藤原ヒロシの今月気になったもの、買ったもの「Burton × FRAGMENT」──連載：HIROSHI FUJIWARA WHAT I WANT

当代きっての〝目利き〟として知られる藤原ヒロシが、「気になったもの」や「買ったもの」を紹介。世界中を旅して回る彼が見つけた今月の一品は、服？ ガジェット？ それともアート？

─いよいよ、今年も雪山シーズンが到来。というわけで、バートンのスノーボードのアイテムですね。藤原ヒロシ（以下、藤原）　バートンとはもう30年くらい一緒に物作りをしてきたんですけれど、今回のようにボードからバインディング、ヘルメット、ゴーグルといったアイテムまでを、一つのコンセプトでセットとして作ったのは初めてなんです。

─これまで、いろいろなウェアやギアを作ってきたけれど、こうして一つの“コレクション”のようなセットで作られたことは今までなかったんですね。これはヒロシさんからのアイデアだったんですか？藤原　いや、そういうわけでもなくて。スノーボードのアイテムって、例えばウェアとギアだと企画する時期も違うし、開発チームも別々だったりするんです。だから、たまたまタイミングが合ったということのほうが大きいかな。

─長年、バートンと仕事をする中で、デザインに関して、時代とともに変わったことはありますか？藤原　うーん、というか、スノーボードの板のデザインって、簡単なようでいて意外と難しいんですよ。デザインできる範囲も決まっているし、かといって、無難にロゴだけとかだと、そういうシンプルすぎるものもつまらないし……。それで今回は、モノグラムのグラフィックをデザインして、それをそれぞれのアイテムに使ってみました。モノグラムのスノーボード用のギアって、あまり見たことがないし、良いかなと。

─逆に、ひと昔前はインパクトの強いグラフィックを使ったボードが一般的に多かったようにも思います。藤原　そうですね。でも、僕はやりすぎちゃうのも好きじゃないから。今回のものは、さっきも言ったようにボードだけじゃなくて、バインディング、ヘルメット、ゴーグルといったものまで含めた“セット感”が出せたところが良かったと思います。

─確かに、ボードだけでなく、周辺のグッズまで同じモチーフによるグラフィックでデザインされているのは、見たことがないかもしれないです。藤原　まあ、ある意味でラグジュアリーブランド風というか。バッグと犬の首輪がお揃いの柄になる、みたいな感覚ですかね（笑）。

─確かにモノグラムって、そういう使われ方しますもんね。ところで、ヒロシさんのスノボ歴も40年近くになりますよね。その中で、スノーボードを巡る環境やヒロシさん自身のスノーボードとの接し方って、ずいぶん変わりましたか？

藤原　なにかと気候に左右されるスポーツだから、気候変動、温暖化の影響を一番感じます。僕が始めた頃よりは、明らかに雪が減って、滑れる時期が短くなっていますよね。あと、日本の雪山に海外からやってくる人がものすごく増えたというのもありますね。

─外国人客の増加の話はよく聞きます。藤原　うん、海外の人の間では“日本の雪質は世界一”みたいなことも言われているようだしね。そのこともあってか、スノーボードのイメージが30年前と比べてラグジュアリーなものになったように思います。

─ヒロシさん自身は、“冬はスノーボード”というライフスタイルはこの先も変わらないですか？藤原　そうですね。これからの季節、ふと思い立った時にクルマで雪山に直行できると最高ですね。

文・鈴木哲也　編集・岩田桂視（GQ）

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Comments

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吉本興業の副社長ですよね