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デニスホッパーに忌野清志郎にエリマキトカゲまで! 「三菱って~のが」なんてセリフもあったかつての衝撃クルマCMたち

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デニスホッパーに忌野清志郎にエリマキトカゲまで! 「三菱って~のが」なんてセリフもあったかつての衝撃クルマCMたち

 この記事をまとめると

◼︎クルマのCMには人気著名人が昔からよく起用されていた

マックのCMで「キムタク」が乗ってる旧車がカッコいいと話題! いったい何の車種?

◼︎また誰もがクルマと結び付けて覚えているような秀逸なキャッチコピーも多かった

◼︎そうしたCMとキャッチコピーを紹介する

 印象的なCMによってキャラが決まったクルマたち

 新車に限らず、テレビコマーシャルでよりインパクトを与える手法としては、俳優など芸能人を起用した“キャラクターCM”と、インパクトの際立つキャッチコピーがあるだろう。

 キャラクターの起用と、キャッチコピーの絶妙な組み合わせといえば、古くは初代日産マーチを思い出す。キャラクターが“たのきんトリオ”のひとりとなる近藤真彦氏。そして、そのキャッチコピーが確認できただけでも、“マッチのマーチはあなたのハートにマッチする”、“マッチのマーチはあなたの街にマッチする”、“マッチのマーチはあなたの夢にマッチする”と複数のパターンが存在していた。

 キャラクターの近藤真彦氏の愛称である“マッチ”と車名のマーチを掛け合わせた、まさに“夢のコラボレーション”ともいえるCMとして筆者はとても印象的に覚えている。ちなみに初代日産マーチは1982年にデビュー。車名は一般公募で決められ、筆者も応募している。

 ちょうど高校生の時、友だちとともに度肝を抜かれたのが、2代目三菱ミラージュのCM。CMキャラクターは、忌野清志郎氏で、CMソングはもちろん、RCサクセションの“ベイビー逃げるんだ”。キャッチコピーも“ベイビー逃げるんだ”。さらにCMの最後に忌野清志郎氏が“三菱ってーのが作ったんだぜ”と言って終わるという、とにかく当時としては“ぶっ飛んだ”CMだったのを覚えている(市民Aに忌野清志郎が聞く、「ミラージュで町内走ってくるぜ」バージョンもあり)。

 その後はキャッチコピーが“こんどのMIRAGE”となり、エリマキトカゲが出てくるCMも話題になった。ただ、話題が先行してしまい、販売促進にはそれほど効果がなかった部分は否定できないパターンの典型と筆者は考える。

 また初代アルトのCMもとても印象的であった。フランスのパリで撮影されたものがあり、フランス美人(マリ アンヌ)がアルトでパリの街をドライブするというもので、お洒落にまとめられているのだが、そのキャッチが“スズキ アルト47万円”。まさにこの直球勝負のキャッチは当時衝撃的なものとなり、初代アルトの爆発的大ヒットを招き、ライバルメーカーはこぞってアルトのように、軽ボンネットバンベースのライバル車をラインアップした。

 お洒落なパリの映像に、“47万円”という超ストレートであるコピーを採用すらたりが、個人的にはいかにもスズキらしい実直さを感じてしまう。

 4代目マツダカペラのCMも印象的であった。3代目で欧州を中心に海外で高い評価を受けるようになり、4代目では西ドイツの自動車ユーザーからも高い支持を得るなど、とにかく欧州での高い評価を3代目から引き継いでいた。そして国内CMのキャラクターはフランスの国民的俳優となるアラン ドロン氏。アラン ドロン氏がカペラを操ったりする映像に挿入されたCMソングはCMキャッチコピーにも使われた、布施明氏の“たまらなくテイスティ”。

 布施氏の聡明な歌声とアラン ドロン氏の映像はCMの枠を越えたものに筆者は映った。ちなみに日本の大スターであった、高倉健氏は、4代目及び5代目の三菱ギャランΣのCMに出演していた。とくにインパクトの強いキャッチコピーはなかったのだが、筆者の私見でいわせてもらえば、圧倒的存在感を見せる高倉氏が出演しているだけでインパクト十分と判断したのかもしれない。

 世の中がバブル経済に沸いた80年代後半から90年代初頭は、日本人だけでなく海外有名人を起用したキャラクターCMが激増した。

 さまざまなジャンルで活躍する著名人が自動車界を盛り上げた

 有名なところでは、井上陽水氏をキャラクターに起用した、初代日産セフィーロのCMでとなり、キャッチコピーの“くうねるあそぶ”はあまりにも有名。

 また、当時アメリカ市場でまさに“イケイケ”だったホンダは、2代目インテグラでマイケル J フォックス氏を起用。CM挿入曲はマイケル氏の代表作のひとつでもある、“バックトゥザフューチャー”の主題歌でもある、ヒューイ ルイス&ザ ニュースの“The Power of Love”。そしてキャッチコピーは“カッコ インテグラ(気持ちインテグラもあり)”。ハリウッドの大スターが日本語を話すというだけでもインパクトの強いCMだったのは間違いない。

 6代目セリカのCMでは、デビュー当初の“セリカの男”というコピーがとても印象的であった。その後のCMではキャラクターとしてデニス ホッパー氏を起用。俳優だけでなく、映画監督、芸術家など多彩な顔を持ち、筆者のあくまで私見で言わせてもらえば、公私ともに“暴れん坊”といったイメージを強く感じ、大ファンであった。そのデニス氏がCMでは人生訓のようなものを語り、最後に英語で「You like it!」と語り、そこで日本語で“セリカは好きか”と画面上に出てくる。映画ファンの間でもかなり衝撃的なCMであった(何かとお騒がせなデニス ホッパー氏がCMに出演すること自体信じられなかった)。

 セリカでは5代目では、映画俳優のエディ マーフィ氏を起用。“Wanted”のコピーとともに、こちらもまた、ハリウッドの大スターが登場し印象的なものとなっている。

 また7代目クラウンで使われていた、“いつかはクラウン”というのも有名なキャッチコピー。石坂浩二氏の声で語りかけられれば、誰でも「そうだよなあ」という気分にさせてくれた。

 最近ではインパクトのあるキャッチコピーや、CMキャラクターを採用したコマーシャルはあまり見られなくなった。ここで紹介した過去のCMを見ていくと、全体としては新型車や、これから知名度をアップしていこうというモデルでインパクトの強いキャッチコピーとCMキャラクターの採用というパターンが目立つようだ。世間での注目はかなり高まったモデルもあり、一部を除けば販売台数にも貢献しているのは間違いないので効果は過去にはあったようだ。しかし世間の多様化が進む現在ではイメージを固定してしまうので、ビシッと決まったキャッチコピーやキャラクターの採用は意図的に手控えているようにも見え、いまではあまり見受けられなくなっているのではないだろうか。

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