新型アルファード/ヴェルファイアの公道試乗会が2023年7月25日に開催された。トヨタ最上級ミニバンの公道での実力はいったいどうなのか、さっそく国沢光宏氏のインプレッションをお届けしよう!
文/国沢光宏、写真/池之平昌信
アル/ヴェルで乗り味まったく違う!! 「極楽快適」アルファードと「どっしりスポーティ」ヴェルファイア……あなたが選ぶべきは?
■新型アルファード/ヴェルファイアは乗ってどうだ?
2023年6月21日に発表された新型アルファード/ヴェルファイア。それから約1カ月後にようやく公道試乗会が開催された
KINTOを除き今や納期1年以上となっている新型アルファード/ヴェルファイアの試乗会が行われた。欲しい人はすでにオーダーを入れているだろうから、試乗レポート読んでも遅い。
はたまた「すぐ買えないクルマ」のバイヤーズガイドということで微妙ですね(笑)。とはいえオーダーしなければいつまで経っても乗れない。どんなクルマか紹介してみよう。
まず最初に試したのはアルファードの最上級グレードである2.5Lハイブリッドの「エグゼクティブラウンジ」
まず、ハンドルを握ったのは最上級グレードとなるアルファードの「エグゼクティブラウンジ」。2.5Lのハイブリッドと組み合わされ、850万円というプライスタグが付く。ドライバーズシートに座ると、驚くことにフェイシア(インパネ)がミニバンと思えないくらい高い位置にある。ノアの場合、ミニバンとして考えたら標準的な「フェイシアは見下ろす高さ」。
新型アルファードのインパネ。エンジンプッシュスターターボタンはステアリング左上と中央のモニターの間に位置している
アルファードときたら、スポーティモデルのように高い。普通のミニバンと”景色”がまったく違っており、新鮮だ。面白い場所にある起動ボタンを押し、Dレンジをセレクトして走り出す。
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■まるで大型クルーザーのような乗り味のアルファードハイブリッド!
アルファードハイブリッドのシステム出力は250psを誇る。そのパワー感は筆者の国沢氏の予想よりも上だったのだという
そしてまた驚く。予想していたよりずっとパワー感あります。後でスペックを見たら、システム出力は250psもある。4WDモデルだと2290kgなのだけれど、モーターのアシストが大きいらしく重さを感じさせない。
続く”驚き”はいい意味でのドッシリ感。「鈍重」でなく「堂々」という文字をイメージしていただければいいと思う。直進安定性の高い大型クルーザーに乗っているみたいだ。乗り心地だって良好。
新型アルファードの2.5L直4ハイブリッド。モーターアシストの大きさでボディの大きさを感じさせないセッティングに
高速域になると少しダンピング不足傾向となるものの、街中を流しているかぎりは問題なし。アクセルを全開にするとエンジン音も賑やかになるが、ドッシリ乗るならすべての点で素晴らしい!
後席をチェックすると、多少のことでは驚かないベテランのヒョウロンカですら「こりゃ楽しいね!」。2列目に付くキャプテンシート、極楽浄土へ続く感じ。形状や座り心地もさることながら、いろんな機能が付く。
アルファードの2列目シートのキャプテンシート。座り心地やフィット感もさることながらオットマンやマッサージ機能などさまざまな付加価値を持つ
写真をクリックして大きくしてみていただきたい。アレコレいじって遊びたくなってしまう。ゲストを乗せたら「凄いですね!」と大喜びしてもらえるんじゃなかろうか。
アルファード「エグゼクティブラウンジ」のキャプテンシートに座る筆者。その快適性にご満悦!
■従来型V6、3.5LDOHCのリプレイスとなる2.4Lターボを試す!
2台目は2.4Lターボエンジンを搭載したヴェルファイア「Z Premier」に試乗。
続いてヴェルファイアの2.4Lターボ279psを試す。3.5LV6モデルの後継的な位置づけになるという。グレードは655万円の「Zプレミア」。このモデルだってゴージャスな2列目シートを持つ。
ヴェルファイア「Z Premier」の2列目シート。左右シート間の設定などエグゼクティブラウンジとはかなり違っている
エグゼクティブラウンジが凄すぎるのであり、写真を御覧いただければわかるとおり、Zプレミアだって標準的なミニバンの2列目シートとして評価すれば超ステキだ。絶対的な動力性能は必要にして充分。
特にアクセル開度の高い領域になるとハイブリッドより静か。ただ。ハイブリッドより圧倒的にパワフルかといえば、思っていたより差はない。ハイブリッド、元気いいのだった。アクセル開度の高い使い方をするなら2.4Lターボが快適。ゆっくり走る人はハイブリッドを薦めておく。実用燃費を考えるなら圧倒的に後者です。
ヴェルファイアZ Premierの2.4L直4ターボエンジン。筆者はアクセル開度の高いユーザーはこちらを選ぶべきと指摘
サスペンション設定は予想していた以上に違う。ヴェルファイア、高速域&高い横Gを出せるような味付けになっている。高速道路の安定性や、コーナリング性能を重視したそうな。乗ると運転している人は「2トンを超えるミニバンと思えないようなシャープな走りですね!」。
一方、リアシートに座っているといささか硬い。というか突き上げ感で厳しい。
■ドライバーはまだしも助手席や後席の乗り心地は厳しいか……
筆者と新型ヴェルファイア2.4LターボのZ Premier。試乗してみてダンパーの動きの渋さに注文をつけていた
新型でボディ剛性を大幅に向上させたため車体は充分作り込めている。けれどダンパーの動きが渋いのだろう。後席にゲストを乗せると高い確率でコンプレイン(苦情)が出るレベル。極上のシートと相反します(笑)。
すでに購入しており、選択を誤ってしまったと思うなら。いくらでも改善策はある。前述のとおり、ボディの作りがガッシリしているため、良質のダンパーに変えればOK。
ヴェルファイアZ Premierのインテリア。非常に質感が高く、まとまった仕上がりを見せている
おそらくヴェルファイアの硬い乗り心地を改善させながら、オリジナルと同等以上のハンドリングを実現している足回りがたくさん出てくると思う。そのなかから評判のいい製品を選べばいい。乗り心地さえよくなったらヴェルファイアは文句なしの魅力的なクルマになることだろう。
ということで試乗速報でした。新型アルヴェルを買った人には「いいクルマ買いましたね!」と祝福しておきます。
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みんなのコメント
軽トラに高級感求めてるようなもんだろ
無理だし無駄