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プレミアムでスポーティなフォルクスワーゲン──新型パサートGTEヴァリアント試乗記

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プレミアムでスポーティなフォルクスワーゲン──新型パサートGTEヴァリアント試乗記

フォルクスワーゲンのステーションワゴン「パサート・ヴァリアント」に追加設定されたプラグイン・ハイブリッドの「GTE」に小川フミオが試乗した。

進化のポイント

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“機能美”という言葉がぴったりの1台が、フォルクスワーゲンのパサート・ヴァリアントだ。大きな荷室と、すっと前後に長いバランスのとれたプロポーション。2022年4月に、さらに走りと燃費が強化されたプラグイン・ハイブリッド「パサートGTEヴァリアント」が発売された。これ、いいクルマなのだ。

パサートGTEヴァリアントの車名にある“GTE”を分解すると、GTはロングツーリングもこなす走りが楽しいモデルを意味し、Eは電動。ヴァリアントは、フォルスクスワーゲンのラインナップにおけるステーションワゴンのことだ。

2022年に登場したモデルは、従来と比べバッテリー容量が約30%増しになったのがセリングポイント。従来の9.9kWhから13.0kWhに容量が増えたおかげで、一充電からの航続距離は57kmになった。

操縦しての印象は、意外なほど力強い。115kW(156ps)の1394ccガソリン・エンジンに、85kWの電気モーターを組み合わせており、最大トルクはエンジンの250Nmにくわえてモーターの330Nm。この数字からの期待を裏切らない。加速にすぐれ、しかも静か。

ドライブモードは車内からの切り替え式。モーターのみで走行するEVモードか、モーターとエンジンを効率よく使って走行するハイブリッドモードを任意で選べる。

ハイブリッド走行でも、最初にモーターを使いきったあとエンジンを始動させるのが基本なので、駆動用バッテリーの充電量をたくわえておきたいときは、充電量をドライバーが設定できる。

充電量を50%まで、とすれば、かりにそれより残量が下まわっていたばあい、そこまではエンジンがまわり、規定量まで充電するとモーターに切り替わる。一般的なチャージモードと一線を画すのは、このようにバッテリーマネージメントが細かく設定できる点だ。

けっこうスポーティ

パサートGTEヴァリアントには、専用のドライブモードもある。それが「GTE」モード。センターコンソール上のボタンで起動。「モーターとエンジンの両方のパワートレインを使って力強く走行する」モードと、フォルクスワーゲンでは説明する。じっさいにそのとおり。ひとことで言って、速い。

パサートGTEヴァリアントは、全長4785mmのボディに、通常時483リッターの容量を持つ荷室を組み合わせていて、スポーツとか趣味を持つひとにはとくに使い勝手がよさそうだ。目的地までの移動距離が多少長くても、気持ちよく乗っていられるだろう。

足まわりは“GT”というだけあって、やや硬め。私が乗ったのは、装備が豊富な上級グレード「アドバンス」だったので、電子制御ダンパーのアドバンスシャシーコントロールや、「XDS」とフォルクスワーゲンが名づけている電子制御式ディファレンシャロックなどをそなえる。さらにタイヤ径が18インチに上がる。

標準モデルと乗り較べていないため、予断は許さないとはいえ、おそらく、高速や山岳路でのしっかりしたハンドリングが、この「アドバンス」の長所だろう。パサート・ヴァリアントが本来持つ機能主義を拡大解釈して、走りも楽しみたい、というひとにはとくに向いていそうだ。

燃費はリッターあたり15.9km(WLTCモード)。自宅に充電設備があるひとなら、ふだん使いではガソリンの消費はゼロに近く抑えることも出来るだろう。

標準モデルは634万5000円、「アドバンス」は683万8000円と、けっこう魅力的な価格設定だ。ただし22年内の供給台数はわずか50台。半導体不足がうらめしい。

文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)

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