現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > BEVにも「チンクらしさ」は残るのか!? 従来型500オーナーがフィアット500eに乗ってみた!!

ここから本文です

BEVにも「チンクらしさ」は残るのか!? 従来型500オーナーがフィアット500eに乗ってみた!!

掲載 1
BEVにも「チンクらしさ」は残るのか!? 従来型500オーナーがフィアット500eに乗ってみた!!

 小柄なボディとキュートなスタイリング、そして元気な走りで日本のファンも多いイタリアの国民車・フィアット500。従来型はアバルトチューンの595なども人気を博しており、多くの人から愛されている。

 そんな愛されキャラであるフィアット500の新型モデルは、時代の潮流に合わせBEV(バッテリーEV)として遂に日本に上陸。

BEVにも「チンクらしさ」は残るのか!? 従来型500オーナーがフィアット500eに乗ってみた!!

 そこで、従来型のフィアット500を愛車とするモータージャーナリストの島崎七生人氏が速攻試乗。 BEVでも“500らしさ”を味わうことはできるのか!?

●フィアット500eのここがポイント!!!
・日本で販売されるのはハッチバックとカブリオレの2タイプ3モデル
・全車BEV(118ps/22.4kgm)
・航続距離は335km(WLTCモード)
・デザインは先代モデルをオマージュ

※本稿は2022年4月のものです
文/島崎七生人、写真/ベストカー編集部、撮影/奥隅圭之
初出:『ベストカー』2022年5月26日号

■ガソリン500オーナーの第一印象は!?

左は筆者である島崎七生人氏所有のフィアット500。まん丸お目目の500に対し、新型の500eはヘッドランプ上部がカットされていて、どことなくヤンチャな雰囲気になっているが、チンクはチンク

 僕の目下のファーストカーであるチンクのガソリンタンク容量は35L。

 習慣として残量半分程度で満タンにしながら乗っているから、家内から「わりと頻繁にガソリンスタンドに寄るのね。レジ横で売っているラスクが買えていいけど」と言われるが、その感覚に照らせば、500eのWLTCモード335kmは、近距離メインの今の僕の用途なら、もし乗り換えてもあまり苦にはならないと思う。

 遂にというべきかやっとというべきか、日本上陸を果たした500e。実車は、写真やオンラインの発表時の映像で見るよりも違和感がない。

 というより、全長+60mm、全幅+60mm、全高+15mm、ホイールベース+20mmながら、依然5ナンバーサイズに収まるせいか“コンパクト感”がまったく薄れていない点に好感をもった。世代ごとにゴージャス化するMINIとは好対照。

 ちなみに本国で設定のあるワン・ツードア(左側1、右側2)は、左側通行の日本仕様では安全、仕様上の観点から導入はないとのこと。

 唯一、フロントの超巨大な500のロゴエンブレムはこれから見慣れるかどうか。内部にADAS関連のセンサー類が仕込まれているのかどうかは未確認。

 僕のチンクには別の限定車に付いていた“ビンテージロゴ”に交換ずみなのだが誰にも気付かれない……というのは余談だが……。

■インテリアは少し不満…?

500eのインパネ。従来型チンクオーナーの島崎氏は味わいが薄れたと感じながらも、利便性など機能面での進化については認めている

 一方でインテリアは、昔のNHK教育テレビの視聴者参加番組のようだが「ちょっと意見!」と言いたい。あくまで個人の見解だが、NUOVA500をモチーフにした従来型のほうが、味わいあるデザインだった気がする。

 オーナーの立場を振りかざして言わせていただくと、某国産車を連想するインパネなど、チンクっぽくなくない?(←否定、の意味)と。

 ステアリングコラムはチルトだけでなくテレスコの調節も効くようになり、ドアオープンはまるでレクサスのような電気式になったり、運転席の高さとリクライニング調節がどちらもドア側のレバーになりかなり使いやすくなったなど、機能の進化は認められる。

■走りはBEVでもチンクだった!

BEVとしての走りの洗練度という点ではまだまだ課題を残す500eながら、パワートレーンが変わってもチンクらしい走り味は健在だ。カブリオレの開放感は最高!

 で、走りだが、案外というか意外というか「やっぱりチンクだ」と思わされた。

 注目のモータードライブは、パワフルでシームレスな加速感に圧倒される。振動、共振のカタマリのツインエアとは別世界。

 とはいえ3モードのうち“ノーマル”の加・減速、アクセルレスポンスは不思議とICE(内燃機関)的な自然さが味わえ、“レンジ”では回生ブレーキを使って停止まで行く。

 “シェルパ”は電費に効くようスピードや各種機能に制限をかけるモードだが、制御ロジックが独特でスムースに走らせるには理解、習得が必要。

 それにしても一番意外だったのは、乗り味がICEのチンクと大きく違わない点。走行中のピッチングモーションなど、車重と時代の進化の差をあまり実感しない。

 まあだからチンクらしいのだが、モーターでパワー感が超スムーズになった反面、新世代チンクとして乗り心地の洗練度は、タイヤの大径化もありコチラの期待値にもうふた息の感じ。

 500eはステランティス発足前の単独開発でコストがかかったことは否めなかったという。とはいえホンダeなどと比べても、電動車ながらチンクらしい走りの味が削がれていない点がいいと思う。

■フィアット500e主要諸元&価格

●主要諸元(数値は500e Icon)
・全長×全幅×全高:3630×1685×1535mm
・ホイールベース:2320mm
・車両重量:1330kg
・最小回転半径:5.1m
・パワーユニット:モーター
・最高出力:118ps/4000rpm
・最大トルク:22.4kgm/2000rpm
・バッテリー:リチウムイオン
・総電力量:42kwh
・一充電走行距離(WLTCモード):335km
・価格:485万円

