Q:30万台超えを記録した2017年の外国メーカー車の新規登録台数。過去何番目の台数?
text:Naojiro Onuki(大貫直次郎)A:2番目。過去最高だった1996年の約32万台に次ぐ好記録。
登録車に占める輸入車のシェアも9.0%と高水準を成し遂げた。
M・ベンツ 3年連続でトップ
日本自動車輸入組合(JAIA)がまとめた12月の外国メーカー車の新規登録台数は、前年同月比4.6%増の3万1493台と5カ月連続でのプラスを達成。日本メーカー車含でも同5.5%増の3万5334台と、5カ月連続で前年実績を上回った。この結果、2017年の外国メーカー車の新規登録台数は前年比3.7%増の「30万6088台」となり、2年連続での前年超えを記録。
また、30万台超は1997年以来20年ぶり、しかも過去最高だった1996年の約32万台に次ぐ2番目の好成績を残した。登録車に占める輸入車のシェアも、9.0%と高水準を維持する。
輸入車市場の動きについてJAIA関係者は「12月の外国メーカーの新車販売は好調を維持するドイツ・ブランドに加え、フランスやイタリアなどのブランドも好成績を記録し、全体として登録台数を伸ばした。価格帯別では400万円以上1000万円未満が好セールスを維持。また、ディーゼル車の販売も堅調に推移している」と分析。
「2017年を通してみると、景気の回復傾向が追い風となり、外国メーカー車で30万台を超す新規登録台数を記録した。各ブランドが積極的に新型車を投入したこと、排出ガス規制不正問題の影響からフォルクスワーゲンとアウディが立ち直りつつあること、ドイツ以外のブランドも健闘したことなどが、数字を伸ばした要因。クルマとしてはSUVやディーゼル車のカテゴリーが好調。価格帯別では400万円以上1000万円未満がとくに成績を伸ばした」と明示した。
今後の見通しについては「2018年も各ブランドが新型車を精力的に導入する予定なので、景気の回復基調が続けば好セールスを維持できる可能性は十分にある。SUVモデルやディーゼル車のほか、新しい環境対応車もシェアを伸ばしていくだろう」と解説した。
2017年12月「インポートカー」新規登録ランキング
車名別インポートカー新規登録台数 (乗用車、貨物、バス合計)
日本自動車輸入組合 1月からの累計台数順1位 メルセデス・ベンツ 7166台
2位 BMW 5482台
3位 フォルクスワーゲン 4153台
4位 アウディ 3055台
5位 BMWミニ 2760台
6位 トヨタ 1590台
7位 ボルボ 1808台
8位 日産 643台
9位 ジープ 1113台
10位 プジョー 855台
11位 ルノー 451台
12位 ポルシェ 832台
13位 フィアット 656台
14位 スズキ 372台
15位 スマート 547台
16位 三菱 207台
17位 ランドローバー 524台
18位 シトロエン 344台
19位 ホンダ 1029台
20位 ジャガー 237台
M・ベンツ 5年連続の過去最高更新
外国メーカーの12月のブランド別成績では、前年同月比1.4%減ながら7166台の新規登録を成し遂げたメルセデス・ベンツが34カ月連続での首位につく。第2位には同5.6%増の5482台を達成したBMWが7カ月連続で位置。第3位には同0.6%減(4153台)と5カ月ぶりに前年割れを記録したフォルクスワーゲンが、第4位には同10.2%増(3055台)と3カ月連続でプラスとなったアウディが入った。
2017年 通年の成績は?
この結果、2017年通しての外国メーカーのブランド別順位は、前年比1.2%増の6万8221台を達成したメルセデス・ベンツが3年連続でのトップ、しかも5年連続で過去最高台数を更新する。続く第2位には、同3.9%増(5万2527台)のBMWが2年連続でランクイン。第3位には同3.8%増(4万9040台)のフォルクスワーゲンが、第4位には同0.6%減(2万8336台)のアウディが入った。
ドイツ4強以外の2017年通しての成績は、BMWミニが前年比3.6%増(2万5427台)、ボルボが同8.1%増(1万6120台)、ジープが同7.6%増(1万102台)、プジョーが同11.3%増(8242台)、ルノーが同34.3%増(7121台)、スマートが同2.9%増(4638台)、ランドローバーが同11.0%増(3619台)、シトロエンが同56.9%増(3152台)、アバルトが同23.1%増(2286台)、アルファロメオが同4.0%増(1838台)、マセラティが同37.9%増(1824台)、シボレーが同36.4%増(809台)と前年超えを成し遂げる。
高級スポーツカーブランドの好調さも目立ち、ポルシェが同0.5%増(6923台)、フェラーリが同14.3%増(775台)、ランボルギーニが同24.3%増(475台)、アストン マーティンが同72.6%増(321台)を達成した。日本ブランドでは、トヨタがハイラックスの新規導入などの効果で同7.4%増(1万7057台)、ホンダが新型シビックや新型NSXの導入で同276.2%の大幅増(2987台)を記録。登録台数を伸ばせる新型車の導入がなかった日産やスズキ、三菱自動車はいずれも前年比で2桁減となった。
年間のモデル別販売台数では、BMWミニが2年連続での首位に輝く。昨年、1988年の調査開始以来初めてトップを明け渡したフォルクスワーゲン・ゴルフは、またしても2位に甘んじることとなった。
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