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マクラーレン・ソーラスGT 単座のバーチャルマシン、まさかの実車販売 スライド式キャノピーで登場

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マクラーレン・ソーラスGT 単座のバーチャルマシン、まさかの実車販売 スライド式キャノピーで登場

ゲームが現実に どうやったの?

英マクラーレン・オートモーティブが、新型車「ソーラスGT」を発表した。

【画像】マクラーレン新型車「ソーラスGT」「アルトゥーラ」【細部まで見る】 全58枚

1人乗りのコクピットを採用した限定車で、25人のオーナーのために特別に製造される。

ゲームソフト「グランツーリスモSPORT」に登場するマクラーレンの未来的なコンセプトカーが、現実のサーキット専用マシンとなって我々の前に姿を現したのだ。

フォーミュラマシンを除けば、同社のどんなモデルよりも速いタイムでラップするという1台。

英国のスーパーカー・メーカーは、いかにしてバーチャルのマシンを、リアルの世界に送り出したのか?

その外観は、シングルシートの戦闘機を連想させるスライド式キャノピーが目を引く。

4つのタイヤを覆うような空力を追求したポッド、コクピット上に配置されたインテーク、ラジエーターを内蔵するサイドポッドといった造形は、ソーラスGTの出自がたしかにモータースポーツ・シーンであることを裏付けている。

シングルシーターのための内装とは

そのキャノピーが前方へスライドすると、コクピットが現れる。

車体中央に陣取るシートは固定式を採用。25人のオーナーは、F1レーサーのように「シートフィッティング(シート合わせ)」を済ませた1台でコースを走ることになる。

ペダルボックスの位置を調整できるのもレーシングカー譲り。

F1からインスピレーションを受けたステアリングは、タイトな単座モデルのために基本的な操作を手元で行えるように作り込まれた。ステアリングの向こう側はガラスの「バブル」が覆っている。

また、F1マシンのように、乗員を守るデバイスとしてヘイロー(ハロ)が設置されているのも注目だ。

そして、熱いバトルを仕掛けてくる後続マシンをとらえるのは、ロールフープ内に潜む広角カメラ。ドライバー正面のディスプレイで相手のライン取りを確認しよう。

V10エンジン 840ps超えのスペック

パワートレインは、5.2L V10ユニットと、7速シーケンシャル・ギアボックスの組み合わせ。

注目すべきは、このギアボックス・ケースに、リア・サスペンションが剛結されていること。シャシー構造の一部として組み込まれているわけだ。

エンジンは、少量生産の削り出しコンポーネントで構成され、完全なギア駆動を採用。補機類のためのチェーンやベルトは存在しない。

最高出力:840psオーバー
最大トルク:650Nm(66.3kg-m)
最高回転数:10000rpm以上
0-100km/h加速:2.5秒(目標値)
最高速度:320km/h

製造面のニュースは、シャシーに関する部分。予めカーボンファイバーに樹脂を含浸させる「プリプレグ」工程により、サーキット走行に耐える強度を確保したというのが本気をうかがわせる。

販売状況/納車について

車重は「1000kgに満たない」と発表されたソーラスGT。

驚くことに、その強烈なエクステリア・デザインが生み出すダウンフォースは、1200kgオーバーと言われている。

マシンの総重量を上回る空力の鍵を握るのが、2枚の羽で構成される固定式リアウイング。

ダウンフォースとドラッグの比率を最適化し、直線加速の能力が押し上げられるとともに、コーナリング性能は極めて高いレベルに達している。

さらに、フロントの巨大なスプリッターから取り込まれる空気は、車体を前後に貫く2本のグラウンド・エフェクト・トンネルを抜け、リアエンドのディフューザーから後方へ放たれる。

これほどのエアロダイナミクスを持つ特別なマシンとあって、マクラーレンではドライバー育成指導プログラムを用意し、オーナーがその性能をフルに活用できるようサポートするという。

残念ながら25台限りのスペシャルマシンは、全数が売約済み。

ブランドの象徴でもあるディへドラル・ドアとはまったく異なる「扉」を形にして、マクラーレンの新境地を見せつけたソーラスGT。そのデリバリーは2023年に始まるという。

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