きく異なることがすぐに分かるだろう。
Gクラスはそもそも当時のダイムラー・ベンツと、オーストリアのシュタイヤー・ダイムラー・プフの両社が、オフロードモデルの共同開発に合意して誕生したものだ。生産はオーストリアのグラーツに建設されたプフの工場で1979年から開始されている。
モデル・バリエーションは意外にも幅広く、ホイールベースは2タイプ、ボディは5タイプ、エンジンも4種類が用意されるという豪華さだった。
そしてもうひとつ忘れてはならないのは、Gクラスには民間車のほかに軍用車も生産されていたということだ。
民間用が「460」のモデルナンバーを持つのに対して、軍用は「461」のシリアルプレートを掲げる。出品車はもちろん、機動性の高いショートホイールベースの後者だ。
搭載されるエンジンは、2.5リッター直列4気筒ディーゼルで、最高出力は90ps。これに5速MTを組み合わせ、さら副変速機と、前後にデフロック機能を備えている。
最近フレーム修正をおこなったというこのウルフは、そのボディやインテリアのコンディションからも想像できるように、コレクターズアイテムとしては実に魅力的な1台である。
RMサザビーズは予想落札価格を6万5000-7万5000ドル(邦貨換算約700万円-800万円)としていたが、実際の落札価格は5万600ドル(同540万円)だった。最近の、コレクターズアイテムとしてのGクラスの人気を考えれば、これは意外な掘り出し物ともいえそうだ。
■「Gクラス」のライバル「ディフェンダー」と「ラングラー・アンリミテッド」落札価格は?
続いて登場したのは、長年メルセデス・ベンツGクラスとライバル関係にある、ランドローバーの「ディフェンダー」だ。
ちなみにディフェンダーという車名が使用されるようになったのは、1989年にディスカバリーがランドローバーのモデルラインナップに加えられたことが直接の理由で、それまでの「90/110」が、新たにディフェンダーと名乗るようになったのだ。
●1992 ランドローバー・ディフェンダー110
ネーミングに添えられる110という数字は、単純にホイールベースの長さを示すもので、出品車のホイールベースは110インチ(約2794mm)。キャビンはフロントシートのほかに、2名ずつが向かい合って座る4名分のシートが用意されている。もちろんシートを収納すれば、そこは巨大で実用的なラゲッジスペースとなるわけだ。
ソフトトップもまだまだ素晴らしいコンディションだ。フロントには最高出力100psの3.5リッターのローバー製V型8気筒エンジンが搭載され、これに5速MTが組み合わされている。
走りへの期待も非常の大きい、このディフェンダー110。予想落札価格の9万-11万ドル(邦貨換算約960万-1180万円)に対して、入札は11万ドル(同1180万円)まで続いた。モデルの珍しさに加えて、オークション前にメンテナンスがおこなわれていることと、ディフェンダーそのものの人気がこの落札価格を裏付けているといえるだろう。
●2018 Jeepラングラー・アンリミテッド・カスタム
それではさらに新しい現代のSUVの人気はどうか。あえてこのオークションで落札しなくても、街の中古車店でいくらでも在庫はあるだろう、2018年式のジープ「ラングラー・アンリミテッド」のカスタムモデルのリザルトをチェックしてみた。
予想落札価格の5万ドル-7万ドル(邦貨換算約530万円-750万円)に対して、落札価格は5万1700ドル(同550万円)。まずは普通のリザルトである。
さまざまなカスタムが施されたこのラングラー、実はその収益金の全額は、退役軍人のための介助犬(シェラデルタサービスドッグ)をサポートするための寄付金として使用されるのだという。シェラデルタは介助犬を困っている退役軍人とペアリングすることを、おもな目的とする団体で、これまでに400人以上の退役軍人に民間の普通の生活に戻るために必要な介助犬とのペアリングをおこなってきたという。
海外のオークションでは、こうした寄付目的のクルマも多く、日本との文化の違いを感じるところだ。
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