●価格表(税込み)
・500e Pop(ハッチバック):450万円
・500e Icon(ハッチバック):485万円
・500e Open(カブリオレ):495万円
※500e Popは受注生産
※お得なサブスク型カーリースも用意
・フィアットエコプラン(月額5万3000円)
・バケットフィアット(月額3万4000円)
上記はPopの場合 5年契約、ボーナス11万円×10回

こんな記事も読まれています

角田裕毅9位、選手権6位争いにおいて価値ある2点を獲得「強力なレースペースを示せた。シーズン最後まで全力で戦う」
角田裕毅9位、選手権6位争いにおいて価値ある2点を獲得「強力なレースペースを示せた。シーズン最後まで全力で戦う」
AUTOSPORT web
サイズも価格も近い禁断の兄弟対決!! [ランドクルーザー250]と[ランドクルーザー300]の違いって??
サイズも価格も近い禁断の兄弟対決!! [ランドクルーザー250]と[ランドクルーザー300]の違いって??
ベストカーWeb
【ポイントランキング】2024年WRC最終戦ラリージャパン後
【ポイントランキング】2024年WRC最終戦ラリージャパン後
AUTOSPORT web
無冠の帝王が汚名返上。苦節13年で初王者のヌービル「本当に長かった。大変な努力へのご褒美だ」
無冠の帝王が汚名返上。苦節13年で初王者のヌービル「本当に長かった。大変な努力へのご褒美だ」
AUTOSPORT web
フェルスタッペンがドライバーズ選手権4連覇【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP 決勝
フェルスタッペンがドライバーズ選手権4連覇【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP 決勝
AUTOSPORT web
古さと新しさが同居した天才的デザインに仰天!! ディフェンダーの「貫禄」にシビれた!!!【テリー伊藤のお笑い自動車研究所】
古さと新しさが同居した天才的デザインに仰天!! ディフェンダーの「貫禄」にシビれた!!!【テリー伊藤のお笑い自動車研究所】
ベストカーWeb
ドリキンが自腹購入したホンダ「シビックタイプR」でチューニング指南! 無限×ヤマハコラボの「パフォーマンスダンパー」は買いです
ドリキンが自腹購入したホンダ「シビックタイプR」でチューニング指南! 無限×ヤマハコラボの「パフォーマンスダンパー」は買いです
Auto Messe Web
【F1第22戦決勝の要点】 岩佐歩夢が分析するメルセデスの速さの秘密「マシン特性の不利を覆すほどのいい仕事」
【F1第22戦決勝の要点】 岩佐歩夢が分析するメルセデスの速さの秘密「マシン特性の不利を覆すほどのいい仕事」
AUTOSPORT web
1.2L 3気筒+モーター3基で300ps ルノー・ラファール E-テックへ試乗 アルピーヌに相応しい走り
1.2L 3気筒+モーター3基で300ps ルノー・ラファール E-テックへ試乗 アルピーヌに相応しい走り
AUTOCAR JAPAN
ヒョンデ「アイオニック5」がマイチェンで航続可能距離703キロに! 気になる車両価格は523万6000円から…30台限定の「コナ マウナ ロア」にも注目
ヒョンデ「アイオニック5」がマイチェンで航続可能距離703キロに! 気になる車両価格は523万6000円から…30台限定の「コナ マウナ ロア」にも注目
Auto Messe Web
『絶対完走』の重圧に耐えた勝田。来季シートがかかっていたことを示唆【ラリージャパン後コメント】
『絶対完走』の重圧に耐えた勝田。来季シートがかかっていたことを示唆【ラリージャパン後コメント】
AUTOSPORT web
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 後編 ジャンクヤード探訪記
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 後編 ジャンクヤード探訪記
AUTOCAR JAPAN
中型からステップアップ 人気の“ミドルクラスネイキッド”スズキ「SV650」とカワサキ「Z650RS」どっちを選ぶ?【スペックでライバル比較】
中型からステップアップ 人気の“ミドルクラスネイキッド”スズキ「SV650」とカワサキ「Z650RS」どっちを選ぶ?【スペックでライバル比較】
VAGUE
ラリージャパンで一般車の侵入という衝撃トラブルが発生! SSのキャンセルもあるなかトヨタ勢は2・3・5位に着ける
ラリージャパンで一般車の侵入という衝撃トラブルが発生! SSのキャンセルもあるなかトヨタ勢は2・3・5位に着ける
WEB CARTOP
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 前編 ジャンクヤード探訪記
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 前編 ジャンクヤード探訪記
AUTOCAR JAPAN
サーキット派に朗報! ウェッズスポーツ「TC105X」に16インチの新サイズ登場…マツダ「ロードスター」や走りのFF車にオススメです
サーキット派に朗報! ウェッズスポーツ「TC105X」に16インチの新サイズ登場…マツダ「ロードスター」や走りのFF車にオススメです
Auto Messe Web
【ラリージャパン2024】最終ステージでトヨタが逆転! マニュファクチャラーズタイトル4年連続獲得、豊田章男会長「感動という共感を生んだ」
【ラリージャパン2024】最終ステージでトヨタが逆転! マニュファクチャラーズタイトル4年連続獲得、豊田章男会長「感動という共感を生んだ」
レスポンス
独創的な「近未来」フォルム! シトロエンCX 5台を乗り比べ(1) モデル名は空気抵抗係数から
独創的な「近未来」フォルム! シトロエンCX 5台を乗り比べ(1) モデル名は空気抵抗係数から
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

1件
  • 中国人に対する蔑称チンク、
    デカデカと書いてもいいんだねw
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村