9月14日、2024年FIA F2第12戦バクーのスプリントレース(決勝レース1)が行われ、ジョシュア・デュルクセン(AIXレーシング)がFIA F2初優勝を飾った。宮田莉朋(ロダン・モータースポーツ/TGR WECチャレンジプログラム)はリタイアとなった。
スプリントレースの上位10グリッドはリバースグリッドにより決定され、10番手タイムを記録したクリスチャン・マンセル(トライデント)がデビューレースながらポールシッターとなった。
フロントロウ2番グリッドにジャック・クロフォード(ダムス・ルーカスオイル/アストンマーティン育成)、2列目3番グリッドにオリバー・ベアマンの代役としてFIA F2初レースを迎えたミニ、4番グリッドにデュルクセンが続いた。
タイヤ交換義務のない21周のスプリントレースは、曇天のもと気温27.3度、路面温度34.3度となるなかスタートを迎えた。
ポールシッターのマンセルは蹴り出しよく、鋭角のターン1のホールショットを守る。その後方ではクロフォードとデュルクセンがイン側でポジションを争う間に、ターン1進入でアウト側からミニが2台をまとめて攻略。ミニが2番手に浮上し、デビューレースのふたりがレースをリードする状況へと変わった。
2周目よりDRSが使用可能となると、2番手ミニは首位マンセルの隙を窺う。ただ、3番手デュルクセン以下、隊列は後方までが数珠繋ぎの“DRSトレイン”となり、序盤は均衡状態が続いた。
そんななか、6周目のターン15でマンセルがわずかにミス。その瞬間を待っていたとばかりに間合いを縮めたミニが、続く7周目のターン1でマンセルのインに飛び込み、ミニがトップに浮上する。
翌8周目のターン1ではデュルクセンがマンセルのインに飛び込み2番手に浮上。特にセクター2でスピードを見せるデュルクセンは、ミニとの間合いを縮めるが、ミニも易々とはポジションを譲らない。
レースも後半に入った12周目。ミニとデュルクセンは0.1秒差というテール・トゥ・ノーズの状況となった。ミニはターン18でわずかにふらつき、13周目のホームストレートでデュルクセンがトップに浮上する。
トップに浮上したデュルクセンはプッシュをキープし、わずか1周でミニに1.8秒差を築いてDRSを使わせない。これで苦しくなったミニに引っかかったマンセルを、15周目のホームストレートでクロフォード、ビクトール・マルタンス(ARTグランプリ/アルピーヌ育成)がオーバーテイクする。
一方、13番手走行中の宮田が15周目のターン3でデニス・ハウガー(MPモータースポーツ)のイン側に飛び込みオーバーテイクを仕掛けた。しかし、宮田は止まりきれずバリアにクラッシュし、セーフティカー(SC)導入となる。なお、宮田のマシンのフロントブレーキからは火が出る様子が国際映像に映し出されている。
レースは残り4周となった18周目にリスタートを迎えた。2番手ミニにとってはラップリーダーの座を取り戻すチャンスではあったが、ここはデュルクセンが見事なリスタートを見せて首位をキープ。一方、ミニはターン1でアウトに膨らみ、クロフォードが2番手に浮上する。
上位勢が比較的クリーンなバトルを見せるなか、マンセルとガブリエル・ボルトレート(インビクタ・レーシング/マクラーレン育成)が接触。オリバー・ゲーテ(MPモータースポーツ/レッドブル育成)がアムーリ・コルデール(ハイテック・パルスエイト)に追突するなど、後続では至る所で接触が相次いだ。
21周目を終え、フォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパからFIA F3を経ず今年FIA F2にデビューしたデュルクセンが初優勝を飾った。2位クロフォード、3位ミニまでが表彰台登壇。ミニは初レースで表彰台獲得という大仕事を成し遂げた。
以下、4位マルタンス、5位ボルトレート、6位ポール・アーロン(ハイテック・パルスエイト)、7位アンドレア・キミ・アントネッリ(プレマ・レーシング/メルセデス育成)、8位マンセルまでがポイント獲得となった。
ドライバーズランキング首位のアイザック・ハジャル(カンポス・レーシング/レッドブル育成)は12位で入賞には届かず。ボルトレートとのポイント差は6.5点差に縮まった。
続く、フィーチャーレース(決勝レース2)は15日の日本時間16時35分から、タイヤ交換義務を有する周回数29周、もしくは60分+1周で争われる。
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