人気店の味に納得、季節限定は次回のお楽しみ
「うどん共和国」に名乗りを上げた埼玉県で各地のうどんを味わうべく、今回バイクでやって来たのは埼玉県比企郡川島町にある人気店「本手打うどん庄司」です。
この地域からも想像できますが、いわゆる「武蔵野うどん」を提供するうどん店で、太くてコシが強く、噛み応えのあるうどんが特徴です。
じつは一度訪れたことがあるのですが、そのときは残念ながらすでに閉店していたので食べられませんでした。営業時間は10時30分から15時(ラストオーダー14:30)で、売り切れ次第終了なのです。
ということでリベンジです。開店30分前には店に到着。すると次から次へとクルマがやって来て、20台分の駐車場が埋まってしまいました。平日にも関わらずこの人気、おそるべしです。
今回の目的は、夏の季節にぴったりな「すったてうどん」を食べることです。が……残念ながら5月~9月の季節限定メニューでした(取材は4月中旬)。
前回の反省を踏まえて開店前に来たのはいいものの、時期は少し早かったようです……。
ちなみに「すったてうどん」とは、冷たいうどんの上に細かく切ったみょうが、きゅうり、大葉、大根、玉ねぎを乗せて、冷たいごまだれにつけて食べるうどんです。
「すったて」は、ここ川島(かわじま)町で生まれた夏の風物詩的な「冷や汁」のことで、その名の由来は「農作業の合間に突っ立ちながら食べたもの」や「ごまの“すりたて”がなまったもの」など諸説あるようです。
そんな「すったてうどん」はまた今度ということで、店の方に「この地方ならではのうどんはありますか?」と訪ねてみると、「肉汁うどん」と「冷やしたぬきうどん」がオススメとのこと。
「肉汁うどん」は他の店でも何度も食べているので、「冷やしたぬきうどん」(1050円)を注文しました。量は小盛(400g)を基準に中盛(550g)が100円増、さらに大盛、特盛、特々盛が選べます。今回は中盛にして、「旬の天ぷら」(150円)も薦められるままに注文しました。
できあがりを見て、想像を超えるビジュアルに思わず感嘆しました。揚げたての野菜の天ぷらと「鬼おろし」でうどんが完全に覆われ、それがなんとも美しいのです。「和の美」とでも言うのでしょうか。色鮮やかな細切りの人参が、見た目もそのままに揚げられています。
さつまいも、ナス、ピーマンなど、どの野菜も甘く美味い。野菜にもこだわりあり! と感じました。そして「鬼おろし」の食べ応えと食感。下に隠れているうどんの存在が気になりつつも、まずはつゆに浸されていない状態で天ぷらを味わいました。
そしていよいようどんを食します。想像以上のコシです! 少しずつ口の中に入れて噛み砕きながら食べ進めます。なかなか減りません。これは大盛以上は完食できる自信がありません。
しかしこの小麦の味、甘さ、香り、たまりません。後日公式HPを見ると、あめ色(小麦色)のうどんは香りが高く、全粒粉(小麦をまるごと粉末状に挽いたもの)にはビタミンEが多く含まれているそうです。
天ぷらとの相性も抜群で、最後まで飽きることなく美味しくいただけました。
そして忘れてはいけないのが「旬の天ぷら」です。具材は「ねぎ坊主」でした。いわゆる「ねぎの花」だそうです。ほんの少し苦味があって、とても美味しかったです。
この1杯で、ほかのメニューも美味しいことが想像できます。5月以降に今度こそ「すったて」を食べにきたいと思います。また、11月~3月は「呉汁(ごじる)」(みそ煮込みうどんの上にすりつぶした大豆を乗せた冬限定の煮込みうどん)を食べることができます。
お腹いっぱい大満足で店を出ました。バイクで巡る「うどん共和国」の旅は、まだまだネタがいっぱいありそうです。
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